闘病記

最期の生き方、最期の死に方

元・笑点の名司会者が、がんを抱えながら大事に育てたもの 落語一途、人情を残して星になった──。5代目三遊亭圓楽さん(落語家)享年76

2012年1月

5代目三遊亭圓楽さん (落語家) 享年76 「星の王子様」の愛称で親しまれた人気落語家・5代目三遊亭圓楽さん。腎臓病、がん、そして転移と、度重なる病のなか、落語界に生きる者に託した思いとは──。 圓楽一門の若手落語家、三遊亭王楽さんには、実父の好楽さんをはじめとする兄弟子たちがうらやむ宝物がある。10年前、まだ入門間もないころに師匠から直々に教えられた10席の演目の録音テープである。 王楽さんの宝...

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夫を愛し、家族を愛し、日々の暮らしを愛して思いを詠み続けた 息をするように歌を詠み、歌で愛を貫いた──。河野裕子さん(歌人)享年64

2011年12月

河野裕子さん (歌人) 享年64 妻として、母として、1人の女性として、そしてがんを抱えてもなお、そのみずみずしい感性を詠った歌人・河野裕子さん。歌は、死の直前まで詠われ続けた。河野さんの思いは歌に乗り、その死の後も、人々の心の中に生き続けている──。 「一日に何度も笑ふ笑ひ声と笑ひ顔を君に残すため」── 河野裕子 「一日が過ぎれば一日が減つてゆく君との時間 もうすぐ夏...

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快楽を追求したSM界の寵児は、生を遊び、最期のときさえも遊んだ 借金にがん、どんな風に吹かれてもしなやかに、一期の夢を生きた──。団鬼六さん(作家)享年79

2011年11月

団鬼六さん (作家) 享年79 人は、その生の時間をどこまで楽しむことができるのか。がんすらも自らの人生ゲームに入れて最期まで遊び倒した、SM作家の大御所、団鬼六さんの人生の楽しみ方とは──。写真/Yasuko Fujisawa その作家の遺作となったエッセイ『愛人犬アリス』の巻末には、1枚の写真がある。 家族はもちろん作家仲間、編集者、映画関係者、趣味の将棋界関係者、なじみのバーのママ、世話に...

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日本プロ野球を深く愛し、そして球界から強く愛された「親分」のあっぱれ野球人生 人生を懸けてボールを追い、最期の瞬間までボールを見つめ続けた──。大沢啓二さん(元プロ野球監督・野球解説者)享年78

2011年10月

大沢啓二さん (元プロ野球監督・野球解説者) 享年78 球界の親分として、ときに厳しく、そして誰よりも優しいまなざしで、日本プロ野球界を見つめていた大沢啓二さん。大沢さんが、プロ野球界に遺したものとは──。写真提供/産經新聞社 大人気番組「サンデーモーニング」の出演に最後までこだわった大沢さん。それは大沢さんの、日本プロ野球に対する恩返しだった 写真提供/産経新聞社 1カ月足らず...

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撮影所に生きた、映画人の最期のワンシーン 命を懸けた最後のテイクは、次世代に伝える映画の魂だった――。深作欣二さん(映画監督)享年72

2011年9月

深作欣二さん (映画監督) 享年72 力尽きるそのときまで、メガホンを持ち続けた映画界の巨匠・深作欣二さん。全身に広がったがんの激しい痛みに耐えてまで、彼が撮りたかったものは何なのか。そして、彼の最後の願いとは――。 その日、監督はかつてを彷彿させる精彩に満ちていた。 02年12月某日、東映東京撮影所──。興行収入31億円を記録する大ヒットとなった前作、「バトル・ロワイア...

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ジャイアンツの申し子と呼ばれた男の生き様 人生の9回裏、彼の手は仲間にしっかりと握られた――。土井正三さん(元読売ジャイアンツ選手)享年67

2011年8月

土井正三さん (元読売ジャイアンツ選手) 享年67 読売ジャイアンツの黄金時代を飾った選手の1人、土井正三さん。進行した膵がんと闘いながら、彼が最期に手にしたものは何だったのか――。 「2番 セカンド土井」──。 このアナウンスに球場のスタンドを埋めたジャイアンツファンは拍手と声援を送り続けた。 ──2007年6月8日。巨人軍通算5,000勝記念...

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人気キャラクター生みの親は、その人そのものが漫画だった 日本中に笑いをまき散らし、人生をギャグで駆け抜けた――。赤塚不二夫さん(漫画家)享年72

2011年7月

赤塚不二夫さん (漫画家) 享年72 「おそ松くん」「ひみつのアッコちゃん」など、不朽のキャラクターと共に笑いを生みだした赤塚不二夫さん。晩年はアルコール依存症、そしてがんに冒されながらも、ギャグに満ち溢れたその人生の生き方とは――。 その仕事場は、ときに遊び場にもなった。 誰かがトイレに入ると「水攻め」と称して、ドアの下や上からバケツの水をお見舞いする。かと思えば上半身、裸になって喚声を上げ...

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迫りくる死と闘いながら、彼女は最後まで舞台に立ち続けた 命の限りがわかったとき、最も輝ける場所がわかった――。深浦加奈子さん(女優)享年48

2011年5月

深浦加奈子さん (女優) 享年48 テレビドラマの名脇役として知られる、女優・深浦加奈子さん。「存在感のある女優になりたい」その願いどおり、生が許すそのときまで演じ続けた彼女が、最後に選んだ場所とは――。 演劇ユニット「城山羊の会」をプロデュースする山内ケンジさん ソフトバンクなどのCM演出家として知られ、劇作も手がける山内ケンジさんは、この5月に上演が予定されている演劇「メガネ夫婦のイ...

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彼女の愛は、今も生き続けている 人を愛し、音楽を愛した歌姫の最期の命の輝き――。本田美奈子.さん(歌手・ミュージカル女優)享年38

2011年4月

本田美奈子.さん (歌手・ミュージカル女優) 享年38 華奢な体から発せられたその歌声は、多くの人々を魅了した、歌手・本田美奈子.さん。急性骨髄性白血病と闘いながら、本田さんが描き続けた夢とは何だったのか――。 本田さんの母・工藤美枝子さん(左)、実妹の岡村律子さん。本田さんの故郷・朝霞駅(埼玉県)に作られたモニュメントには今もファンからの花が絶えない 「心が開いて(原文ママ)、心の目で...

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ミュージシャンとして、母として彼女が貫いたロックな生き方とは 復活のときを信じて、最期まで歌い続けた――。川村カオリさん(ロックミュージシャン)享年38

2011年3月

川村カオリさん (ロックミュージシャン) 享年38 孤高のロックミュージシャン・川村カオリさん。がんが全身に転移しながらも、2,000人を前にライブを完遂した。彼女はなぜ死の直前まで,歌い続けたのか――。 命をふりしぼって3時間を歌いきった その日、ライブ会場は静かな熱気に包まれていた。 09年5月5日、東京の渋谷C.C.Lemonホール──。 前年10月に乳がん再発を公...

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