2025年3月
「従来のロボット手術では、肋骨の間に複数の孔をあける必要がありますが、単孔式ロボット手術では、腹部からのアプローチで手術を行えました。患者さんにとって、最も負担の少ない手術法と考えられます」と語る川口さん 肺がんの手術は、かつては開胸手術が標準治療でしたが、その後、胸腔鏡手術が出現し、さらにロボット支援下内視鏡手術(ロボット手術/ダビンチ手術)が登場したことで、新しい時代を迎えています。そして20...
2025年1月
「EGFR変異陽性をEGFR阻害薬で治療していると、MET遺伝子が増えて耐性の原因になることがあります。METも標的とするライブリバントは、そうした患者さんにも効くのではないかと期待されています」と語る安田さん EGFRエクソン20挿入変異は、EGFR遺伝子変異の一種ではあるものの、タグリッソやイレッサなどのEGFR-TKIがまったく効きません。新薬開発は苦戦が続いていましたが、ライブリバントが化...
2025年1月
「タグリッソは効果が高いのに副作用は軽く、社会生活や家庭生活を大きく変えることなく治療でき、利便性の点からも使いやすい薬剤と言えるでしょう。それが治療ラインを前へ前へと進める原動力になってきました」と語る加藤さん EGFR変異陽性の進行肺がんの1次治療薬として使われてきたタグリッソですが、2022年からは手術後の補助療法としても使用できるようになっています。また、2024年に報告された「LAURA...
2024年12月
「肺がんサルベージ手術は、現在、比較的安全に行えることを内科医と患者さんに情報共有していくことが大切だと思います。情報共有することによって、今より多くの患者さんがサルベージ手術のチャンスを得られます」と語る菱田智之さん 肺がんで手術の対象とならない患者さんでも、薬物療法などがよく効いた場合には、根治を目指して「サルベージ手術」が行われることがあります。従来、3期で化学放射線療法がよく効いた場合が主...
2024年2月
「空咳、息切れ、発熱の3つを覚えておいてください。とくに薬剤性の場合は熱が出ることがあります」と語る久保田さん 肺炎は老齢者や乳幼児に多い病気で、風邪をこじらせて肺炎になったなどしばしば耳にします。ところが、同じ肺炎でも、「間質性肺炎」はあまり聞いたことがない方も多いかもしれません。肺がんの薬物療法の副作用、自己免疫疾患の膠原病や身近なカビなどさまざまな原因で発症し、しかもその原因がわからないこと...
2023年7月
「IVRという名称は一般にはあまり知られていませんが、IVRという治療法は広く行われている治療法なのです」と語る山門さん 電磁波の一種であるラジオ波でがんを焼くラジオ波焼灼術は、2004年、肝がんの治療に対して保険適用されただけでした。しかし、昨年(2022年)9月から適応が拡大され、肺腫瘍、腎腫瘍、骨腫瘍なども保険で受けられるようになっています。これらの治療を以前から行っている兵庫医科大学放射線...
2023年7月
「切除可能NSCLCの薬物療法は術前か術後のどちらがよいかが、いま大きな議論になっています。私はステージⅢなら術前、ステージⅡまでは現時点では術後がよいと考えます」と話す大矢由子さん 切除可能でもⅡ期以降は術後補助療法が推奨される非小細胞肺がん(NSCLC)。その周術期治療に、この1年、進化が起きています。術前、術後治療に免疫チェックポイント阻害薬が登場し、EGFR遺伝子変異陽性には術後補助療法に...
2023年4月
「切除不能の非小細胞肺がん薬物療法におけるいちばんの課題は、タグリッソ耐性後の治療です。それを克服すべく、現在、臨床試験を進めています」と話す高橋さん 肺がん薬物療法は驚異的な進化を遂げ続けています。皮切りとなったのが約20年前に登場した分子標的薬イレッサ。がん組織にドライバー遺伝子変異を見つけ出し、その変異をピンポイントに阻害するという、それまでとは全く違う機序を持つ分子標的薬の登場が肺がん治療...
2023年3月
「欧米を中心に免疫チェックポイント阻害薬の効果は腸内細菌によって修飾されると報告があったのですが、日本人の腸内細菌叢は欧米とは大きく異なるので、日本人の研究が必要と考えました」と語る庄司文裕さん がんの治療で重要な存在になってきた免疫チェックポイント阻害薬。肺がんの治療でもすでに多くの患者さんに使用されるようになっています。この免疫チェックポイント阻害薬の効果に、患者さんの腸内細菌叢の状態が関係す...
2022年1月
「小型の非小細胞肺がんに対して標準治療の肺葉切除と縮小手術である区域切除の比較試験を行った結果、区域切除群の生存期間が有意に長いことが明らかになりました。外科分野における最近のトピックでしょう」と語る久保田さん 近年、目覚ましい進歩を遂げている非小細胞肺がんの治療。いくつもの臨床試験が進められており、2021年も新しいデータが報告されている。そうした中から、実際の治療に大きな影響を与えることになり...