
2022年2月
「下部直腸がんにおいては、腫瘍は肛門から非常に近い位置にあり、TaTMEでは、腫瘍の位置や状態が直近に確認できて確実に手術ができます。当院では、今まで人工肛門にしなければならなかった患者さんが、肛門を温存できる確率が高くなりました」と語る松田武(たける)さん 大腸がんの手術では、腹腔鏡下手術、ロボット手術といった手術が全国で行われているが、とくに下部直腸がんに対しては、経肛門的直腸間膜切除術(Ta...


2021年9月
「当病院では、胃がんの96%がロボット支援下手術で、基本的にはすべての進行度の胃がん患者さんに対して行っています」と語る宇山一朗さん 今日のがん手術は、根治性と共に、身体負担の少ない低侵襲性が求められる。腹腔鏡や胸腔鏡による内視鏡下手術の普及は、それに大きく貢献してきた。さらに内視鏡下手術を進化させた「ロボット支援下内視鏡手術」、通称ロボット(ダヴィンチ)手術が登場。2012年の前立腺がんを皮切り...


2021年5月
「大腸がんの適切な薬物療法のためには、RAS、BRAF、MSIの遺伝子検査を受ける必要があります。患者さんは『3つの遺伝子検査の結果はどうでしたか?』と聞いてみるのもいいかもしれません」と語る塩澤 学さん 大腸がんの治療が変革の時期を迎えている。手術に関しては、ロボット手術の登場で排尿障害や性機能障害などの後遺症を比較的防げるようになった。まだ広く普及したとは言えないが、いずれはロボット手術が中心...


2020年8月
「食道がんなのか、胃がんなのか、それとも全く違うがんとして治療する必要があるのか。長らくコンセンサスがなかった食道腺がんですが、今ではかなり整理されてきました」と話す石原 立さん 文字通り、食道と胃の境界、あるいは食道と胃をまたいで発生するがんを「食道胃接合部がん」と呼ぶ。耳慣れない病名だが、それもそのはずで、日本ではまだ稀ながんとされる。それでも「近年は徐々に患者さんが増えてきていると感じます」...


2019年8月
「患者さんのために今年中にはダヴィンチ手術を再開したい」と語る太田喜洋さん 2018年4月、ロボット支援下手術である「ダヴィンチ」による手術が消化器領域でも保険適用になったことは大きなニュースだった。とくに周囲に心臓、肺という重要な臓器や大動脈などの血管や神経が密集する食道がんの手術では大きなメリットだ。そのダヴィンチによる食道がんの手術を、2010年より先駆けて実施してきた東京医科大学病院消化器...


2019年7月
「がんばってくれれば、きっといい薬がでるからと患者さんを励ましていましたが、それも夢ではなくなりました」と語る加藤さん 5年ぶりに、第4版が出版された『子宮体がん治療ガイドライン2018年版』(2018年9月)。「基本は手術」は変わらないものの、腹腔鏡下手術が普及し、ロボット支援下手術が保険適用になるなど、知っておきたい情報は少なくない。さらに、2018年12月に日本で初めてがん種横断的に保険適用...


2019年6月
「本当の低侵襲とは、いかに痛みをなくすか、また合併症を起こさないで、術後の再入院をさせないか、これが〝がんサポート〟の本髄です」と語る志賀淑之さん 2016年、腎がんの部分切除にロボット支援下の腹腔鏡手術が保険適用となったため、手術支援ロボット「ダヴィンチ」による手術は年々増加傾向にある。なかでも難易度の高い腎がん部分切除に対して最新のテクノロジーを駆使して行う手術が注目されている。その最新の腎が...


2018年9月
「いつもと違うと感じたときは、婦人科にできるだけ早く相談して、自分の体は自分で守るという気持ちが大切です」と話す石川光也さん 子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん。妊娠・出産に関わる、女性にとって重要な臓器に発症するがんだ。近年、あらゆるがん治療で、その治療法が進化するなか、女性特有のがんであるこれらのがん治療の現状はどうなのか。そして今後の展望は? わが国の婦人科がんの臨床・研究をリードする、国立が...


2018年9月
「子宮体がんに関しては、ダヴィンチ手術は出血が少なく開腹手術と比較しても予後も差がなくて患者さんにとってメリットが大きい」と話す佐々木寛さん 手術支援ロボット、通称ダヴィンチ手術は日本では2012年4月前立腺がんに、2016年4月腎臓がんに保険適用されていた。今年2018年4月からその対象が大幅に拡大され、肺がん、食道がんなど12件に対して新規保険適用された。婦人科がんでは子宮体がんに対して適用。...


2018年4月
「穿孔や出血など、ESDの合併症を限りなくゼロに近づけたい」と語る大圃(おおはた)研さん(左)「40歳を超えたら一度は大腸内視鏡検査を受けてください」と語る村元喬(たかし)さん(右) 大腸の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が保険適用されて6年、その技術は今も進化し続けている。高度な技術を要するESDだが、合併症の発生率も徐々に低下し、「早期大腸がんは、内視鏡治療で根治できる」と言えるまでになってき...
