検査・治療法

手術が適応とならない骨軟部腫瘍は保険診療に 重粒子線治療の適応と可能性

2016年8月

「重粒子線治療の適応は、高精度放射線治療や手術も含め、キャンサーボードで検討していきます」と語る中山優子さん 重粒子線治療は先進医療の代表格だが、これまでその治療適応は、実施施設によって異なる部分があった。2016年2月、日本放射線腫瘍学会が適応症について統一治療方針を打ち出した。実施状況を明らかにし、有効性・安全性を評価して今後につなげるためだ。先進医療での治療の適応はどのようになっているのだろ...

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切除不能または術後再発胆道がん 「切れ味の良い」FOLFIRINOXの臨床試験開始へ

2016年7月

「FOLFIRINOX療法は、将来的には標準治療の第一選択になる可能性があります」と期待を語る伊佐山浩通さん 胆汁を十二指腸まで運ぶ胆道に発生するがんは早期に発見することが難しい。罹患者に高齢者が多いこともあり、手術で切除することが難しく、化学療法が選択されるケースも多い。現在は3剤による組み合わせで対応されているが、新しくFOLFIRINOXという4剤併用療法の臨床試験(先進医療B)が計画されて...

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ボーダーライン膵がんに対する術前化学放射線療法

2016年7月

「ボーダーライン膵がんの術前化学放射線療法は試してみる価値があると思います」と語る森さん膵がんの唯一の根治的治療は手術である。切除できるかできないかのボーダーライン膵がん(切除可能境界域膵がん)では、「術前化学放射線療法」の臨床研究が行われており、その有効性が明らかになってきた。手術が可能になり、生存率が改善したという報告もある。どのような治療法なのだろうか。 主要な血管への浸潤の程度で 手術が可...

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腫瘍が縮小し、予後延長の可能性も 膵がんに対するナノナイフ治療

2016年7月

「ナノナイフは非常に期待が持てる治療法だと思います」と語る森安史典さん 見つかったときにはすでに切除できないケースが全体の約8割を占める膵がん。その場合、薬物療法という道しか現時点ではないが、そうした中、新たな選択肢として注目されている治療法がある。それが「ナノナイフ治療」だ。腫瘍が縮小したり、予後が延長するといった治療効果が期待されている。 注目されるナノナイフ治療 近年、増加傾向にある膵がん。...

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難しい肝胆膵がんの攻略に挑み続ける 難易度の高い手術の名手

2016年7月

山本順司 防衛医科大学校外科講座第3教授(病院肝・胆・膵外科教授)防衛医科大学校外科講座第3教授の山本順司さん〝がんの中のがん〟と言われる肝がん、胆道がん、膵がん。長時間に及び気力と体力、繊細な手技、集中力などあらゆる力を結集させて手術に挑まなければならないのが肝胆膵外科医だ。その道で30年近く手術にあたり、数々の難治症例を攻略してきたのが、防衛医科大学校教授で肝胆膵外科を率いている山本順司さんだ...

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進行肝がんに対するネクサバールのマネジメント

2016年7月

「ネクサバールの副作用である手足症候群は予防が重要です」と語る池田公史さん 進行した肝がんでは、標準的な化学療法として血管新生阻害薬であるネクサバールが使用されている。しかし、ネクサバールには手足症候群、高血圧、肝機能障害などの副作用があり、これらが治療の休止や中止の一因になることがある。医療チームを立ち上げ、ネクサバールの副作用マネジメントに取り組んでいる専門医に話をうかがった。 世界で2番目に...

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あらゆる治療の可能性を考え 難治がんの膵がんに挑む

2016年6月

神澤輝実 がん・感染症センター都立駒込病院副院長(消化器内科)がん・感染症センター都立駒込病院副院長の神澤輝実さん総合診療体制の基盤の上でがん医療に従事する、がん・感染症センター都立駒込病院。1975年(昭和50年)以来、膵がんの症例は通算で約3,000例。そんな中で胆膵がんの治療に日々励み、そこから得たヒントを糧に、自己免疫性膵炎とIgG4関連疾患の研究で世界的に脚光を浴びた副院長(消化器内科)...

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高齢者機能評価ツールを用いて判断できる可能性 進行再発がんの薬物治療〝進め方と止めどき〟

2016年6月

「薬物治療を進めていく上で、高齢者の機能評価ツールを活用できる可能性があります」と語る長島文夫さん 昨今、抗がん薬や分子標的薬の開発が進み、たとえがんが進行再発した場合でも、治療選択肢は増えてきた。そうした中、新たな問題も生じてきている。それが「いつまで治療を続けるか」という点だ。ここでは、実際にがん患者の多くを占める高齢者を対象に、機能評価の指標を用いて治療を行う専門医に、薬物治療を進めていく上...

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診断から退院後までを有機的連携で支える

2016年6月

治療決定までの判断過程の透明化を組織としてどう保障するか小林 隆さん 三井記念病院がん診療センター長・消化器外科部長 常に何が患者にベストかを考える 当院のがん患者の特徴は、高齢者が多いことです。70歳以上が44.4%を占めており、都内のがん診療連携拠点病院の平均37.4%と比べてもその多さがわかります。60歳、70歳の患者さんはまだまだ若いのです。治療は、常に何が患者さんのベストになるかを考...

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服薬規定などは厳しい 医師やCRCとの連係が大切

2016年6月

がん研有明病院の宋 菜緒子さん先月号では臨床試験や治験とは何かという基本を振り返った後に、どのような人が選ばれるのかということを見てきた。今号では、臨床試験が終わるまでを解説する。 適格基準は満たしているか 今回も企業が新薬の承認を目指すための「治験」を例に述べるが、医師主導の臨床試験でも基本は同じだ。前回のおさらいになるが、患者が治験に参加する経路は大きく2つある。1つは、担当医が治験を行ってい...

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