
2009年5月
東京慈恵会医科大学付属青戸病院副院長の吉田和彦さん 今、日本では死亡原因の3分の1ががん。一生の間に男性は2人に1人、女性は3人に1人ががんになるといいます。その半数強は治りますが、半数弱は再発しているのが現状。がんが、転移・再発するとはどういうことなのか、まずはそこを、きっちり押さえましょう。免疫力でほぼ消滅がんの転移・再発というと、がん患者の一部に起こる悲劇的な出来事、と認識している人が多いの...


2008年6月
静岡がんセンター口腔外科部長大田洋二郎さん静岡がんセンター女性内科医長渡邉純一郎さん進行がんの骨転移治療にビスホスホネートがきわめて有効であることが知られている。ところが、この治療ではおよそ100人に1人の割合で顎骨壊死という対応に苦慮する副作用が起こるという。いち早くこの問題に注目し、対策をはかっている静岡県立静岡がんセンター口腔外科部長の大田洋二郎さんと女性内科医長の渡邉純一郎さんに、顎骨壊死...


2008年5月
四国がんセンター臨床研究部長の井口東郎さん骨転移は、乳がん、肺がん、前立腺がんなどで起こりやすいことが知られているが、消化器がんの骨転移についてはあまり知られていない。ところが、臨床の現場ではけっして珍しいものではなく、しかも最近は大腸がん、肝臓がん、膵臓がんなどで増えている。QOL(生活の質)を著しく低下させる骨転移には早めの対策が必要だ。生命予後が悪い消化器がんの骨転移消化器がんの骨転移が増え...


2008年1月
肝転移や肺転移も、簡単にあきらめる必要はない! がん研有明病院 消化器センター長の 山口俊晴さん できることならがんの再発は防ぎたいものです。そのための最良の方法は、最初にきちんとした治療を受けることに尽きます。仮に再発したとしても、再発を早く発見することによって、最近では治せるケースが出てきました。血液やリンパ液に運ばれた小さながんが大きくなるがんの「転移」や「再発」という言葉は、よく耳に...


2008年1月
「あわてず、あせらず、あきらめず」で再発・転移を乗り切ろうパネルディスカッションの風景がんの再発・転移を告知されると、大きなショックを受ける人が多い。しかし、再発・転移しても、それで終わりというわけではない。しかも再発・転移に対しても治療は十分あるし、きちんと治療をすればQOL(生活の質)の高い生活も送ることができる。今回のシンポジウムでは、そのあたりを、総合司会の浜松オンコロジーセンター長の渡辺...


2007年11月
東京大学名誉教授東京医科歯科大学分子腫瘍医学非常勤講師の渋谷正史さんがん治療において、がん転移の問題は常にひとすじ縄では解けない大きな課題となってきた。がんの転移はどういうタイミングで起こるのだろうか、どのように始まるのか……。がんの転移に対する疑問は次から次へとわいてくる。現在、こうしたがん転移のメカニズム、そして食い止める策は見つかりつつあるのだろうか。東京大学名誉教授の渋谷正史さんにお話をう...


2007年11月
東京大学医学部付属病院消化器内科講師の椎名秀一朗さん転移性肝がんの治療は肝切除が第1選択といわれてきたが、原発がんの悪性度や肝臓内外の病変の状態により切除の対象となるのは10~30パーセントだ。また、原発巣の切除後短期間で転移が見つかった患者さんや高齢者では再手術を希望しないことも多い。では、切除しない場合にはどんな治療法が主流になっているのだろうか。肝臓は転移の好発部位転移性肝がんとは、他の臓器...


2007年11月
東京医科大学病院呼吸器外科准教授の坪井正博さん肺転移は、別名「転移性肺がん」と呼ばれ、肺がんではない。ここはよく間違われやすいので、十分に注意する必要がある。どこかよその臓器から肺に飛んできたのが肺転移で、飛んできた元の臓器、細胞の性質を備えている。この肺転移と元々肺に生じた原発性肺がんとどう区別をつけるのか。そして治療はどうしたらいいのか。がんの発祥地が治療を左右するがん細胞が最初に発生した場所...


2007年11月
国立がん研究センター東病院消化器内科部長の大津 敦さん 胃がんや大腸がん、卵巣がんなどさまざまな臓器からがん細胞がこぼれ落ちて腹膜に転移してしまうのが腹膜播種だ。これは進行しないと見つけにくい、やっかいな転移がんの1つだ。ひと昔前では、抗がん剤の全身投与では腹膜播種は治せない、といわれていた。けれども最近では、TS-1やタキソールの登場で、腹膜播種の治療は大きく変わろうとしている。腹膜に種を播くよ...


2007年11月
東京女子医科大学脳神経外科主任教授の堀智勝さん「がんが脳に転移した」と聞くと、ひるむ人は少なくないだろう。それはたぶん、脳という体と命の司令塔までが、がんに侵されてしまった。これから、どうなるのか――という不安のためだと思うが、実際には、ほかのがんが脳に転移して起こる転移性脳腫瘍は、治療によってかなりの高確率で取り除くことができる。そんな転移性脳腫瘍の見分け方、症状、治療方法などについて、解説する...
