乳がん多遺伝子検査とは

乳がん多遺伝子検査とは

がん治療では、手術で取りきれない微小な転移をたたく術後補助化学療法が重要で、乳がんでも再発のリスクのある人には行っています。
現在では乳がんの性質を、ホルモン受容体(ER)とHER2受容体の陽性(+)・陰性(−)の組み合わせ(4つ)に分類し、さらにER+HER2−タイプを増殖能の高低で分けて、5つのタイプに分類しています。ER + HER2−の増殖能の高いタイプにはホルモン療法に加えて、抗がん薬治療が選択されます。
しかし、がんの増殖能が高いかどうかの区別は意外に難しいため、多くの乳がん患者さんは、術後、ホルモン療法に加えて、抗がん薬治療を行うかどうかで悩むことになります。
無駄な治療は避けたいのは当然のことで、そこで、乳がんの術後の再発リスクを予測する検査として登場してきたのが、多遺伝子発現検査(多遺伝子アッセイ)と呼ばれるものです。
現在、術後化学療法を行うかどうかを判断するために用いられている多遺伝子発現検査の主なものには、Oncotype DX(オンコタイプ ディーエックス)、MammaPrint(マンマプリント)、Curebest 95GC(キュアベスト95GC)などがあります。
検査は、通常のホルマリン固定された検体でできるものや、凍結検体が必要などそれぞれ特徴がありますが、いずれにしても、明確な数値によって乳がんの再発リスクや薬の効果を事前に把握でき、結果によっては安心して抗がん薬治療を行わなくてよいという患者さんにとっては大きなメリットがあります。

乳がん早期発見のため検診を受けましょう

女性の乳がんの発症年齢(図)は、40代と60代にピークがあり、国としても40歳以上の女性については、2年に1回の乳がん検診を推奨しています。検査費用も多くは公費負担されています。

図.

(出典:がん情報サービス)