治療法は着実に進歩!神経膠腫の最新治療
2015年8月
「今年は今まで以上に大きな治験がいくつも開始され、期待が持てます」と語る成田善孝さん 悪性脳腫瘍で最も多い神経膠腫。悪性度により、治療は手術だけではなく、放射線治療や化学療法が必要となってくる。そうした中、今年(2015年)3月には、神経膠腫の中でも最も悪性度の高い膠芽腫に対する再発治療として、新たな治療機器が承認された。神経膠腫の治療は着実に進歩している。 脳腫瘍の中で多い神経膠腫 脳腫瘍には、...
2015年8月
「今年は今まで以上に大きな治験がいくつも開始され、期待が持てます」と語る成田善孝さん 悪性脳腫瘍で最も多い神経膠腫。悪性度により、治療は手術だけではなく、放射線治療や化学療法が必要となってくる。そうした中、今年(2015年)3月には、神経膠腫の中でも最も悪性度の高い膠芽腫に対する再発治療として、新たな治療機器が承認された。神経膠腫の治療は着実に進歩している。 脳腫瘍の中で多い神経膠腫 脳腫瘍には、...
2015年7月
合併症の管理を頑張ることが完治につながる福田隆浩さん 国立がん研究センター中央病院 造血幹細胞移植科科長 造血幹細胞移植は化学療法では治らない症例が対象で、完治が期待されるという大きなメリットがあります。合併症が多いことが問題ではありますが、その発症を抑えられれば、治療成績は上がります。多くのがんでは新しい抗がん薬が開発されると治療成績が上がりますが、移植の世界では合併症の管理をしっかりすること...
2015年7月
「大腸がんは〝治療が進んだがん〟といえます」と話す石黒めぐみさん 国立がん研究センターが今年4月に発表した2015年のがん罹患数の推計で、これまで3位だった大腸がんが、胃がん、肺がんを抜いてトップになった。大腸がんはどんな病気なのか。大腸がんの基本的なことから治療の進め方まで専門医に聞いた。 *大腸癌研究会『患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2014年版』(金原出版)*NPO法人キャンサーネッ...
2015年7月
「個別化医療に向けた産学連携プロジェクトが始動しました」と語る吉野孝之さん 大腸がん治療で特徴的なのが、無駄な薬剤投与をしないための遺伝子検査だ。近年確立された方法だが、さらに進化を続けている。大規模な遺伝子診断ネットワークづくりも進行中だ。 KRAS検査は保険適用で実施率99%に 遺伝子を調べて、より効果的な治療を行う個別化医療は、様々ながん種で取り入れられているが、中でも大腸がんは個別化医療が...
2015年7月
「腹腔鏡下手術は術後の痛みが少ないことが一番のメリットです」と話す渡邉一輝さん 腹腔鏡下手術は開腹手術に比べると傷が小さくて済むため、早期に離床でき、入院期間も短い。高齢のがん患者さんには低侵襲の手術が求められるが、果たして腹腔鏡下手術は有効なのだろうか。高齢者の開腹vs.腹腔鏡下手術の比較試験の結果と、大腸がんの腹腔鏡下手術の今後を探った。 開腹と腹腔鏡下手術では生存率に差がない 腹腔鏡下手術と...
2015年7月
「新規治療薬のこの1~2年の投与実績から、よりよい活用法が見えてきました」と話す水沼信之さん 治癒切除不能の進行・再発大腸がんの治療は、分子標的薬の登場で飛躍的に向上している。それでも3次治療、4次治療の段階になると治療薬がない状態になっていたが、2013年に分子標的薬スチバーガ、14年に抗悪性腫瘍薬ロンサーフが新たに加わって選択肢が増え、最適な治療を続けることができるようになってきた。 相次ぐ分...
2015年7月
「内視鏡治療の経験が豊富にあり、大腸ステントをきちんと勉強している医師が行えば、決して危険な治療ではありません」と語る斉田芳久さん がんのために大腸が閉塞した場合、かつては緊急手術が行われ、人工肛門を造設するのが一般的だった。しかし、2012年に大腸ステント治療が保険で認められ、現在では、閉塞部にステントを留置する治療が可能になっている。治療に要する時間は、通常15分程度。ステントが入ると速やかに...
2015年7月
「術後のトラブルは、まず専門医や専門の看護師に相談することが解決への早道です」と話す舛田佳子さん 大腸がんの手術をされた患者さんは、術後の身体の変化やトラブルが気になるだろう。術後に起こりやすい症状とは?食事はどのように進めていけばいいのか?排便障害や排尿障害は起こるのか?患者さんが悩みがちな術後の生活について、専門家に聞いた。 術後に起こりやすい腸閉塞に注意 大腸がんの手術後には、どのような合併...
2015年7月
「なかなか分子標的薬が登場しなかった胃がん領域において新薬が承認されたことは1つの進歩と言えるでしょう」と語る朴成和さん 手術による切除が困難と判断された進行・再発胃がんの化学療法に、ファーストラインではエルプラット(2015年3月承認)、セカンドラインでは分子標的薬のサイラムザ(同)が加わった。かつて胃がんは抗がん薬が効きにくいがんと言われたが、着実に治療の選択肢が広がりつつある。 入院せずに外...
2015年7月
「腹膜播種の診断と治療の両方を行えるのが最大のメリットです。5年以内の実用化を目指したい」と語る辻本広紀さん これまで胃がんの腹膜播種では抗がん薬が効かなくなると、それ以上打つ手がなかったが、昨年(2014年)11月、光増感剤内包ナノ粒子を用いた光線力学療法(PDT)により、ヒト胃がん細胞を移植したマウスの腹膜播種モデルで体重減少の抑制と生存期間の延長効果が得られたとの報告があり、将来的には食道が...