PSA検診により早期発見も可能になった!! 前立腺がん丸わかり図解

監修:赤倉功一郎 東京厚生年金病院泌尿器科部長
取材・文:「がんサポート」編集部
発行:2012年5月
更新:2015年2月

Q どんな治療をするの?

どんな治療をするの?

★マークは先進医療 ※ロボット支援手術は2012年4月から保険適用

「治療の効果」や、「副作用」、「合併症」、「治療費」、「治療にかかる期間」などの内容を十分に理解したうえで、最良の治療法を選択する。


  手術療法  

●開腹手術
開腹手術
前立腺と精のう腺を全て摘出して、膀胱と尿道を縫合する手術。通常は、骨盤内のリンパ節郭清をすることが多い。術式として、恥骨後式前立腺摘除術と会陰式摘除術があるが、主流は恥骨後式前立腺摘除術である。

●腹腔鏡手術
腹腔鏡手術
腹腔鏡でおなかの中にはいり、前立腺を全て摘出する手術。腹腔鏡を使用するので、おなかの傷口が小さくてすむ。


※前立腺の神経の温存について
前立腺の神経を温存しないと勃起機能は失われる。腫瘍が非常に小さい場合には神経を温存できるが、腫瘍が大きい場合や前立腺の両側に広がっている場合には、一般的に神経を温存することは難しい。


  放射線治療  

●3次元原体照射
3次元原体照射
日本で1番多い一般的な放射線治療。高エネルギーX線を、体外から前立腺に向けて照射する。

●強度変調放射線治療(IMRT)
強度変調放射線治療(IMRT)
コンピューターで計算して、高エネルギーX線の照射線量を制御することで、放射線をがんの部分のみに集中させる治療法。

●小線源治療
小線源治療
およそ4~5㎜の小さな金属のカプセル(小線源)を、前立腺の組織内に50本~100本くらい、前立腺に差し込む治療法。そのカプセルから放射線が出て、がん細胞をやっつける。
<利点>
治療期間が短い(2泊3日~3泊4日)
<欠点>
治療成績が確立されているのは、低リスクのがんのみである。ただし、中リスク、高リスクの場合は、他の治療を併用することが増えてきている。


  ホルモン療法  

LH-RHアゴニスト製剤
(ゾラデックスという注射薬)
LH-RHアゴニスト製剤
前立腺がんは、男性ホルモンがあることで増殖するので、男性ホルモンがなくなるとがん細胞が死んでいく。したがって、前立腺がんのホルモン療法の目的は、男性ホルモンの分泌や作用を抑えることになる。 LH-RHアゴニストは、精巣から放出される男性ホルモンをブロックし、がん細胞の増殖を抑える。

●抗男性ホルモン剤
抗男性ホルモン剤としては、副腎からの男性ホルモンを抑える作用と、精巣からの男性ホルモンを抑える作用がある。
ホットフラッシュ
<副作用>
● 性機能障害
● 長期間の使用による骨粗鬆症
● ホットフラッシュ(ほてり)などの
更年期障害

● 気分が落ち込む
● 筋肉量が下がる
● 太りやすくなる

Q 骨転移への治療法は?

骨転移への治療法は?

前立腺がんは、骨に転移しやすいのが特徴である。
とくに、肋骨や脊椎、大腿骨、骨盤骨によく転移する。治療法としては、放射線治療をはじめ、全身薬物療法、外科療法がある。これらの治療は、患者の状態に合わせて選択される。

Q 再発・再燃したらどうしたらいいの?

再発・再燃したらどうしたらいいの?

●根治手術後の再発 → 放射線またはホルモン療法

●放射線療法後の再発 → ホルモン療法

●ホルモン療法後の再燃 → 化学療法
※ 化学療法のあと、再びホルモン療法をすることがある

化学療法について:ホルモン療法が効かなくなった場合、化学療法が行われる。現在再発や再燃した場合の治療法としては、タキソテール(一般名ドセタキセル)とステロイドの併用が現在の標準的治療である。


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