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- 赤星たみこの「がんの授業」
【第二十二時限目】ドクターハラスメント もう黙っていられない。医師からの患者への暴言・暴力
ドクハラを共通認識する努力
では、私たち患者はドクターハラスメントにどう対処すればいいのでしょうか。

欧米では、患者とのコミュニケーションスキル訓練をカリキュラムに組み込んだメディカルスクールが増えているそうです。ところが日本の医療界ではいまだに知識・技術偏重主義が蔓延し、メンタルケアやコミュニケーションの部分はなおざりにされているのが現状です。
そこで提案です。患者と医師が協力して「言い換えマニュアル」を作ってみる、というのはどうでしょうか。
たとえば「がんは治らない」ではなく、「がんとは“長い付き合いになる”病気です」と言う。これなら病気に対する緊張感を保ちながら、希望も持ち続けることができる。「治らない」なんて言われたら、絶望して免疫力も急降下。治るものも治らなくなってしまいますからね。
患者のほうも、「医師にこんなことは言われたくない」というメッセージをどんどん発信したほうがいい。そして医師の皆さんには次のことを問いかけたい。「その言葉、あなたのお母さんや娘さんにいえますか」
「何がドクハラなのか」を共通認識する努力こそが、ドクハラを防ぐ第一歩だと思うのです。
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