2020年4月
「術中ナビゲーションとモニタリングで手術がより安全に行えるようになり、また血液腫瘍科との連携で治療成績が格段に上がりました」と語る佐藤博信さん もともと患者数が少ないうえ、150種にも分類される脳腫瘍。小児の脳腫瘍は大人の脳腫瘍とも病態が異なり、ガイドラインを作成することもむずかしい状況が続いてきたが、近年、脳外科医、腫瘍内科医はじめ多分野の専門家が協力して行うチーム医療により、効果的な治療ができ...
2017年3月
「小児がんの診療に当たっている医師に、陽子線治療の有効性と安全性を示すデータの存在を知ってもらうことが、この治療の普及に役立つのではないかと考えています」と語る櫻井英幸さん 従来のX線治療に比べて、病巣のみにピンポイントに照射でき、周りの正常な組織を傷つけることなく、副作用も軽く済むことが大きな特徴の陽子線治療。1983年より陽子線治療の本格的臨床研究を開始し、国内で最も長い歴史と優れた実績をもつ...
2015年9月
長期フォローが必要な小児がん患者さんへの よりスムーズな医療提供のために松本公一さん 国立成育医療研究センター小児がんセンター長 小児がんは、多職種による集学的治療がとても大切な領域です。そのため、関連する専門分野も成人のがんよりも多岐にわたります。例えば、大人では学校に戻るというケースは少ないでしょうし、家族とのかかわりも小児のほうが兄弟姉妹を含めて濃いので、より丁寧なケアが必要です。もちろん...
2009年12月
中通総合病院 入院総合診療部長・ 小児科統括科長の 渡辺新さん 急性リンパ性白血病はかつて不治の病とされてきたが、現在では化学療法の進歩により6~7割の患者が治る。 小児の急性リンパ性白血病には、B前駆細胞性(80パーセント)とT細胞性とがある。従来、B前駆細胞性もT細胞性も同じ治療が行われてきたが、予後の悪いT細胞性に効果のある新しい抗がん剤の登場で急性リンパ性白血病治療に新たな光が見えて...
2009年12月
聖路加国際病院副看護部長の 吉川久美子さん 小児がんの患者さんは子どもであり、そのケアにはさまざまな苦労がつきまとう。 小児がん看護で先進的なケアを行い、注目を浴びているのが聖路加国際病院だ。 同病院の副看護部長で、小児病棟・小児総合医療センターナースマネージャーの吉川久美子さんに話をうかがった。 トータルケアにおいて職種の上下関係はない 聖路加国際病院では、小児がんの治療で入院して...
2008年12月
千葉県こども病院の 藤井あけみさん ある日突然、自分の子どもががんと言われたら、あなたはどうしますか。 「信じられないという思いで、その事実をなかなか受け入れられないのは理解できます。しかし、だからといって事実を受け入れないと、前には進めません」と、病気の子どもとその家族をサポートするチャイルド・ライフ・スペシャリストの藤井あけみさんは話します。 親は子どものがんにどう立ち向かい、子どもと共...
2008年12月
静岡がんセンターの小児科は、規模的には小さいが、「子どもたちを真ん中に置いた医療」をきちんと行っている病院だ。これができているのには理由がある。 黒子に徹して子どもたちの闘病生活を支えているチャイルド・ライフ・スペシャリストと呼ばれる存在がいるからだ。 今回は、このスペシャリストにスポットを当てて、ルポする。 ボク、検査いやだなあ 静岡がんセンターの4階東側に設置されている造血幹細胞移植病...
2008年12月
大阪市立大学 医学部付属病院小児科の 山口悦子さん 小児がんなど長期にわたり、入院治療をしていた子どもが退院した後、元の学校へのスムーズな復学を果たすためには、子どもを取り巻くすべてのおとなたちが、責任と役割をもって、そのサポートに取り組む必要がある。病気の治療中であっても、子どもの「学び」や「成長発達」を保障するのはおとなの責務。入院中の子どもの復学支援は、どう進めたらいいのだろうか。 ...
2008年12月
名古屋医療センター 臨床研究センター長・ 小児科部長の 堀部敬三さん 小児がん全体の約4割を占める小児血液がん。かつては不治の病と言われていたが、1990年代に入り、リスク分類に基づいた「層別化治療」が進み、80パーセント以上の患者さんに長期生存が可能となった。 名古屋医療センター臨床研究センター長・小児科部長の堀部敬三さんに、小児血液がんの最新治療について聞いた。 小児がんの約4割を...
2008年12月
今年で設立40周年を迎えた「がんの子供を守る会」。その歴史を振り返ると、驚かされることが多い。 がん登録、治療費の公費負担、経済援助等々、既に40年も前からこういった事業に取り組んできたその先見性は目を見張るものがある。 会として、これまでどういった考えを持ち、活動を行ってきたのか。 今日、急激に増えている他の患者会にとっても、さまざまな点で参考になるのではないだろうか。 子どもをがんで亡く...