2004年1月
手術に強い癌研究会付属病院の中で、手術をしない治療を打ち出した、頭頸科医長の杉谷巌さん 「がんは、手術で取らなければ命にかかわる」というが、実はそうではない。甲状腺がんの大部分は、命にかかわらないがんの代表格だ。 手術だけでなく、放射線も、抗がん剤も一切行わず、定期的に経過を観察するだけ。 それで本当に安全なのか?なぜそんなことが可能なのか。「究極的に身体に負担のない治療法」を紹介しよう...
2004年1月
川崎医科大学産婦人科助教授の 藤原恵一さん 卵巣がんは、今日本でもじわじわと増加しているがんです。日本では、年間6000人から8000人が卵巣がんになっていますが、閉経後に多いがんであることも特徴です。卵巣がんの7割は閉経後に発見されており、50代から70代の高齢者にも多いがんです。人口が日本の2倍であるアメリカでは、年間2万4000人が卵巣がんになっています。これからみても、今後も増えていく可能...
2003年12月
埼玉医科大学臨床腫瘍科教授の佐々木康綱さん 肺がんは、患者数が年々増加しているにもかかわらず、早期発見が難しいがんです。2015年には、男性は年間11万人、女性は4万人近くが肺がんになるという予測も行われています。今のところ、早期から進行がんも含めて肺がん全体の5年生存率は、20パーセント足らずとされています。しかし、ここ数年次々に新規抗がん剤が登場してその効果が認められ、肺がん治療にも少しずつ光...
2003年12月
ロナルド・B・ナターレ博士 1948年ミシガン州デトロイト生まれ。 ウェイン・ステート医科大学卒業。 肺がん患者に根拠と実績のある化学療法を提供することをモットーとし、世界で有数の肺がんの治療家といわれる。 世界で有数の肺がん治療のエキスパート、ロナルド・B・ナターレ博士に会見した。10年前からパラプラチンを核とする肺がんの化学療法に取り組んできた同博士は、現在ジェムザールとの組み合わせをベスト...
2003年12月
舌がんの小線源治療で最も症例数の多い、東京医科歯科大学教授の渋谷均さん がんの治療では、命が助かるのだからと、思い切った治療が施されることも多い。しかし、術後に後遺症が残ったり、抗がん剤の副作用に苦しんだり、場合によっては合併症が原因で命を落とすこともある。 がんが治る時代に入った今、医療の視点は、より快適な治療後の生活に向けられ始めている。 体にやさしい、負担の少ない医療の最新情報を...
2003年11月
お勧めしたいゴールドスタンダード 聖路加国際病院 乳腺外科部長の 中村清吾さん この治療法が本当に今の自分にとって最善の方法といえるのだろうか。がん治療を受ける場合、医師から勧められる治療法を選択するにしても、他の治療法を考えるにしても、多くの患者さんがそんな不安を抱くのではないでしょうか。ここで、治療法を考える判断基準としてぜひ知っておきたいのが「標準治療」です。標準治療とは、簡単にいえば...
2003年11月
がん治療の第一線に立つ 乳がん専門医 防衛医大第一外科の 佐藤一彦医師 再発乳がんの有効な化学療法が登場しているのに、なかなか臨床応用に踏み切れないという病院の悩みに、地域のクリニックが応えた。防衛医科大学校病院第一外科と、同地域にあるくにとみ内科外科クリニックは、日本ではきわめて珍しいがん治療の「病診連携」を実現している。大学病院からの指示により、クリニックが最先端の治療を外来で展開しているた...
2003年11月
がんの中でも最も厳しいがんの一つが肺がんである。依然、がんによる死亡率の第1位である。しかし、この数年、肺がんの治療は大きな進展を見せている。先頃カナダで行われた世界肺がん学会の現地取材を通して、その進展ぶりの最新レポートをお届けしよう。 肺がんの世界スペシャリストたちの会 2003年8月10日~14日の5日間、カナダのブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーで、第10回世界肺がん学会が開催...