肺がん丸わかり図解
Q 肺がんではどのような検査をするのか?
Q 肺がんとわかったらどのような治療をするのか?
主な治療法 ●手術 ●放射線治療 ●抗がん剤治療(分子標的薬を含む)

■非小細胞肺がん治療の現状の目標


現在肺がんの治療法は大きく分けて、手術、放射線治療、 抗がん剤治療の3本柱となっている。 近い将来には免疫療法が第4の選択肢となって加わる可能性がある。 早期や一部の局所進行がんの場合、手術や放射線により完全治癒を目指す治療が行われる。 局所進行がんや進行がんの場合、放射線治療や抗がん剤治療を行い、長く生きるための治療が行われる。 また、進行がんの場合、緩和治療として放射線治療が行われることもある。
Q どういった場所に転移しやすいのか?
肺、リンパ節、肝臓、脳、骨、副腎、皮膚の順に転移しやすい。転移、再発した場合の治療方法は基本的には、進行がんの治療法と同じである。リンパ節のみの転移である場合は、放射線と抗がん剤で治療することもある。
Q 肺がんの個別化治療とは?
肺がん治療はこれまで、小細胞がんと非小細胞がんに分かれているだけだったが、患者さんの遺伝子によっても薬の効果に違いがあることが判明。分子標的薬と呼ばれる、正常細胞になるべく影響を及ぼさずに、 がん細胞だけを狙い撃ちするよう設計された薬剤の登場によって、個別化治療は一層進んでいる。また非小細胞がんのなかでも腺がん、大細胞がんに効くアリムタ(*)が登場したことによって、組織型の違いによる個別化も進歩している。
標的分子 | EGFR | ALK融合タンパク | VEGF |
主ながん種 | 腺がん | 腺がん | 非扁平上皮がん |
分子標的薬 | ゲフィチニブ* エルロチニブ* | クリゾチニブ* | ベバシズマブ* |
*アリムタ=一般名ペメトレキセド *ゲフィチニブ=商品名イレッサ *エルロチニブ=商品名タルセバ
*クリゾチニブ=商品名ザーコリ *ベバシズマブ=商品名アバスチン
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