若年性であることは再発リスク因子ではない
Q4 マンモグラフィ検査は有効?
マンモグラフィ検査(以下マンモ)とは、乳腺専用のX 線検査です。各自治体が一定の年齢の女性に補助金を出すことで検査の普及を図っています。板状のプレートに乳房を挟んでつぶす形にしてX 線撮影します。触診で発見しにくい小さなしこりも発見できますが、放射線を当てることと乳房を圧迫する痛みに対する受診対象者側の抵抗が強いことも確かです。
聖路加国際病院の梶浦由香さんは、若い女性から「マンモと超音波検査(エコー)のどちらがよいか」という相談をよく受けるといいます。梶浦さんは、「マンモでも1 年に1 回程度なら被爆による影響はほとんど心配ありません。むしろ撮らないことで、マンモでしか見えない石灰化などが見過ごされる危険があります」とマンモの有用性を認めています。
さらに「マンモの長所は、客観的であること。画像として残るので、訓練を受けた医療者ならほぼ同じ結論を出せます。左右比較しながら、全体を評価できるので検査の目的に合っています。エコーは痛みや被爆リスクはありませんが、やや客観性に乏しく乳房全体の同時評価が難しいこともあります」と話し、双方の長所と短所を説明して、使い分けや組み合わせを提案しているといいます。
Q5 病期(ステージ)はどのように分けますか?
乳房のしこりの大きさ、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無によって大きく5 段階の病期(ステージ)に分類されます。発症年齢は関係ありません。

Q6 それぞれのステージでの治療法は?
標準治療として外科療法(手術)、放射線療法、薬物療法があります。それぞれを単独で行う場合と複数を組み合わせて行う場合があります。
乳がんでは病状に応じた標準治療が確立されています。医師とよく相談の上、自分の症状とがんの悪性度、その後の自身のライフスタイルなどを考えて治療法を検討すべきです。若いからといって、特別な治療を加える必要はなく、病期とタイプに合わせた治療を行います。
Q7 「サブタイプ」とは何ですか?
がんが周囲の脂肪組織などに広がらず、乳管内にとどまっている状態を非浸潤がんといいます。この場合、転移の可能性は低く、手術で切除すれば完治の可能性が高いのですが、周囲に浸潤してしまった場合には、転移の危険を考えなければなりません。
転移の芽をつぶす治療法として、全身療法である化学療法やホルモン療法を行う場合があります。
がん細胞に「ホルモン受容体があるか」と「がん遺伝子のHER2 をもつ(陽性)か」を軸にがんの特性を分類したものをサブタイプといい、5つのタイプに分けられています。ホルモン受容体があればホルモン治療の適応があり、HER2 陽性であれば*ハーセプチンを追加するなど、治療方法選択の1つになっています。若年性乳がんであっても、その選択法に違いはありません。

*ハーセプチン=一般名トラスツズマブ
同じカテゴリーの最新記事
- 高濃度乳房の多い日本人女性には マンモグラフィとエコーの「公正」な乳がん検診を!
- がん情報を理解できるパートナーを見つけて最良の治療選択を! がん・薬剤情報を得るためのリテラシー
- 〝切らない乳がん治療〟がついに現実! 早期乳がんのラジオ波焼灼療法が来春、保険適用へ
- 新規薬剤の登場でこれまでのサブタイプ別治療が劇的変化! 乳がん薬物療法の最新基礎知識
- 心臓を避ける照射DIBH、体表を光でスキャンし正確に照射SGRT 乳がんの放射線治療の最新技術!
- 術前、術後治療も転移・再発治療も新薬の登場で激変中! 新薬が起こす乳がん治療のパラダイムシフト
- 主な改訂ポイントを押さえておこう! 「乳癌診療ガイドライン」4年ぶりの改訂
- ステージⅣ乳がん原発巣を手術したほうがいい人としないほうがいい人 日本の臨床試験「JCOG1017試験」に世界が注目!
- 乳がん手術の最新情報 乳房温存手術、乳房再建手術から予防的切除手術まで
- もっとガイドラインを上手に使いこなそう! 『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』はより患者目線に