2020年2月
「小細胞肺がんは進行が早いので、化学療法で進行を抑えながら免疫療法の反応が出るのを待つ、という治療戦略が功を奏したのではないかと思います」と語る西尾誠人さん 非小細胞肺がん治療は、ここ数年、目覚ましい進歩を遂げてきた。一方、この20年弱、新しい治療法も薬も登場しなかった小細胞肺がん。そんな中、昨年(2019年)、長い沈黙を破って待望の新薬が承認された。これまでの化学療法に免疫チェックポイント阻害薬...
2017年2月
「今も昔も、小細胞がんは注目されています。患者さんをよくしたいというのは医師みんなの願いなので、よい治療開発をしたいと思っています」と語る宇田川響さん 一般的に肺がんというと、罹患者数の多い非小細胞肺がん(NSCLC)をイメージすることが多い。一方で、小細胞肺がん(SCLC)は、患者数が少ないこと、新規治療薬が長く登場していないことなどで注目を浴びる機会は少なかった。そのような状況で、新たな分子標...
2015年9月
「小細胞肺がんは化学療法や放射線治療が効きやすいので、標準治療をしっかり受けてほしい」と語る軒原 浩さん 進行が早く、転移もしやすい一方で、抗がん薬や放射線治療がよく効くとされる小細胞肺がん。最も効果的な治療法を、できるだけ早く受けることが、治癒を目指すという意味で重要だと言えそうだ。 進行が早く転移しやすいが 薬も放射線も効く 肺がんは、小細胞肺がんとそれ以外の非小細胞肺がんに分けられ、小細胞肺...
2012年11月
小細胞肺がんの治療に詳しく、薬物療法の各種試験に携る後藤功一さん悪性度が高いとされる小細胞肺がんだが、抗がん剤や放射線が効きやすく、例えばリンパ節転移があっても、抗がん剤に放射線をプラスして完治を目指せる標準治療もある。治療薬の進歩や臨床研究の蓄積によって、小細胞肺がんの治療はどう変化しているのだろうか。最新の知見を紹介する。限局型と進展型に大別される図1 小細胞肺がんの治療方針病 期治 療1a期...
2008年7月
国立がん研究センター中央病院 総合病棟部長の 田村友秀さん 小細胞肺がんは進行が早く、他の臓器に広がると治療に難渋するたちの悪いがんとされてきた。 けれども、初回治療によく反応し、化学療法や放射線療法が効き、多くの患者さんに延命効果が期待できるがんでもある。 進行が早く広がりやすいが、治療効果も高いがん 胸部を写したレントゲン写真。←の部分が小細胞がん 「小細胞肺がん」は肺がんの10...
2007年7月
北里大学病院放射線部部長の 早川和重さん 肺がんの放射線治療は、治療技術の進歩によって大きく変わってきた。 局所制御率が向上することで、早期がんに対しては、手術に匹敵する治療成績を上げるまでになっている。 また、局所進行がんには抗がん剤との併用療法が行われ、骨や脳の転移巣を伴う進行がんに対しても対症的に放射線治療が行われている。照射技術と画像診断の進歩が早期がんの治療を変えた一般に、がんは早期のも...