2017年10月
「完全切除ができた場合には、長期生存が多く認められることから、今後、手術による合併症を克服していくことには大きな意味があると考えています」と述べる大幸宏幸さん 食道がんの化学放射線療法を受けたものの、がんが残ってしまった場合(遺残)や、いったん消失した後に再発した場合には、サルベージ(救済)食道切除術が行われることがある。この手術は合併症が起こりやすく、死亡率も高いことが知られている。治療成績を少...
2016年10月
「光線力学的療法という治療法があることを患者さんにはぜひ知っていただきたいと思います」と語る矢野友規さん 化学放射線療法や放射線治療後にがんが治癒(消失)しなかったり、再発してしまった場合、救済(サルベージ)治療が行われる。救済治療において、内視鏡切除が出来ない場合、以前は手術が行われていたが、そこに今、新たな選択肢として光線力学的療法(photodynamic therapy: PDT)と呼ばれ...
2015年8月
「手術可能な場合でも、化学放射線療法によって食道がんは根治が可能です」と語る伊藤芳紀さん 食道がんの根治を目指す治療法として化学放射線療法の有効性が明らかになり、手術が可能な症例でも化学放射線療法が選択肢の1つとなるまでになっている。さらに現在、初回の化学放射線療法で効果が認められなかった場合の救済治療を見越した治療戦略も検討されており、患者さんの治療選択肢は増えている。 手術と同等の成績を示す ...
2015年7月
「社会復帰を目指した治療を行うことが大切だと考えています」と話す大幸宏幸さん 食道がんは早い段階からリンパ節転移を起こしやすい。そのため手術では食道の切除に加え、頸部、胸部、腹部に及ぶリンパ節を取り除く必要があり、体への負担が大きい。そこで、患者さんの社会復帰までを見据え、開胸・開腹よりも傷や痛みの少ない「胸腔鏡・腹腔鏡下手術」が注目されている。 切除と再建が必要な 食道がんの手術 食道がんは食道...
2014年8月
「食道胃接合部がんに関して、今後さらなる研究が進むことが期待されます」と話す瀬戸泰之さん欧米では食道と胃の境目(接合部)にできる食道胃接合部がんが増加傾向にあるが、日本でも将来的には患者数が増える可能性があるとされる。東京大学大学院医学系研究科消化管外科学教授の瀬戸泰之さんによると「これまで、食道胃接合部がんに対しては、世界的にも決まった治療法がなかったのですが、ようやく方向性が示されてきた」とい...
2014年8月
50回目の開催を迎え、今年も世界各国から多くの臨床医が参加した今年で開催50回の節目を迎えた米国臨床腫瘍学会2014年年次学術集会(ASCO2014)が、5月30日~6月3日の日程で、シカゴにおいて開催された。今号の特集にちなんで、消化器領域の中から胃・食道がんに関する臨床試験の話題を拾った。胃がん 切除不能進行再発胃がんの3次治療で 経口分子標的薬による治療効果認める 切除不能進行再発胃がんでは...
2014年8月
「好きなものを食べて、体を動かすことが大切」と話す林 勉さん食道がんの術前化学療法を行うと、のどが狭窄したり、抗がん薬による悪心・嘔吐などの副作用で食事量が減って栄養不足になり体重が減少することが多い。中でも進行食道がんの治療中に、筋肉量が減少する「サルコペニア」の状態になる場合は、手術後の合併症リスクを起こしやすく、生存期間も短くなる傾向のあることが明らかになってきた。加齢でも起こるサルコペニア...
2014年8月
「患者さんが、食べることがつらくならないようにすることが大切です」と話す能勢彰子さん食べ物を飲み込むときに欠かせない食道にがんが発生した場合、本人はもちろん、家族もどのような食事がいいのか迷うことは多い。どんなものだったら食べやすいのか、食べ方のポイントは――専門家に話を聞いた。嚥下障害、通過障害、体重減少が起こりやすい 食道は喉(咽頭)と胃をつなぐ直径2.5㎝、長さ25㎝ほどの管状の臓器で、飲み...
2014年5月
「Ⅲ、Ⅳ期の食道がんでも諦める必要はありません」と話す出江洋介さん今から20年ほど前なら、諦めることが多かったⅢ、Ⅳ期の食道がん。だが、抗がん薬、放射線治療の進歩により、今は決して諦める必要はなくなった。その中でも、Ⅲ、Ⅳ期の5年生存率が全国平均よりも大きく上回る治療成績を出しているのが東京都立駒込病院だ。そこではどのような治療が行われているのだろうか。早期からリンパ節転移を起こしやすい食道がん ...
2013年9月
「食事量と回数に気をつけ、よく噛んで食事をしましょう」と話す須永将広さん 胃・食道がんの手術後は、食べ物が入るスペースが小さくなり、消化能力も低下している。手術後の体の状況をよく理解し、ダンピング症候群や逆流性食道炎、嚥下障害を起こさないよう、食事の量や回数をに注意し食事をしよう。 胃がん手術後の食事 手術方法で異なる後遺症状■図1 胃の構造胃(図1)の切除範囲が大きいほど、術後の後遺症状もひ...