【第二十二時限目】ドクターハラスメント もう黙っていられない。医師からの患者への暴言・暴力

構成●吉田燿子
発行:2005年8月
更新:2019年7月

ドクハラを共通認識する努力

では、私たち患者はドクターハラスメントにどう対処すればいいのでしょうか。

欧米では、患者とのコミュニケーションスキル訓練をカリキュラムに組み込んだメディカルスクールが増えているそうです。ところが日本の医療界ではいまだに知識・技術偏重主義が蔓延し、メンタルケアやコミュニケーションの部分はなおざりにされているのが現状です。

そこで提案です。患者と医師が協力して「言い換えマニュアル」を作ってみる、というのはどうでしょうか。

たとえば「がんは治らない」ではなく、「がんとは“長い付き合いになる”病気です」と言う。これなら病気に対する緊張感を保ちながら、希望も持ち続けることができる。「治らない」なんて言われたら、絶望して免疫力も急降下。治るものも治らなくなってしまいますからね。

患者のほうも、「医師にこんなことは言われたくない」というメッセージをどんどん発信したほうがいい。そして医師の皆さんには次のことを問いかけたい。「その言葉、あなたのお母さんや娘さんにいえますか」

「何がドクハラなのか」を共通認識する努力こそが、ドクハラを防ぐ第一歩だと思うのです。

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