
2023年11月
「コルポスコピー検査は前がん病変を評価し確定診断につなげる検査。誤診があってはならない最後の砦です。このAI支援ツールがコルポ診のクオリティ担保を実現し、将来的には医療機器プログラムとして保険適用されることを目指します」と話す植田さん 今年8月に横浜で開催された「ASCO Breakthrough 2023」で、「AI(人工知能)搭載コルポスコピー検査システム」が開発されたことが発表されました。検...


2023年3月
「このプロジェクトで1㎝以下の早期膵がんを 1人でも多く見つけ、生存期間を延ばし、他の政令指定都市へのモデルとなりたい」と語る窪田賢輔さん 難治性がんの1つにあげられる膵がん。日本の膵がん罹患数は43,865名(2019年)、死亡数37,677名(2020年)で、罹患数、死亡数とも増加の一途をたどっています。そこで、「なんとか膵がんを早期発見・早期治療に結び付けることはできないか」と、地域の医師会...


2022年9月
「患者さんやご家族に、がんゲノム医療に関しての理解を深めてもらうようにしています」と語る田辺記子(たなべのりこ)さん 近年、その人に発症したがんの特徴を知るためのがん遺伝子検査や、多くの遺伝子を一度に調べるがん遺伝子パネル検査が登場している。患者さんのがんの遺伝子変異を検査し、その検査結果により、効果が期待できる薬剤や治験を探したりすることで、適切な治療選択が可能となり、薬物療法で治療成績を上げて...


2022年1月
「病変が一瞬でも、ほんの一部分でも、カメラに映りさえすれば、AIなら見逃さず、見つけ出すことができます」と語る斎藤さん 内視鏡による診断と治療が世界でもっとも進んでいるのは日本。医療機器の多くを海外からの輸入に頼っている我が国だが、消化器内視鏡だけは日本製が世界シェアの90%以上を占めるという。日本の内視鏡技術に世界が注目する中、「大腸内視鏡AI」が登場したのは、2019年3月のことだった。それか...


2021年10月
「遺伝子パネル検査は標準治療が終わった段階では遅い。患者さん毎で検討し、1次か2次治療後などの、より早い段階で行うことが推奨されています」と語る砂川 優さん 共通の遺伝子変異があれば、がん種にかかわらず効果が期待できる臓器横断的治療薬として、2021年3月、TRK阻害薬ヴァイトラックビが承認された。TRK阻害薬としては2剤目だ。日本で初めてのTRK阻害薬ロズリートレクが、「NTRK融合遺伝子陽性の...


2021年3月
「KK-LC-1は予防ワクチン開発が可能な唯一のがん抗原です。効果の検証を踏みながら実用化し、がんの発症率の減少に寄与したい」と語る福山 隆さん 血液中の特殊なタンパク質を調べてがんを予知し、予防・超早期治療に役立てようという研究が、北里大学メディカルセンター(埼玉県北本市)上級研究員の福山隆さんたちによって進められている。検査のマーカーとしているのは、「KK-LC-1」というがん抗原。日本(産業...


2020年12月
「肺がんの検査は、遺伝子パネル検査の方向にありますが、コストベネフィットも考える必要があるでしょう」と語る久保田 馨さん 近年、進行・再発非小細胞肺がんの薬物治療は選択肢が増え、目覚ましい進歩を遂げている。2002年に登場し、2004年EGFR遺伝子に変異のある患者に有効だとわかったイレッサを皮切りに、解明された遺伝子変異ごとの治療薬の開発が進み、非小細胞肺がんの薬物治療は細分化してきた。そんな中...


2020年7月
「現在の検診受診率とワクチン接種率のままでは、そのうち子宮頸がんは先進国で日本だけの疾患になってしまうかもしれません。それを防ぐためにも、若い世代にもっと子宮頸がんに関心を持ってほしい」と話す知野陽子さん 日本では年間約1万人の女性が子宮頸がんに罹患し、約3,000人が死亡している。今世紀(2000年)に入ってからは患者数・死亡率とも増加しており、他の先進国とは異なる現象となっている。増加の理由の...


2020年7月
「福井大学医学部産科婦人科では、〝子宮頸がんゼロ〟を目指して積極的な活動を行っています。大学生に対する子宮頸がん検診啓発の講義もその一環です」と話す知野陽子さん 日本で子宮頸がん検診の対象となる20歳以上の女性の受診率は、全体で42.3%(※2016年 国民生活基礎調査 厚生労働省より)と、先進国の中で特に少ないことが知られている。子宮頸がんの罹患が若年化傾向にあることや妊孕(にんよう)性温存を考...


2019年11月
「適切な遺伝子の情報は、自分のためのものなのだと思って役に立ててほしい」と語る四元淳子さん 2019年6月、がん遺伝子パネル検査が保険適用になった。遺伝子情報を治療へ繋げていく試みは、スタートラインについたと言える。ただし、疾患に関連する遺伝子情報は、本人のみならず親族にも関わる繊細な問題だ。そんな様々なデリケートな部分をコンサルテーションするのが、認定遺伝カウンセラーだ。患者は今後自分の遺伝子情...
