ステージ3か4Aの膵臓がん。治る可能性は?

回答者:池田 公史
国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科医師
発行:2007年8月
更新:2013年11月

  

2007年4月に、膵臓がんと判明しました。腫瘍マーカーの値は163で、黄疸はありませんが、ステージは3か4Aと言われました。膵臓の頭に3センチほどの塊があり、通常は2~3ミリの膵管が8ミリほどになっているそうです。また、膵液の出口が圧迫されていて、膵管に詰まっているところがあるかもしれないとも言われています。何もしなければ、あと半年から1年の命と言われました。手術で治ったり、延命できる可能性はあるでしょうか。また、手術以外に有効な治療法はあるでしょうか。

(奈良県 男性 77歳)

A 可能なら手術を。しかし、再発率も高い

膵臓がんで、根治が期待できる治療法は外科切除であり、内科的な治療では、根治を期待することは困難です。切除が可能な場合には、外科切除のほうが内科的治療よりも良好な治療成績が報告されており、可能であれば、外科切除が第1に勧められています。

しかし、膵臓がんは切除を行っても、再発率が非常に高いのが特徴の1つでもあります。そのため、切除しても、5年生存率は10~20パーセントほどと高くないのが現状です。また、ステージが高くなるほど再発しやすく、ご相談者のように、ステージが3か4Aとなると、手術をしても、再発する可能性は高いと思われます。

内科的な治療には、抗がん剤治療や放射線治療、それらを組み合わせた化学放射線治療などがありますが、前述のように、根治はあまり期待できません。とはいえ、これらの内科的な治療でも延命効果が示されており、外科切除が困難な場合には、広く行われています。

ご相談者は77歳とややご高齢ですので、手術にはある程度のリスクが伴うと考えられます。しかし、ほかに大きな合併症などがなくて、体力的にも問題がないのであれば、手術について担当医とよく相談してみてはいかがでしょうか。

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