2022年6月
「分子標的薬治療のタイミングを逸しないために、組織検体を可能な限り早めに遺伝子検査に出すよう主治医と相談しておきましょう」と語る上野 誠さん 長きに渡って、ゲムシタビン、シスプラチン、S-1という3剤の抗がん薬しか治療法がなかった胆道がん薬物療法に、明るい兆しが見えてきた。2021年3月に承認された初の分子標的治療薬ペマジールが臨床に登場しておよそ1年。加えて、まだ臨床試験段階ではあるが、免疫チェ...
2021年4月
「現在行っている治療を、どうかがんばって続けてください。肝内胆管がんの薬物療法は今、これまでにないスピードで進化しています。きっとご自身に合う薬に巡り合える日が来ます」と語る久保正二さん 昨年(2020年)末、初の「肝内胆管癌診療ガイドライン2021」が刊行された。診療ガイドライン作成委員会の委員長を務められた、大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵外科学病院教授の久保正二さんに肝内胆管がん治療の現状...
2018年10月
「日本は超音波検査の分野で世界のトップです。人間ドックや健康診断で指摘されたり、経過観察の途中で疑問や不安を抱いたときは、超音波画像を正確に読む技術を持つ専門医を訪ねましょう」と語る渡邊五朗さん 5年生存率20%と聞くと、絶望的にすら思える胆のうがん。閉鎖された臓器の中にできるがんだから、症状が出にくいことも難しさの一因だ。しかし、症状のない早期の段階で発見して手術すれば、なんと95%完治するとい...
2017年8月
「切除不能・再発胆道がんに対するインライタ単剤療法には期待が持てます」と語る岡野尚弘さん 現在、切除不能・再発胆道がん治療で保険承認されているのは、ジェムザール、TS-1、シスプラチンの3剤のみ。2次治療の標準治療も確立されていないのが現状だ。そこで現在、標準治療確立に向けて、先進医療として行われているのが、腎細胞がんですでに承認されているインライタによる単剤療法だ。なかには非常に奏効した例も見ら...
2016年7月
「FOLFIRINOX療法は、将来的には標準治療の第一選択になる可能性があります」と期待を語る伊佐山浩通さん 胆汁を十二指腸まで運ぶ胆道に発生するがんは早期に発見することが難しい。罹患者に高齢者が多いこともあり、手術で切除することが難しく、化学療法が選択されるケースも多い。現在は3剤による組み合わせで対応されているが、新しくFOLFIRINOXという4剤併用療法の臨床試験(先進医療B)が計画されて...
2015年10月
「切除不能とされても、ハイボリュームセンターを受診してみてほしい」と話す加藤厚さん 胆道がんは早期発見が難しいため、手術ができない進行がんの状態で見つかる場合が多い。それでも、化学療法でがんを小さくすれば外科切除が可能になるのではと、「術前化学療法」の臨床研究が行われており、その有効性が明らかになってきた。手術ができた結果、生存率が改善したという報告もある。切除不能と診断されても諦めなくていい時代...
2015年10月
「悪性度の高いがんですが、手術が可能なら、根治の可能性があります」と話す齋浦明夫さん 肝内胆管がんは、肝臓原発のがんの中で肝細胞がんに次いで2番目に多く、肝がん全体の約10%を占める。近年増えつつあるがんだが、手術ができない場合の予後は極めて悪いと言われている。肝内胆管がんの特徴や症状、手術や化学療法などの治療法について専門医に伺った。 肝がんと胆管がんの両方の側面を持つ 図1 肝内胆管がんの位...
2015年10月
「適応症例の明確化、手術手技の標準化が安全な手術としての普及につながると考えます」と語る本田五郎さん 胃がんや大腸がんに比べ、普及が遅れている肝胆膵領域の腹腔鏡下手術。腹腔鏡下手術用に開発された新しい手術器具が登場したことで、手術に要する時間は開腹手術に比べて長くなるものの、適切な症例を選ぶことで、安全性や根治性において、開腹手術と遜色ない結果を残せるようになっている。肝胆膵がんにおける腹腔鏡下手...
2014年12月
「肝胆膵がんの治療は胃や大腸がんに比べて難しいのが実情です」と話す島田和明さん腹部内臓器官の中で肝臓・胆道・膵臓はお互い密接な関係にあるため「肝胆膵」として一括に診療されるのが合理的とされる。肝胆膵外科手術は、複雑な解剖と臓器の特性から高度の技術が要求されるため、日本肝胆膵外科学会では「高度技能専門医制度」を導入し、広く質の高い手術が安全に行われるように努めている。肝胆膵のがん診療について、外科治...
2014年12月
「欧米で患者数が少ないことから薬の開発が進まない」と話す石井 浩さん「日本こそ、新薬の開発をして欲しい」と話す眞島喜幸さん 現在、胆道がん治療に有効な抗がん薬は3剤しかない。「もっと治療薬が欲しい」という患者会の声、ならびに胆道がんの化学療法の現状と今後の展望について専門医に聞いた。 日本胆道がん患者会胆道がんの患者のための、情報提供とサバイバーのネットワーク構築が目的の患者会です。胆道がん患者・...