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仕事・結婚・出産への心配で大きなストレスを受けやすい若年性乳がん 若い乳がん患者さんよ! 悩みや不安を1人で抱えないで

監修:齊藤光江 順天堂大学医学部付属順天堂医院乳腺科科長
取材・文:吉田健城
発行:2010年7月
更新:2013年4月

大きなストレスを受けるのは30代後半以降の未婚女性る

[アンケート結果「つらい思いをしたとき、どのように対処するか?」]

患者年齢 誰かに相談する
ことが多い
自分自身で克服して
しまうことが多い
~30代 4/8人(50%) 3/8人(37%)
40代 9/12人(75%) 2/12人(16%)
50代 6/12人(50%) 5/12人(41%)
60歳以上 3/14人(21%) 11/14人(79%)
出典:クリニカルプラクティス(エルゼビア・ジャパン)2005年7月

これから結婚・出産……という女性も多い若年層の患者さんは、治療による肉体的なつらさ以上に精神的なショックも非常に大きい。

しかし、40歳未満の若い乳がん患者さんのうち、20代の患者さんは比較的精神面の立ち直りが早いという。

「若年層の中でも、20代など、より若い年代のほうがつらい現実を受け入れる柔軟性や適応力があるようにみえます」(齊藤さん)

30代前半の患者さんも、基本的には20代と同じような柔軟性や適応力があるとみられている。

しかし、30代後半~40代前半になると事情は一変する。とくに、大きなストレスを受けるのは未婚の女性だという。彼女たちに大きな重圧となっているのは、出産可能なリミットが目前に迫っていることだ。

乳がんの薬物治療に使われる抗がん剤の中には、卵巣機能を低下させるものもあり、治療後の妊娠が難しくなる場合もある。抗がん剤の卵巣に対するダメージも、若いほど少ない。ホルモン療法は一時的に卵巣機能を抑えるだけだが、治療期間中の妊娠は不可能である。

そのため、出産前にホルモン剤や抗がん剤で卵巣機能が低下する治療に対し、逃避してしまう患者さんもいる。

「『抗がん剤とホルモン剤で治療する必要があります』とお話ししても『子供を産みたい』ために、治療を受け入れようとしない方がいらっしゃいます。自分自身の寿命より、そちらのほうが大事なのです。その方の命がかかっていますので、トコトン説明します。ただ、信念を貫かれたい場合は、こちらも譲歩し、経過を追いながら見守ります」(齊藤さん)

また、この年代の女性は職場でも責任あるポジションについているケースが多い。患者さんの数が少ない若年層の乳がん患者さんは、人生設計に関する問題において、治療との兼ね合いでさまざまな悩みを抱えているのだ。他人に知られることが立場を悪くするかもしれない不安から、孤立しがちであり、うつ状態に陥るケースも少なくない。

話を聞いてもらうことで、つらい時期は乗り越えられる

このように、若年性乳がん患者さんの1番の問題は、まわりの人に悩みをいえないことだという。悩みや不安への対処法としては、つらい現状を誰かに話すことだ。

とくに、同じ乳がんの若年患者さんに話を聞いてもらう、話を聞くことができる患者会という場は重要な意味をもつ。病名を隠さなくて良いし、変な同情もない。

「不安や悩みを1人で抱えがちな若年の患者さんが、どうやったら口を開けるのか。そのことを考えて、2003年に若年性乳がんの患者会『ひろば』を設立しましたが、彼女たちが1番スッキリした顔になるのは、それまで心によどんでいたことをワーッとしゃべってしまったときです。最初は話しているうちに、ボロボロ泣いてしまうことが多いのですが、それでいいんです。涙が止まらなくなるのは、いろんな感情が入り混じっているからだと思うんですね。過去のつらかったときの記憶が甦ってきたり、いま、みんなにこんなにあったかくされているということが嬉しかったりとか。それ以上に、他の人が話を聞いてくれることで自分は1人じゃないんだという気持ちになるからだと思います。人は、つらいことばかりだと涙は出ません。話すことで、他人に甘えられているから、涙が止まらなくなるんです」(齊藤さん)

また、齊藤さんが東京大学勤務時代に、再発乳がん患者さんを対象に行った調査研究結果では、まわりとの関係が築けている、自分を支えてくれる人もいるし、支える人もいると実感することで、患者さんの気持ちが上向きになることがわかった。

「1人でいいんです。味方は必ずいますので、その方に話を聞いてもらいましょう。話を聞いてもらうことで、つらい時期は乗り越えることができます」(齊藤さん)

アンケート調査=『若年性乳癌患者の心を支えるグループケアの試み』(齋藤光江)

[患者交流の場が気分に与える効果]

  1年前
抑うつ
1年前
そう快
1週前
抑うつ
1週前
そう快
閉会時
抑うつ
閉会時
そう快
会前後で
改善
会前後
改善なし
~30代 5(63%) 3(38%) 3(38%) 4(50%) 1(13%) 6(75%) 3 0
40代 5 3 7 3 2 8 7 1
50代 2 6 5 1 0 8 7 0
60歳~ 3 2 1 3 1 7 5 1
年齢不明 1     1   1   0
患者 16(45%) 14(40%) 16(45%) 12(34%) 4(11%) 30(85%) 22(63%) 2(5%)
支持者 4(36%) 3(27%) 2(18%) 8(72%) 1(9%) 10(90%) 8(72%) 1(9%)
出典:クリニカルプラクティス(エルゼビア・ジャパン)2005年7月

若年性乳がんの患者さんを支える患者会情報

あけぼのヤング
若くして乳がんを体験した人たちの集まりです。不安、悩みを共有できる患者会です
TEL:054-283-5877
FAX:054-283-5877
メール
HP

乳がん体験から医療を考える市民グループ イデアフォー
電話相談、おしゃべりサロン(毎月)、再発おしゃべりサロン(奇数月)開催
TEL&FAX:03-3682-7906
メール
HP
〒136-0071 東京都江東区亀戸2-30-6 1F

乳癌患者友の会きらら
乳がん患者とその家族のための会。前向きに乳がんと闘うことを目標としている
TEL:082-247-0020
FAX:082-544-3771
メール
HP
〒730-0029 広島県広島市中区三川町1-20 ピンクリボン39ビル8階

NPO法人 キャンサーネットジャパン(CNJ)
仲間と語り合うことで心の負荷を軽くし、正しい情報を得られる場を提供
TEL:03-5840-6072
FAX:03-5840-6073
メール
HP
〒113-0034 東京都文京区湯島1-6-8中央自動車ビル7階

若年者乳がんの会 ひろば
7歳になるひろばは、孤立しがちな若年者が、癒やされることを目的としています
TEL:03-3813-3111内線5855(佐伯宛)
FAX:03-3813-3307
メール
HP
〒113-0033 東京都文京区本郷3-1-3

NPO法人 ブーゲンビリア
1998年に乳がん患者会として設立。学び・癒やし・国際ボランティア・アドボカシー活動を行っている
TEL:090-6495-5856
メール
入会などの問い合わせはメールで
HP
〒190-0022 東京都立川市錦町2-12-31

声を聴き合う患者たち&ネットワークVOL-NET(ボルネット)
ホームページでの情報提供、勉強会や聴き合いの会などのイベントの活動をしています
TEL:070-5080-6516(イベント申し込み専用)
個別相談はお受けしておりません
メール
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