ウェラー・ザン・ウェルの会 会長/川竹文夫 目指すのは「がんになる前よりも、さらに健康で、もっと幸せな人生」

撮影:坂本政十賜
発行:2004年2月
更新:2013年4月


「治ったバンク」と治った人の証言集

ウェラー・ザン・ウェルの会 会長 川竹文夫

 「ウェラー・ザン・ウェルの会」の今後の活動予定は?

川竹 最近始めたのは「治ったバンク」です。人材バンクのように、全国のがんが治った方に登録していただき、仙台で腎臓がんになって悩んでいる人がいたら、似たような経験をもつ人をバンクに登録した方のなかから探して、その人にサポートしてもらう、といったことです。

 でも、がんは治ったとは言い切れないでしょう。どう判断するの。

川竹 医学的にも明確な基準がないのですから、あまり正確さを気にしても意味がないと思っています。ですから、人から見ても主観的にも、がんになる前より元気で、病院で検査をしても問題がないと言われた人は、治ったと言っていいのではないかと考えています。また、治ったかどうかを抜きにしても、末期がんから生還した人はほとんどの場合、語る言葉をたくさんもっています。ただ、「特定のある健康食品で治った」という話しかできない人は、登録していません。

『千百人集会』のときには124人の治った人がすべて自費で集まってくれましたが、この方たちを母体にして、もっと人材を発掘しようと考えています。

証言集も作り始めています。闘病中の人が治った人にインタビューし、まとめてもらう形で進めています。

 本を出版なさるんですか? 何というタイトルでしょうか。

川竹 『いのちの太陽たち』というタイトルで、今年の10月頃に3冊くらい同時刊行しようと思っています。また、証言集に登場した人たちの最高の笑顔を撮影して、全国で写真展も開催したいと考えています。『笑うガン患者たち』というタイトルです。写真好きな患者さんに撮ってほしいと思っているのですが、なかなか適当な方がいらっしゃらなくて。

自宅を事務所に譲り、妻と公団住宅に

 川竹さんご自身が活動を続けているいちばんの動機は何かしら。

川竹 自分自身が通ってきた道でもあるのですが、人生に新たな意義を見出して劇的に変わっていく人たちを目の前で見る喜びでしょうか。

私は何しろ肩で風を切って歩きたいほうで、がんになる直前は幻覚を見るほど無理をしていました。今でも女房が、「入院するとき、すごく嬉しそうだった」と言います。ディレクター時代は酒に酔うと、「痛くない病気にかかって入院したい」が口ぐせだったそうです。がんの初期は痛みませんから、まさに望み通りでした(笑)。

 生���甲斐があるんですね。

川竹 そうですね。それも、神様か誰かのシナリオ通りに動かされているような感じです。事務所問題もそんな感じで解決しました。今まで自宅兼事務所だった場所が手狭になってしまったのですが、ちょうど大学生の末っ子が卒業して仕送りがいらなくなったので、『千百人集会』のあと、近くの公団住宅を借り、家族で引っ越しました。

 自宅を開け渡して自分たちが引っ越したの? 普通は逆でしょう。

私も今悩んでいるのが事務所問題です。美術館のアトリエを提供しているのですが、絵を描きたいから本当はそこはアトリエとしてとっておきたい。だから、会は部屋を借りられるだけの収入をあげて財政基盤を作り、独立した事務所を持てるようになりたいんです。

そういう意味でも、今日のお話はたいへん参考になりました。どうもありがとうございました。

ウェラー・ザン・ウェルの会

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