乳がん手術後の暮らしとバストケア PART-1

監修・アドバイス:福田 護 聖マリアンナ医科大学外科教授
取材協力:乳がん患者会 虹の会 新樹の会
乳がん体験者 本多由未子
ブライトアイズ・加藤ひとみ、小林光恵
取材・文:池内加寿子
発行:2004年7月
更新:2013年8月

乳がんの患者さんが考えたつけ心地のよいブラ&肌着

写真:加藤ひとみさん(左)と姉の小林光恵さん

乳がんの体験者の加藤ひとみさん(左)と姉の小林光恵さん

ご自身の乳がん体験から、「なぜ、切除側だけのブラがないの?」と疑問をもった加藤ひとみさんは、姉の小林光恵さんや友人とともに、切除側、健康側を別々につけられるブラを開発しました。

97年に右の乳がんを切除した加藤さんは、胸が鉄板で圧迫されているように息苦しく、浮き出た肋骨に何かがぶつかるこわさが常にあったとか。人込みの中ではハンドバッグで常に胸をカバーしていたといいます。

「窮屈なのがきらいな私はノーブラ派だったのですが、術後は就寝中も切除側をおさえていないと不安感がありました。シリコンパットは重すぎ、市販の乳がん専用の前開きブラは、ホックが傷口にあたって期待はずれ。切除側だけつけられて傷にもやさしいブラを求めて、手持ちのブラのカップを片方カットしたり、中に肩パットを入れてみたり。試行錯誤の結果生まれたのが、ツーピースブラなのです」

写真:ツーピースブラ

◆左右2枚、別々に組み合わせてもつけられるツーピースブラ
柔らかな綿混素材でしめつけ感がなく、ノーブラ感覚で着用できる。切除側はホックのないかぶりタイプ。傷にやさしく、レントゲンもそのまま受けられる。健康側は前どめホックのものを重ねてつける。ホックタイプを切除側用に入手して、入院中から胸帯代わりに使い、社会復帰後も愛用しているという人も。ナチュラルブラセット(左右で)/7980円。左右別売りもある。

姉の小林さんも子宮がん体験者。加藤さんに共感し、知人の下着メーカーに依頼して商品化。加藤さんのがん保険を資金に、姉妹の名前をとった会社「ブライトアイズ」を設立して販売を開始しました。

ツーピースブラは「肌ざわりがよくラクなのに、安定感がある」「別々につけられるので切除側がずり上がらないのが魅力」などと、患者さんに大好評。顧客は5000人に増えています。 加藤・小林姉妹はその後も、温泉で使えるバストカバー、年配者が使いやすいシャツタイプブラ、水着など患者さんたちの声を生かした商品を次々に開発。「手術の3年前に膵臓がんで夫をなくし、乳がん術後は、まだ小学生だった子供のために生きていたようなもの。心も体もつらくて投げやりな気持ちになることもありましたが、仕事を始めて生きがいができて元気に。患者さんたちからも相談を受けるようになって、なんとか悩みに応えたい、と毎日アイデアを練っています」(加藤さん)


写真:華やかなレースタイプ

華やかなレースタイプ。エレガンスブラセット/9030円。エレガンスショーツ/1470円

写真:大小3つのパット

大小3つのパットは、洗濯しても一晩で乾く。温存手術で一部が変形したほうの調節も可能。

写真:ジェルパットと重さ調節用ビーズ

(上)シリコンより軽く柔らかいジェルパット/945円。カバー/945円。
(下)重さ調節用ビーズ/1260円。

写真:シャツタイプブラ

ブラの苦手な年配の方にもぴったり。半袖、長袖も。シャツタイプブラ フルパット付/8085円~10185円

写真:入浴用カバー

◆傷痕を気にせず温泉へ
患者さんの声から生まれた入浴用カバー。
ドイツ製の衛生的なメッシュ素材で、上に服を着ても衣類が濡れない。バスタイムカバー/3990円

写真:アクアスーツ

◆着脱しやすい水着
胸をカバーしやすい胸ぐりで、着やすい前ファスナー。パット入れつき。ウエスト部分は上下で重なる。アクアスーツ/13125円

写真:水着インナー

胸や脇の下など、気になる部分をカバーできるインナー。手持ちの水着と組み合わせて使える。水着インナー/7875円

写真:水着との組み合わせ


※商品はすべて税込価格です。

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