2013年1月
「副作用をうまく管理して、治療を長く続けてほしい」と話す萩原政夫さん 多発性骨髄腫の治療には、ここ数年で新しい薬剤が次々と登場し、治療効果が確実にあがってきている。いま注目されるのは、これらの薬剤の「副作用をいかに抑えて、長く治療を続けられるか」だ。それぞれの薬剤の副作用と患者さんに合った治療について、ポイントを紹介しよう。新規薬剤の登場で治療成績が向上した■図1 多発性骨髄腫とは?血液細胞の一種...
2012年4月
「寛解を目指す治療が基本です」 と話す 黒田芳明さん 多発性骨髄腫は、新規薬剤の登場で、がんの進行を以前よりずっと長く抑えられるようになりました。 またこれらの薬剤を中心に、上手に長く使うことで生存期間の延長が可能となっています。 高齢化に伴い増加傾向に多発性骨髄腫は血液がんの一種で、骨髄中のリンパ球が分化した細胞「形質細胞」が腫瘍化(骨髄腫細胞)した病気です。 形質細胞とは抗体(細菌などの...
2011年5月
日本赤十字社医療センター 血液内科部長の 鈴木憲史さん 年々、患者数に増加傾向がみられる多発性骨髄腫。症状がさまざまで個人差もあるが、最近では、そのメカニズムが解明されつつある。 そこで、適切な治療をするために、どのような症状が現れ、どのように診断するのかを確認していきたい。 骨髄で増え、血液細胞を駆逐血液のなかには、さまざまな血液細胞がある。そのすべての源になっているのが、骨髄でつくられる...
2011年5月
亀田総合病院 血液・腫瘍内科部長の 末永孝生さん 新薬の登場で、がんの進行を以前よりずっと長く抑えられるようになってきた多発性骨髄腫。 そこへさらに2010年にレブラミドという新しい薬剤が加わり、多発性骨髄腫の治療は大きく変わった。 免疫を担う血液細胞ががん化する病気 [多発性骨髄腫で起こりやすい臓器障害] 高カルシウム血症 血中カルシウム値> 11㎎/㎗ ...
2010年3月
大垣市民病院血液内科医長の 小杉浩史さん 「多発性骨髄腫」と診断されても慌てる必要はない。 正しい治療を受ければ、高い確率で寛解(がん細胞が血液中に見られなくなること)を得ることができる。 また多発性骨髄腫に特徴的な骨病変の症状をうまくコントロールしていくことで、QOL(生活の質)の高い生活を送ることも可能になった。 白血病、リンパ腫、骨髄腫は、いわば造血器腫瘍3兄弟 がんにはさまざまな種...
2009年11月
日本赤十字社医療センター 血液内科部長の 鈴木憲史さん かつて骨髄腫は「3年生存」を目標とするほど予後の悪い病気だったが、いまや「15年生存」を視野に入れた治療が可能になってきた。 3種類の新規治療薬、なかでもベルケイド(一般名ボルテゾミブ)の登場が大きなインパクトを与えている。 そんな最前線の骨髄腫薬物治療から、変わりゆく骨髄腫治療を探る。 3つの新規薬剤がもたらした変化 多発性骨髄腫の...
2009年10月
国立病院機構岡山医療センター 血液内科の 角南一貴さん 「骨の病気」とも言える多発性骨髄腫では、約8割の患者さんに骨病変が存在し、約5割の患者さんに骨痛や骨折などの骨病変が現れ、QOL(生活の質)を大きく損なう。そんな多発性骨髄腫の骨病変に対して、効果をあらわしている治療にビスホスホネート製剤のゾメタ(一般名ゾレドロン酸)がある。こうした薬剤や、放射線治療、外科手術などの治療で骨病変をいかに改...
2009年9月
富山県立中央病院内科部長の 吉田喬さん 高齢化とともに増加している多発性骨髄腫。しかし、骨髄腫と診断がついたからといって、すぐ治療を始めたほうがいいとは限らない。そのあたりの治療の是非や内容を示す病型分類が新しい国際診断基準で明確になった。 社会の高齢化とともに骨髄腫患者が増える 多発性骨髄腫は白血病や悪性リンパ腫と同じ“血液がん”の1つ。治癒は非常に困難で、全身に骨病変を来して骨の痛みや...
2008年9月
名古屋市立緑市民病院院長 清水一之さん 昭和47年名古屋大学医学部卒業。ニューヨークのメモリアル病院で3年間がん診療に携わり、平成18年より現職。日本臨床血液学会評議員、日本血液学会代議員、ASH会員、ASCO会員、英国MRC骨髄腫治療研究グループメンバー、米国IMF scientific advisor、米国国際骨髄腫作業グループメンバー、日本骨髄腫研究会幹事、日本骨髄腫患者の会顧問医師 ...
2006年12月
サポート医師・金 成元国立がん研究センター中央病院 血液内科・幹細胞移植科医師 きむ そんうぉん 1971年生まれ。 1996年東海大学医学部卒業、同大学病院で2年間の臨床研修ののち、同大学血液・リウマチ内科にて1年間臨床に従事。 1999年6月国立がん研究センター中央病院内科レジデント、がん専門修練医を経て現職。 モットーは、「患者さんとそのご家族とともに考えながら進める診療」経験のない激しい...