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知っておきたいお金の悩み解決法 (5) 障害年金はさまざまながんで受給できる場合がある
障害年金に該当する障害の状態とは
すべての障害に共通する基本的な基準をわかりやすく表わすと、表1のようになります。
障害の程度 | 障害の状態 | |
---|---|---|
国民年金・ 厚生年金 | 1 級 | 日常生活の用がまったくできない人 (活動の範囲がベット周辺に限られるもの) |
2 級 | 日常生活に著しい制限を受ける人又は、日常生活に著しい制限を加えなければいけない人 (活動の範囲が家屋内に限られるもの) | |
厚生年金 | 3 級 | 労働に制限を受ける人又は、労働に制限を加えなければいけない人 (労働は軽作業のみ) |
しかし障害の内容によっては、必ずしも表1にあてはまらない場合もあります。
たとえば、視力障害で1、2級の方でも外出できる方はたくさんいらっしゃいますし、先ほど登場していただいた朗子さんは喉頭全摘で2級ですが、治療後は外で仕事もしています。
また、直腸がん、大腸がん、膀胱がんなどによる人工肛門や新膀胱の造設は3級、その両方を造設したときは2級と認定されます。
全身の状態によっては、さらに上位等級に認定されることもあります。つまり、表1の基準がすべてではないということです。
がんの場合、発生する部位はほとんど全身に及びますし、“転移”というやっかいな性質ももっています。たとえ同じ○○がんであっても、現れる障害の状態は各人によって違います。障害の程度を具体的に判断するための「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」は次の各部位ごとに基準を設けています。
(1)眼の障害、(2)聴覚の障害、(3)鼻腔機能の障害、(4)平衡機能の障害、(5)そしゃく・嚥下機能の障害、(6)言語機能の障害、(7)肢体の障害、(8)精神の障害、(9)神経系統の障害、(10)呼吸器疾患による障害、(11)心疾患による障害、(12)腎疾患による障害、(13)肝疾患による障害、(14)血液・造血器疾患による障害、(15)代謝疾患による障害、(16)悪性新生物による障害、(17)高血圧症による障害、(18)その他の疾患による障害、(19)重複障害。
この障害認定基準のなかにある「悪性新生物による障害」の一部をご紹介しましょう(ただし、がんだからといって、すべてがこの基準だけで判断されるわけではありません)。
悪性新生物の障害は、悪性新生物そのものの全身衰弱や機能障害の他に、悪性新生物に対する治療で起こる全身衰弱と機能障害も含まれます(表2参照)。
障害の程度 | 障害の状況 |
---|---|
1級 | 著しい衰弱又は障害のため、一般状態区分表のオに該当するもの |
2級 | 衰弱又は障害のため、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの |
3級 | 著しい全身倦怠のため、一般区分表のウ又はイに該当するもの |
区分 | 一 般 状 態 |
---|---|
ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など |
ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%は起居しているもの |
エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
認定にあたっては、組織所見とその悪性度、各種検査成績、転移の有無、病状の経過と治療効果などを参考にし、具体的な日常生活状況と合わせて総合的に認定されます。なお、機能障害については、各障害の認定要領によります。
今回は障害認定基準の一部をご紹介しましたが、もしやと思う方は障害年金申請を考えてはいかがでしょうか。
相談先は最寄りの社会保険事務所、市区町村役場の国民年金課、初診日が共済加入者は共済組合、社会保険労務士などです。