検査・治療法

免疫力アップで照射部位から離れた病巣でもがんが縮小 アブスコパル効果が期待される免疫放射線療法

2016年11月

「放射線治療と免疫療法を組み合わせた治療の研究が行われています」と語る鈴木義行さん 放射線治療は局所の病巣に正確に照射することが常識だが、その効果は照射部位だけにとどまらない可能性が注目されている。離れた転移巣にも免疫の増強を介して効果があるケースを〝アブスコパル効果〟と呼び、免疫治療薬などとの組み合わせ(免疫放射線療法)でさらに効果が高まることが期待されている。その研究の最先端を専門家にうかがっ...

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先進医療の結果次第で、大きく進展する可能性も! 進行・再発非小細胞肺がんに対するNKT細胞療法

2016年11月

「今後はiPS細胞を用いたNKT細胞療法が行われる予定もあり、NKT細胞療法には大きな期待が持てます」と語る本橋新一郎さん 活性化することで、がんを攻撃する働きを持つNKT(ナチュラルキラーT)細胞を使った免疫療法の研究が進んでいる。進行・再発した非小細胞肺がん患者を対象に、2012年から先進医療としてNKT細胞療法が行われ、現在登録が終了、結果を解析中だという。これまでに行われた臨床試験では、N...

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現在3つのがん種で臨床試験を実施中 がんペプチドワクチン療法最前線

2016年11月

「現在も3つの臨床試験が進行中であり、がんペプチドワクチン療法には大いに期待をしています」と語る笹田哲朗さん 現在、がんに対する第4の治療法として期待されている免疫療法だが、今回はその中の1つ、がんペプチドワクチン療法について取り上げる。神奈川県立がんセンターでは、このがんペプチドワクチン療法を積極的に行っており、これまで6つの臨床試験を実施、現在も3つのがん種で臨床試験が進行中だ。がんペプチドワ...

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臓器横断的に効果が望める免疫チェックポイント阻害薬 課題は投与対象の絞り込み

2016年11月

第54回日本癌治療学会学術集会特別講演会場 免疫チェックポイント阻害薬オプジーボの登場で脚光を浴びるがん免疫療法。現在の承認は皮膚がんと肺がん、腎がんのそれぞれ一部に対してだが、そのほかのがん種への応用も盛んに研究されている。10月20~22日に横浜市で開かれた第54回日本癌治療学会学術集会(JSCO2016)では「がん免疫療法:特に免疫チェックポイント阻害薬」と題された教育セッションも行われ、臓...

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「オンコタイプDX™検査で化学療法の実施は30%ほど減りました」

2016年9月

ホルモン受容体陽性、HER2陰性、早期乳がん患者での、予後予測と化学療法の効果予測に有用とされるオンコタイプDX™乳がん検査。米国臨床腫瘍学会(ASCO)、全米総合がん情報ネットワーク(NCCN)、サンクトガレン(St. Gallen)国際専門家コンセンサス委員会、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)などの欧米の主要ガイドラインではすでに採用されているが、日本ではまだ保険適用承認が足踏みの状態...

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遺伝子解析でさらに踏み込んだ治療へ トリプルネガティブ乳がんへの挑戦

2016年9月

「トリプルネガティブ乳がんにはいろいろなタイプがあり、それらを分類してそれぞれに合った、副作用が少なくて、より効果のある治療を探す動きが加速しています」と語る増田紘子さん トリプルネガティブ乳がん(TNBC)と言えば、「治療法が少ない」「予後が悪い」というイメージが先行しがちだが、それは生物学的特徴の異なるがんが集められた集団だからという考え方もできる。そこに切り込んで、個々人に合った治療を検討す...

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甲状腺がん 内視鏡下手術により治療効果と術後の整容面を両立

2016年8月

「高い治療効果を求めるのは切開術と同じですが、内視鏡下手術は整容面に配慮しているのが大きな特徴です」と語る五十嵐健人さん 甲状腺がんは手術により治ることの多いがんだが、従来の切開術では術後に首の下に大きく傷跡が残り、特に女性にとっては整容面の支障になることが課題だった。一方、内視鏡下甲状腺切除術(VANS法 ※以下「内視鏡下手術」)では、鎖骨の下に短い傷跡が残るだけで、容姿だけでなく食事などの面で...

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心臓ホルモン投与で肺がんの転移・再発を防ぐ 肺がん再発予防の臨床研究・全国10施設で「JANP Study」実施

2016年8月

「心臓ホルモンによって、がんの転移を未然に防ぐことができるかもしれません」と語る似鳥純一さん 心不全の治療薬によってがんの転移が未然に防げるようになるかもしれない。肺がん患者を対象に、実証するための臨床研究が国内10施設で始められた。これまでがんを治療する薬はあっても転移を防ぐ薬はなかっただけに、効果が証明されれば、がん治療は大きく変わっていく可能性がある。 心臓で作られるホルモン がんはできた場...

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咽喉頭がんに ダヴィンチの特徴が発揮される微細な作業による治療法

2016年8月

「咽喉頭がんと告知されて、放射線治療を勧められたときに、安易に受け入れず、経口切除を選択肢として相談して欲しい」と語る清水 顕さん 咽頭や喉頭のがんは治療も大切だが、食事や発声、呼吸にもかかわる器官だけに術後の後遺症がなるべく抑えられる治療が求められる。これまでは頸部を切る外切開術と放射線治療が主体だったが、より負担を減らすべくロボット支援手術「ダヴィンチ」の導入が図られ、国も先進医療として承認し...

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切らずに治す、新たな治療法への期待 早期乳がんに対するラジオ波熱焼灼療法

2016年8月

「保険収載を目指すべく、現在先進医療として早期乳がんに対するラジオ波熱焼灼療法の臨床試験が進められています」と語る木下貴之さん 〝切らない治療法〟として注目を集めたものの、きちんとした適応が定められずに行われ、再発を来してしまうケースがあった乳がんに対するラジオ波熱焼灼(しょうしゃく)療法(RFA)。こうした事態を受けて、早期乳がんに対するラジオ波熱焼灼療法の臨床試験が開始され、現在は保険収載を目...

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