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支えあう会「α」 代表/土橋律子、副代表/五十嵐昭子 がん体験から命を見つめ、自分らしく生きる
彷徨う患者や家族

俵 電話相談もしていらっしゃいますね。
土橋 はい。月2回で、第1と第3水曜日の朝10時から夕方4時までです。
俵 どういう相談内容がありますか?
土橋 多いのは再発転移したんだけれどもこれからどうしたらいいか分からないとか、医療者とのコミュニケーションがうまくいかない、治療や医療機関についての情報がほしいなどですね。特に主治医に聞きたいことがなかなか言えないとか。それから、家族からの相談も多いです。「もうこれ以上やれることがないので家に帰って良い時間を過ごしなさい」と言われたが、どうして良いか分からないなど……。
俵 よくわかります。家族にしたらまだやれる治療法があれば、それこそ何処に行っても、いくらお金が掛かってもやって欲しいという気持ちがあるのに、そこをわかってくれない。夫は仕事に出ているし、子供はいないし、家に帰っても面倒を見てくれる人がいない場合はどうなるの? と思うけど、それでも大学病院などは打つ手がないと帰してしまいますね。
土橋 そういう状態で相談にみえて会員になる方が多いですね。活動場所は千葉大学内の部屋を使わせて頂いているのですが、ここには関連する蔵書、資料をたくさん集めてあり(2000冊以上)、自由に閲覧ができるようにしてあります。相談日はサロンとして場を開放しますし、気功やお茶会も月2回行っています。定例会以外にも色々な活動に参加して頂くと、交流も広がり、仲間との親睦も図れると思います。
俵 気功も行ってらっしゃるの? 詳しく教えてください。
土橋 毎月第2、第4土曜日の午後2時から4時半までやっています。指導はご自分も気功で体調を取り戻した経験を持つ山梨看護大学短期大学部「人間と健康の科学」講座の百々雅子さんです。気功は、自分の中の生命力を引き出すのに非常に有効です。気功の後は必ずテーブルを囲んでお茶会をしますが、それがまた癒しの場になっていますね。
医療者と患者の橋渡し
俵 フリーランスで医療コーディネーターをなさっているそうですが、そのことについて聞かせてくださる?
土橋 私は、「医療者」「患者」という2つの立場を知る者として、責任を持って双方の橋渡し役をしなければいけないという思いから「命(いのち)をささえる研究所」を立ち上げ、そこの所長をしています。医療コーディネーターは生命研活動の一環で、がんの療養全般を視野にいれながら医療機関と当事者の間に入り、当事者ががんと向き合いながらも自分らしく、最後まで納得して生きることができるようなお手伝いをしたいと願っているのです。
当初は個人の依頼でコーディネータをしていましたが、昨年からは千葉県立病院の1つの中に“がんよろず相談”を設けてもらいました。週1回ですが、外来に通うがんの方や、入院治療を受けている方など、これからどうなるんだろうと悩んでいる人、主治医との関係を悩んでいる方々のお話を聞き、医療者との橋わたし役を担っています。
俵 患者が治療を選択、決断するための充分な説明や、再発などへの不安に応えることなどが医療者に求められても、現実には時間的にも難しい。そこにあなた方が橋渡しをすることで「橋」が架かれば、こんなに嬉しいことはありませんね。
土橋 命をささえる研究所の活動も、「α」の活動も根底の考えは同じなんです。最終的に人間はどう生きたいか。生老病死について考え、最後まで納得して自分らしく生きることが大事だと思っています。
俵 患者には医療側からの単に“治す”だけの論理では解決しないさまざまな葛藤があるわけで、それは体験した者でなければ分かりません。あなたのように医療者であってがん体験者である方が間に入って活動をしてくれたら、こんなに心強いことはないと思います。ぜひ頑張ってください。
対談を終えて~俵さんの感想~
乳がんで入院したときも、交通事故で半年近く入院したときも、看護師や検査技師は何を考えている人なのか、わからなかった。土橋さん、五十嵐さんの顔を見て、はじめて同じ人間であることがわかった。うれしかった。「α」さん、応援します。ご一緒にやりましょう。
支えあう会「α」
〒273-0033
千葉県船橋市本郷町505-1-704
ホームページ
私たちは、がん体験者を中心に、家族・医療関係者、 がん経験者の友人をもつ、というように、“がん”という病 をとおして出会った仲間です。病気を抱えながら「生きる」ことの難しさや、それを支えることの困難さを共感しあいながらも、各人が「自分らしく納得して最後まで生ききる」ことを目指し、仲間同士で支えあう活動を続けています。毎月1回の定例会、毎月2回の電話相談、会報の発行などを行っています。
1・2の3で温泉に入る会
〒371-0101
群馬県勢多郡富士見村大字赤城山1789-64 俵萠子美術館内
電話:027-288-7000
Fax:027-288-8700
※俵萠子美術館には「1・2の3で温泉に入る会」の役員は常駐しておりません。伝言などを残していただければ、追ってこちらからご連絡させていただきます。
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