新設のブレストセンター チームを率いるのは3人の医師

取材・文●「がんサポート」編集部
発行:2016年5月
更新:2016年9月


自発的な取り組みでチーム力アップ

ミーティングやカンファレンスにはブレストセンター以外の関連スタッフたちも参加する。院内のネット通信で議題が通知されるので、それに関連したり興味があるスタッフたちが自分から参加してくる。

看護部長の田中義子さんは、「乳がんの看護チームはチームワークが良く取れています。カンファレンスも病棟、外来を巻き込んで積極的に行われています。医師だけではなくて、看護分野でも乳がん治療と看護の専門的知識を深め、患者さんとご家族を支援することができる看護師を育成しておりますので、患者さん個々にきめ細かいケアを提供している病院と言われたいですね」

毎週月曜夕に開かれる症例検討会

地域連携もチーム医療

薬剤部も重要なメンバーだ。これまでも消化器がんでチーム医療を進めてきており、患者への服薬指導や医師に助言するための投与前アセスメントシートの作成などで存在感を強めてきた。薬剤部長の濱浦睦雄さんは、ブレストセンターの新設でさらに活動を広げたいという。

「単なる医師へのコメントや看護師との協働だけではなく、患者さんと一緒に薬の選択を検討することに参加したい。レジメンで候補は絞られますが、乳がんは治療後の人生が長いがんなので、仕事や人生観も入ってきます。ライフスタイルに合った治療法でないと治療中断になってしまいます。患者さんと話しながらともにレジメンを考えていくというところまで関わることができればいいなと思っています」

さらに濱浦さんは地域との連携の重要さも強調する。

「乳がんは外来治療が主になります。かかりつけ薬局に関わってもらって、相談窓口として副作用などについての相談を聞いてもらい、必要なら病院の受診を勧めてもらうという体制作りが必要です。地域医療として多くのスタッフに関わってもらうための橋渡し役になりたいと考えています」

始まったばかりのブレストセンターだが、各スタッフのチーム医療への意識は高い。地域のブレストセンターになるべく着々と成長している。

1 2

同じカテゴリーの最新記事