がんは早期発見、早期治療が何より大事を実感 人間ドックで食道がん、そして前立腺がん

取材・文●髙橋良典
撮影●「がんサポート」編集部
発行:2021年9月
更新:2021年9月


術後の尿漏れには泣かされた

前立腺がんはダヴィンチ手術で行ったが、術後尿漏れに苦労したと野村さん

ダヴィンチでの前立腺がん手術は3時間で無事、終了した。

しかし、野村さんは術後の尿漏れには苦労したという。

「看護師から尿漏れ防止対策を渡され説明を受けましたが、それを書いたのは女性じゃないかと思うくらい、自分にはほとんど参考にはなりませんでした」

手術では神経をできるだけ残こすので尿意は感じられ、無意識に尿漏れしてしまうことはないが、尿意を我慢し過ぎると漏れてしまうという。

「看護師さんから病院で売っている尿漏れパットを勧められて購入しましたが、私には使いづらくて困りました。だから、どれがいいか試してみるしかないので、介護用を含めて全て買って試してみました。

私の場合、会社に出勤しなければならないし、出勤途中や会社で尿漏れしたらシャレにならないですからね。いま、夜は45㏄、昼は20㏄の尿漏れパットを使っています。まだ、手術前の状態には戻っていません。手術前は夜中に起きるのは1回程度だったのですが、最初のうちは夜中に4回ほど目が覚めることがありました。いま2~3回くらいでしょうか」

これからも検査は欠かさずに

野村さんの場合、食道がんと前立腺がんの2つの手術を経験したのだが、どちらも早期で比較的軽い手術で済んだ。これは日ごろから健康に留意し、毎年、人間ドックを受けていたお陰だろう。

「いまの会社は、仕事柄、不摂生な人間が多いので、在職中がんで亡くなったりする人がいました。私が社長になってからは、とにかく健康に留意するのは勿論のこと、『検査は必ず受けろ』と口を酸っぱくして言い続け、実際そうしてきました。いまは現役社員は病気で亡くなっていません」

野村さんは現在、甲状腺と膵臓に嚢胞(のうほう)が見つかっていて、甲状腺は3カ月に1回、膵臓は年に1回、検査している。両方とも良性なので、現在のところ安心しているという。

「まぁ、がんが見つかるのも運不運がありますからね。ただ、体中全ての検査をするわけにもいかないのでね。出来る検査はしてみるつもりですが」

野村さんは現在、食道がん、前立腺がんともに再発のリスクを抱えているというもの、これからも体調管理に留意し、定期検査や人間ドックなどの検査を怠りなく行い、これからも益々仕事に邁進していきたいと思っている。

2005年、自宅近くの柳瀬川沿いの桜並木を背景に

2008年、札幌大通公園で
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