
2022年1月
「小型の非小細胞肺がんに対して標準治療の肺葉切除と縮小手術である区域切除の比較試験を行った結果、区域切除群の生存期間が有意に長いことが明らかになりました。外科分野における最近のトピックでしょう」と語る久保田さん 近年、目覚ましい進歩を遂げている非小細胞肺がんの治療。いくつもの臨床試験が進められており、2021年も新しいデータが報告されている。そうした中から、実際の治療に大きな影響を与えることになり...


2020年12月
「肺がんの検査は、遺伝子パネル検査の方向にありますが、コストベネフィットも考える必要があるでしょう」と語る久保田 馨さん 近年、進行・再発非小細胞肺がんの薬物治療は選択肢が増え、目覚ましい進歩を遂げている。2002年に登場し、2004年EGFR遺伝子に変異のある患者に有効だとわかったイレッサを皮切りに、解明された遺伝子変異ごとの治療薬の開発が進み、非小細胞肺がんの薬物治療は細分化してきた。そんな中...


2020年2月
「肺臓炎をうまく抑えて、化学放射線療法後、イミフィンジの投与をできるだけ早く開始したほうが良い結果が出ています」と語る大西 洋さん 非小細胞肺がんⅢ期における化学放射線療法は標準治療だが、最近、治療後の免疫チェックポイント阻害薬の上乗せ効果が認められ、その治療が標準治療化されてきた。今後はさらなる延命効果を望むために、様々な治療の組み合わせが臨床試験を通じて模索されていきそうだ。ここでは手術不能非...


2020年2月
「1、2年くらいで効果が薄れてしまう分子標的薬の使う順番を検討することは今後の課題です」と語る久保田 馨さん がんの中でも予後が悪い肺がん。その中で驚くほど生存率を伸ばしてきたのが、手術不能または再発した、つまり進行した非小細胞肺がんの治療だ。分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新薬が相次いで登場し、遺伝子解析により〝効く人に効く〟薬剤を選択できる個別化医療が進化しつつある。さらに、治療薬...


2019年3月
「第Ⅲ相試験でいちばん厳しいと思われた膵がん患者さんの成績がよかったので、肺がんだけでなく消化器がんにも試してみる価値がある」と語る古瀬純司さん 進行したがん患者に多く見られる悪液質は、患者のQOL(生活の質)を著しく低下させるにもかかわらず、長い間効果的な治療法を見出せなかった。しかし、初の治療薬アナモレリンが国内で実施された第Ⅱ相臨床試験で、非小細胞肺がん患者の悪液質に対する有効性が確認された...


2019年2月
「近い将来、〝免疫療法なくして肺がん治療はない〟時代が来ます」と語る高橋和久さん 2018年末、肺がん治療に対する免疫チェックポイント阻害薬の適応が大幅に拡大された。遺伝子検査で分子標的薬が適応にならなければ、PD-L1発現の有無に関わらず、免疫チェックポイント阻害薬を使った免疫療法を受けられるようになったのだ。2019年の幕開けと同時に、肺がん治療は免疫療法主流の方向に大きく舵を切った――。 治...


2018年10月
「遺伝子検査はがんの精密な治療選択の上で大きな意味がある」と語る土原一哉さん がん患者のゲノム(遺伝子情報など)を調べて、がん細胞の遺伝子変異を検出し、それに見合ったより効果の高い治療法を選ぶ「ゲノム治療」。厚生労働省は、がん医療を充実させるための重点施策として取組みを加速させている。このゲノム医療のベースになるのが「遺伝子検査」だ。近年、先進医療として実地応用が進んでいる。このように遺伝子検査、...


2018年8月
「アバスチンは、シグナル分子VEGFを捕獲することで、血管新生阻害だけでなく、免疫機能アップに関与していると考えられます」と語る高橋俊二さん 現在、化学療法との併用で使われることがほとんどのアバスチンは、分子標的薬の中では少々、特殊な存在かもしれない。がん細胞に直接作用するのではなく、がん細胞を巡る環境に働きかけるアバスチンのメカニズム(作用機序)と今後の可能性に焦点を当ててみた。 アバスチンとは...


2018年2月
「化学療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬、血管新生阻害薬。この4種類をいかに組み合わせて効果を出していけるか、その可能性は限りなく広がっています」と語る西尾誠人さん EGFR遺伝子変異が、がん細胞の増殖に関わることが突き止められて10余年。いまや遺伝子変異検査によってがん細胞のタイプを見極め、自身のがん細胞の性格に合った薬物治療を受けられる時代になった。さらに、オプジーボに代表される免疫...


2018年2月
「重粒子線治療の安全性と有用性を検証するために行った研究です。ゼロではないですが他の治療よりはリスクが低いと言えます」と語る中嶋美緒さん 間質性肺炎にかかると高い確率で合併するという特徴のある肺がん。がんの治療として手術、放射線治療、化学療法のいずれをしても肺炎のほうが急性増悪してしまう危険がある。そのような状況で注目されているのが、放射線治療の1つである重粒子線治療だ。がんへのピンポイント攻撃で...
