
2023年9月
「がんの治療で頑張ってきた患者さんを循環器内科としてサポートしたいと思っていますので、がん治療中に何かおかしいと思ったら早めに相談して欲しい」と語る遠藤彩佳さん 抗がん薬アドリアマイシンによる心筋症は、何十年も前から知られていました。その後、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など新しい薬剤が登場し、多岐にわたる心血管の副作用(心血管毒性)が懸念されています。また、心血管疾患を抱える高齢のがん患...


2023年9月
「第Ⅲ相試験の中間解析で、手術に劣らない治療成績と十分な安全性が確認され、使用する機器は今年7月に薬事承認されました。今は来春の保険適用を目指して準備を進めております」と話す木下貴之さん 2006年に始まった第Ⅰ相試験から17年、早期乳がんに対する経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)が来春にも保険適用されます。適応は「腫瘍径1.5㎝以下、腋窩リンパ節転移および遠隔転移を認めない限局性早期乳がん」。早期...


2023年8月
「乳がん薬物療法が複雑化した現在、セカンドオピニオンが非常に有効になりました。ガイドラインとエビデンスだけでは語り切れないところに、リアルワールドデータが治療選択のヒントになってきます」と話す大野真司さん 今年(2023年)3月、抗体薬物複合体のエンハーツがHER2低発現に承認されたことで、乳がんの薬物療法はさらなる進化を遂げました。いまや、乳がん専門医でさえ戸惑うほど、治療法は複雑化しています。...


2023年6月
「エンハーツが今まで適応にならなかった45~55%のHER2-low患者さんに使用が可能になったことは大きい」と語る向井さん 抗体薬物複合体という新しいタイプの薬剤エンハーツは、2020年3月、HER2陽性の転移・再発乳がんに対する3次治療薬として承認されました。そして、2022年11月には2次治療で、さらに今年3月には、従来のHER2陽性のみならず、HER2の発現が少ない(HER2-low)乳が...


2023年2月
「患者さんの体表面に斑点パターンを投影し、それをスキャンすることで体の位置合わせを行うSGRTはリアルタイムスキャンが可能なので、ズレを確認しながら治療を行えるのが優れた点です」と語る吉村通央さん 日本では、放射線治療を受ける人の約2割を、乳がんの患者さんが占めています。その放射線治療ですが、新技術の登場によって日進月歩の進化をとげています。乳がんの患者さんが受ける放射線治療も、従来の方法とはずい...


2023年1月
「今後どのように実臨床の場で利用していくかはこれからの課題ですが、将来は外来診療の補助としてアプリを使ってもらうなど、この成果を生かしたいですね」と語る明智龍男さん がん種にかかわらず、がん患者さんの多くは治療が終わっても、大なり小なり再発や転移の恐怖を抱えて日常生活を送っていることはよく知られています。とくに乳がん患者さんは、10年生存率は90%と予後はいいものの、10年以上経っても再発すること...


2022年12月
「インプラント再建では、たとえ不調がなくとも、1年に1度は超音波検査を受け、2年に1度は必ずMRIでの細かい確認を続けましょう。10年を過ぎてからこそチェックを怠らないでほしいのです」と話す佐武利彦さん 日本における乳房再建の歴史は比較的浅い。2006年に穿通枝皮弁、節皮弁などの自家組織による再建法が保険適用となったことで本格的に普及し始め、2013~2014年にインプラント法が保険適用されて以降...


2022年10月
「HER2陽性の定義を変えてしまったり、サブタイプ横断的に使える薬剤の出現で、乳がんの薬物療法は増すます複雑化しています」と語る尾崎由記範さん 乳がんの薬物療法がどんどん新しくなっている。効果的な新薬が使われるようになり、術前・術後治療でも、転移・再発乳がんの治療でも、標準治療が次々と新しくなる事態が続いている。従来、乳がんの薬物療法はサブタイプ別に考えられてきたが、現在は「HER2陽性」の概念が...


2022年9月
「患者向けは来年刊行されますが、ガイドラインが新しくなったことを知っていれば、主治医に確認してださいというアピールになるので、それだけでも意味があるのではないか」と語る佐治さん 乳がん診療の羅針盤とも言える『乳癌診療ガイドライン』の2022年版が、6月30日に刊行された。2018年版が出てから、ほぼ4年ぶりの改訂版である。「治療編」と「疫学・診断編」に分かれており、どちらについても詳細な改訂が行わ...


2022年7月
「女性にとって乳頭乳輪は切実なもので、残すことを希望される人は多い。今回の予測モデルで科学的根拠を持って残せる、残さないほうがいいといった目安が示せた」と語る関 大仁さん 今日では、乳がんの手術と同時に乳房の再建も行う患者さんが多い。その場合、自分の乳頭乳輪を残したいと願うのは当然のことです。ところがこれまでは、乳頭乳輪の温存の可否は主に、マンモグラフィやエコーを用いて主観的に評価され、判断に迷う...
