大腸がんの基礎知識 大腸がんは早期発見の場合 9割が治る!
2016年5月
国立がん研究センターが昨年(2015年)4月に発表した2015年のがん患者数の推計で、これまで3位だった大腸がんが、胃がん、肺がんを抜いてトップになった。増加傾向にある大腸がんについて、基礎から治療までをまとめた。 大腸がんの患者数と死亡者数の推移 ~患者数は過去40年間で5~6倍に増加~ 図1 2015年のがん罹患数予測(国立がん研究センター・がん情報サービス) 国立がん研究センターの推計によ...
2016年5月
国立がん研究センターが昨年(2015年)4月に発表した2015年のがん患者数の推計で、これまで3位だった大腸がんが、胃がん、肺がんを抜いてトップになった。増加傾向にある大腸がんについて、基礎から治療までをまとめた。 大腸がんの患者数と死亡者数の推移 ~患者数は過去40年間で5~6倍に増加~ 図1 2015年のがん罹患数予測(国立がん研究センター・がん情報サービス) 国立がん研究センターの推計によ...
2016年5月
「肛門を残す手術を受けるのかどうか、術後の生活をよく考え、冷静に判断することが大切です」と語る船橋公彦さん たとえ肛門に近い部位にがんができたとしても、肛門を温存することができる手術法がある。それが、肛門括約筋の一部を切除する「内肛門括約筋切除術」、いわゆるISRと呼ばれる手術だ。「究極の肛門温存術」とも言われるが、どんな人にも向いているわけではない。その適応は?治療成績は?専門家に話を聞いた。 ...
2016年5月
「高齢者は術後早くから動くことが大切です」と語る中野大輔さん 大腸がんの罹患率は50歳代から増加し、高齢になるほど高くなる。近年、高齢で大腸がんになる患者の数は増え続けている。では、高齢者が大腸がんになった場合、治療法は若年者と違うのだろうか。治療を受ける際、気をつけるべきポイントは何だろうか。高齢者における大腸がん治療上の注意点を聞いた。 高齢者のがん進行は遅いというのは迷信 まず、大腸がんにお...
2016年5月
「術前化学放射線療法で局所再発を減らすことができます」と語る川合一茂さん 局所進行した下部直腸がんでは、手術時に直腸の左右にある側方リンパ節を切除する側方郭清が標準治療となっている。ただ、直腸周辺には、排尿や性機能などに関わる大事な神経が走っているため、側方郭清を行う際に傷つけてしまう可能性がゼロではない。そうした中、注目されているのが側方郭清を省略して術前に化学放射線療法を行う治療法だ。 進行し...
2016年5月
「術後補助化学療法は再発リスクの高い患者さんに対して行う意義があります」と話す鶴田雅士さん 大腸がんは手術でがんを取り切ることができれば、他のがん種よりも治癒率が高い。しかし、進行がんでは、CTやPETでも捉えられない微小ながんが残されている可能性が高く、これが再発のもとになる。そのリスクを下げるのが、手術後に抗がん薬を投与する術後補助化学療法だ。効果と副作用、ライフスタイルなどを踏まえ、患者にと...
2016年5月
「適切なストーマケアで化学療法を達成していただきたい」と話す工藤礼子さん 大腸がん治療では、術前、あるいは術後に抗がん薬や分子標的薬による化学療法を実施することが一般的な治療法として普及してきている。ただし、化学療法を行うと、皮膚障害、下痢、末梢神経障害など多様な副作用が現れることも少なくなく、ストーマ保有者には大きな問題となる。一方、抗がん薬治療を受けた患者の排泄物による曝露対策も、患者とその家...
2016年4月
「ケトン食が新たながん治療の選択肢となる可能性も出てきました」と語る萩原圭祐さん がんになると、それまでの食事を見直す人は多い。ただ、何を食べれば、再発を防げるか、また進行・再発がんに対してどういった食事がいいのか、現時点では確固たるエビデンス(科学的根拠)は存在しないのが現状のようだ。そうした中、新たな可能性として注目されているのがケトン食。進行・再発がんに著しく有効だったという研究結果が明らか...
2016年3月
肺がんは大腸がんに次いで2番目に罹患数の多いがん。そして死亡数では全てのがん種の中で最も多い。呼吸器ということで他の臓器にはない独特な症状があり、それに応じた治療、管理も必要となる。肺がんの特徴、診断、治療について基本的な情報をまとめた。 肺の仕組みを教えて! 図1 肺の構造とがんの発生部位 肺は、外界の空気を扱う〝貿易港〟です。呼吸によって空気を吸い込み、その空気から酸素を体内に取り込み、その...
2016年3月
「VAL-MAP法は縮小手術が行いやすくなる上に、副作用もほとんどない手法です」と語る佐藤さん 肺がん手術の標準術式は肺葉切除だが、高齢患者が増えたことなどから、早期肺がんに対する縮小手術が増加すると考えられている。しかし縮小手術は、切除範囲を把握するのが難しく、難易度が高い。その問題点をクリアにするのが「気管支鏡下バーチャル肺マッピング(VAL-MAP)法」だ。国内外から、大きな注目を集めている...
2016年3月
「がん悪液質に対する新たな治療手段が出てくることを期待しています」と語る横山琢磨さん 肺がんの進行期でしばしば見られることの多いがん悪液質。現在のところ有効な治療法はなく、この病態になると、食事が食べられなくなり、どんどん体重が減少し、それに伴い倦怠感も出現してきて、QOL(生活の質)が著しく低下してしまうのが問題になっていた。そうした中、新たな薬の開発が進んでいる。臨床試験においてQOL改善効果...