子宮頸がんで腹腔鏡手術を希望しているが
2023年4月、軽度異形成と診断され、その後4カ月おきに経過観察していました。2024年12月、コルポスコープで腺がんの疑いと診断されました。円錐切除術の結果、子宮頸部腺がん、浸潤の深さ2㎜、広がり幅8㎜、断端陰性。がんは取り切れていると言われました。
今かかっている病院で開腹手術を行うならⅠB1期とみなし、準広汎子宮全摘で卵巣、卵管を切除し、リンパ節も部分的に郭清すると言われました。私は腹腔鏡手術を希望して、大学病院を紹介してもらいました。そこではⅠA1期とみなし、単純子宮全摘で卵巣と卵管は残して、リンパ節郭清はしないとのことです。
病院によって手術内容が違うので、戸惑っています。術後の後遺症などを考えると、単純子宮全摘なら安心ですが、転移や再発を考えると不安です。どう治療選択をすればいいか迷っています。
(51歳 女性 大阪府)
A 準広汎子宮全摘がスタンダードな治療に

東京慈恵会医科大学産婦人科学講座
講師/診療医長の西川忠曉さん
講師/診療医長の西川忠曉さん
現状、日本における取り扱いではⅠB1期の取り扱いとなります。腺がんについてはskip lesionと呼ばれる病変が点在している可能性が20%前後あると言われており、この病変の有無については子宮全摘で初めて明らかとなります。したがって、最もスタンダードな治療方針は現在かかっておられる病院で示された治療方針であり、原則、腹腔鏡手術の適応はないものと考えられます。
逆説的にはなりますが、腹腔鏡手術をどうしても希望される場合、「ⅠA1期とみなさざるを得ない」との見解になり、科学的には根拠に乏しいものと考えます。