- 高濃度乳房の多い日本人女性には マンモグラフィとエコーの「公正」な乳がん検診を!
日本で2000年にマンモグラフィを導入した乳がん検診が始まってから、2024年の今年で24年目になります。しかし、欧米人女性に対して乳がん死亡率減少効果のエビデンスがあるマンモグラフィ検診の導入後も、日本では乳がんの死亡率は減少どころか増え続けています。そこで今回は、乳がん検診の第1人者の静岡県立静岡がんセンター乳腺画像診断科部長植松孝悦さんに、日本の乳がん検診の問題点、今できる最適な乳がん検診、今後の改善点などについて伺いました。
監修●植松孝悦 静岡県立静岡がんセンター乳腺画像診断科/生理検査科部長 - 腺がんで威力を発揮、局所進行がんの根治をめざす 子宮頸がんの重粒子線治療
放射線治療は子宮頸がんの約70%を占める扁平上皮がんに効きやすいこともあり、子宮頸がんの根治をめざす治療法として近年、ますますウエイトが増している。また、局所進行がんには、放射線と化学療法を組み合わせる化学放射線療法が標準治療となっている。それに加え、放射線の一種である重粒子線による治療が子宮頸がんに対する先進医療として行われており、極めて良好な治療成績をあげている。そこで最新の、重粒子線子による子宮頸がん治療について、量子科学技術研究開発機構QST病院の治療診断部部長、若月優さんに話を伺った。
監修●若月 優 量子科学技術研究開発機構QST病院治療診断部部長 - 不正出血を見逃さないで! 子宮頸がんを抜き、増加している子宮体がん
子宮頸がんに比べて情報量が少なく、健康診断項目にも入っていないことから意識する機会も少ない子宮体がん。しかし、実は今、子宮体がんの罹患者数は子宮頸がんを追い越し、年々、増加の一途をたどっている。罹患年齢の中心は、閉経が見えてくる50歳前後。閉経前後の不正出血は単なるホルモンバランスの乱れと思い込み、放置してはいないだろうか? もしかしたら、それは子宮体がんのサインかもしれないのだ。子宮体がんについて知っておきたい基礎知識から最新情報まで、静岡がんセンター婦人科医長の高橋伸卓さんに話を聞いた。
監修●高橋伸卓 静岡県立静岡がんセンター婦人科医長 - 分子標的薬と免疫療法薬との併用療法が高い効果 進行腎細胞がんの1次治療に新しい複合免疫療法が登場
進行腎細胞がんの1次治療は、がん免疫療法薬と分子標的のチロシンキナーゼ阻害薬を併用する「複合免疫療法」が中心となっている。現在は3種類の併用療法が行われているが、最近になって、2種類の複合免疫療法の第Ⅲ相試験結果が報告された。新たな複合免疫療法である<オプジーボ+カボメティクス併用療法>と<キイトルーダ+レンビマ併用療法>の臨床試験結果は、従来の治療法の成績を超えているという。期待の併用療法を含め、進行腎細胞の複合免疫療法について解説してもらった。
監修●植村天受 近畿大学医学部泌尿器科学主任教授 - 免疫チェックポイント阻害薬が薬物療法に変革をもたらした! 食道がん、キイトルーダが1次治療に加わる見込み
長らく難治とされてきた食道がんに、ようやく光が射してきた。免疫チェックポイント阻害薬が第Ⅲ相試験を突破して、30年ぶりに薬物療法が進化を遂げたのだ。2次治療に承認されて標準治療となったオプジーボ、キイトルーダに加えて、今、1次治療にも大きな進化が起ころうとしている。食道がん治療に訪れている大変革と今後の展望について、国立がん研究センター中央病院頭頸部・食道内科長の加藤健さんに話を聞いた。
監修●加藤 健 国立がん研究センター中央病院頭頸部・食道内科長 - 長い停滞を乗り越えて次々と新薬登場! 内臓転移でも選択肢が増えたメラノーマ
皮膚がんは、当初はほくろや皮膚炎などと見間違うことも多く、市販の薬で処置したりほっておく人も多い。皮膚がんのなかでも悪性度が高いメラノーマ(悪性黒色腫)は、早期であれば手術だけで完治するが、病気の進行が早いため、診断を受けたときにはすでに転移を起こしていることもある。その場合、薬物療法に大きな効果が望めない時代が長く続いた。そこに、今では様々ながん種で使われるようになった免疫チェックポイント阻害薬オプジーボがメラノーマに初登場した。2014年のことである。その後も、新しい分子標的薬などが承認され、治療選択肢が着実に広がっている。今回は主にメラノーマの最新療法についてがん・感染症センター都立駒込病院皮膚腫瘍科部長の吉野公二さんに伺った。
監修●吉野公二 がん・感染症センター都立駒込病院皮膚腫瘍科部長
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