Ⅳ期でも治癒の可能性が3割も! 切除不能非小細胞肺がんの最新治療
2023年4月
「切除不能の非小細胞肺がん薬物療法におけるいちばんの課題は、タグリッソ耐性後の治療です。それを克服すべく、現在、臨床試験を進めています」と話す高橋さん 肺がん薬物療法は驚異的な進化を遂げ続けています。皮切りとなったのが約20年前に登場した分子標的薬イレッサ。がん組織にドライバー遺伝子変異を見つけ出し、その変異をピンポイントに阻害するという、それまでとは全く違う機序を持つ分子標的薬の登場が肺がん治療...
肺がん
2023年4月
「切除不能の非小細胞肺がん薬物療法におけるいちばんの課題は、タグリッソ耐性後の治療です。それを克服すべく、現在、臨床試験を進めています」と話す高橋さん 肺がん薬物療法は驚異的な進化を遂げ続けています。皮切りとなったのが約20年前に登場した分子標的薬イレッサ。がん組織にドライバー遺伝子変異を見つけ出し、その変異をピンポイントに阻害するという、それまでとは全く違う機序を持つ分子標的薬の登場が肺がん治療...
2023年3月
「欧米を中心に免疫チェックポイント阻害薬の効果は腸内細菌によって修飾されると報告があったのですが、日本人の腸内細菌叢は欧米とは大きく異なるので、日本人の研究が必要と考えました」と語る庄司文裕さん がんの治療で重要な存在になってきた免疫チェックポイント阻害薬。肺がんの治療でもすでに多くの患者さんに使用されるようになっています。この免疫チェックポイント阻害薬の効果に、患者さんの腸内細菌叢の状態が関係す...
2022年1月
「小型の非小細胞肺がんに対して標準治療の肺葉切除と縮小手術である区域切除の比較試験を行った結果、区域切除群の生存期間が有意に長いことが明らかになりました。外科分野における最近のトピックでしょう」と語る久保田さん 近年、目覚ましい進歩を遂げている非小細胞肺がんの治療。いくつもの臨床試験が進められており、2021年も新しいデータが報告されている。そうした中から、実際の治療に大きな影響を与えることになり...
2020年12月
「肺がんの検査は、遺伝子パネル検査の方向にありますが、コストベネフィットも考える必要があるでしょう」と語る久保田 馨さん 近年、進行・再発非小細胞肺がんの薬物治療は選択肢が増え、目覚ましい進歩を遂げている。2002年に登場し、2004年EGFR遺伝子に変異のある患者に有効だとわかったイレッサを皮切りに、解明された遺伝子変異ごとの治療薬の開発が進み、非小細胞肺がんの薬物治療は細分化してきた。そんな中...
2020年2月
「肺臓炎をうまく抑えて、化学放射線療法後、イミフィンジの投与をできるだけ早く開始したほうが良い結果が出ています」と語る大西 洋さん 非小細胞肺がんⅢ期における化学放射線療法は標準治療だが、最近、治療後の免疫チェックポイント阻害薬の上乗せ効果が認められ、その治療が標準治療化されてきた。今後はさらなる延命効果を望むために、様々な治療の組み合わせが臨床試験を通じて模索されていきそうだ。ここでは手術不能非...
2020年2月
「1、2年くらいで効果が薄れてしまう分子標的薬の使う順番を検討することは今後の課題です」と語る久保田 馨さん がんの中でも予後が悪い肺がん。その中で驚くほど生存率を伸ばしてきたのが、手術不能または再発した、つまり進行した非小細胞肺がんの治療だ。分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新薬が相次いで登場し、遺伝子解析により〝効く人に効く〟薬剤を選択できる個別化医療が進化しつつある。さらに、治療薬...
2020年2月
「小細胞肺がんは進行が早いので、化学療法で進行を抑えながら免疫療法の反応が出るのを待つ、という治療戦略が功を奏したのではないかと思います」と語る西尾誠人さん 非小細胞肺がん治療は、ここ数年、目覚ましい進歩を遂げてきた。一方、この20年弱、新しい治療法も薬も登場しなかった小細胞肺がん。そんな中、昨年(2019年)、長い沈黙を破って待望の新薬が承認された。これまでの化学療法に免疫チェックポイント阻害薬...
2019年3月
「第Ⅲ相試験でいちばん厳しいと思われた膵がん患者さんの成績がよかったので、肺がんだけでなく消化器がんにも試してみる価値がある」と語る古瀬純司さん 進行したがん患者に多く見られる悪液質は、患者のQOL(生活の質)を著しく低下させるにもかかわらず、長い間効果的な治療法を見出せなかった。しかし、初の治療薬アナモレリンが国内で実施された第Ⅱ相臨床試験で、非小細胞肺がん患者の悪液質に対する有効性が確認された...
2019年2月
「近い将来、〝免疫療法なくして肺がん治療はない〟時代が来ます」と語る高橋和久さん 2018年末、肺がん治療に対する免疫チェックポイント阻害薬の適応が大幅に拡大された。遺伝子検査で分子標的薬が適応にならなければ、PD-L1発現の有無に関わらず、免疫チェックポイント阻害薬を使った免疫療法を受けられるようになったのだ。2019年の幕開けと同時に、肺がん治療は免疫療法主流の方向に大きく舵を切った――。 治...
2019年2月
「向って行く方向性は同じ。放射線治療医と呼吸器内科医、腫瘍内科医が協力して新しい可能性を拡げていきたい」と話す大西洋さん 免疫チェックポイント阻害薬の登場により、進行肺がんの治療に大きく光が差してきたが、単剤では遠隔転移を排除できる率は十分とは言えない。そんな中で期待されているのが放射線との併用療法だ。放射線療法が固形がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の効果を増強する可能性があることを検証する...