2005年6月
国立病院機構 神奈川病院副院長の 加勢田靜さん かつては胸の肋骨にそって30センチも切るのがスタンダードだったという、肺がんの手術。手術自体が大きな負担と後遺症を患者に強いるものだった。そんな状況を変えようと、パイオニア的な医師たちがこつこつと技術や機器を充実させ、普及をめざしてきたのが、胸の内視鏡を使う胸腔鏡手術だ。傷が小さく体へのダメージが少なく、予後も術後のQOLもいいと、話を聞けばいいこと...
2005年6月
国立がん研究センター 東病院呼吸器外科医長の 吉田純司さん 胸を切開して直接病巣をとり除く開胸手術も、胸の肋骨にそって30センチも切るのがスタンダードだった時代は終わり、医師によっては傷口も12センチ程度と大幅に縮小され、患者への負担は急速に軽減されている。何より、臓器を目で見て手でふれられる安心感はゆるぎない。片手が内部に入るぎりぎりが12センチ肋骨の間を面で広げる最新機器・マルチフラップゲート...
2005年6月
東京医大外科の坪井正博さん 3剤併用で初めて生存率が改善 ポスト・イレッサとして、話題を呼んでいる抗がん剤には、やはりイレッサと同じ仲間に属する分子標的治療薬が多い。 従来の抗がん剤は絨毯爆撃のようにがん細胞ばかりか正常細胞も一緒くたにたたくのに対して、ターゲットをがん細胞の増殖や転移に関する因子だけに絞ってたたくのが分子標的薬の特徴。したがって、副作用が軽減され、効果も出るとなれば、こ...
2005年5月
抗がん剤治療に詳しい 東京医科大学病院の 坪井正博さん 肺がんの治療には、手術や放射線などいろいろありますが、そのなかで最近大きな変化があり話題を呼んでいるのが、抗がん剤による治療です。 そして最新の治療スタイルは、患者さんが自分の価値観やライフスタイルに合わせて自ら選ぶというものです。 抗がん剤治療の新しい流れ 毎年ここでの発表が注目される米国臨床腫瘍学会 肺がんの大半を占める非小...
2005年5月
サポート医師・山本信之静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科部長 やまもと のぶゆき 1962年和歌山県生まれ。 89年和歌山県立医科大学卒。 92年国立がん研究センターレジデント、97年近畿大学医学部第4内科(現腫瘍内科)助手、99年同講師を経て、02年静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科部長。 モットーは「チーム医療」。 サポート医師・大出泰久静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科副医長 ...
2004年4月
サポート医師・山本信之 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科部長 やまもと のぶゆき 1962年和歌山県生まれ。 89年和歌山県立医科大学卒。 92年国立がん研究センターレジデント、 97年近畿大学医学部第4内科(現腫瘍内科)助手、 99年同講師を経て、 02年静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科部長。 モットーは「チーム医療」。3B期の進行肺がん、通院しながら化学療法を受けたい(ここに登場する...
2004年3月
肺がんに対する凍結療法のパイオニアの慶応大学病院呼吸器外科講師の川村雅文さん マイナス135℃の高圧ガスでがん細胞を凍らせて死滅し、再発や浸潤を抑える新しい治療が注目を集めている。 凍結療法と呼ばれる治療だ。 まだ試験段階で、治療を受けた患者数は少ないが、手術や放射線に比べて患者さんの負担が少なく、QOL(生活の質)も向上することが確かめられつつある。 手術や放射線治療などを受けられ...
2003年12月
埼玉医科大学臨床腫瘍科教授の佐々木康綱さん 肺がんは、患者数が年々増加しているにもかかわらず、早期発見が難しいがんです。2015年には、男性は年間11万人、女性は4万人近くが肺がんになるという予測も行われています。今のところ、早期から進行がんも含めて肺がん全体の5年生存率は、20パーセント足らずとされています。しかし、ここ数年次々に新規抗がん剤が登場してその効果が認められ、肺がん治療にも少しずつ光...
2003年12月
ロナルド・B・ナターレ博士 1948年ミシガン州デトロイト生まれ。 ウェイン・ステート医科大学卒業。 肺がん患者に根拠と実績のある化学療法を提供することをモットーとし、世界で有数の肺がんの治療家といわれる。 世界で有数の肺がん治療のエキスパート、ロナルド・B・ナターレ博士に会見した。10年前からパラプラチンを核とする肺がんの化学療法に取り組んできた同博士は、現在ジェムザールとの組み合わせをベスト...
2003年11月
がんの中でも最も厳しいがんの一つが肺がんである。依然、がんによる死亡率の第1位である。しかし、この数年、肺がんの治療は大きな進展を見せている。先頃カナダで行われた世界肺がん学会の現地取材を通して、その進展ぶりの最新レポートをお届けしよう。 肺がんの世界スペシャリストたちの会 2003年8月10日~14日の5日間、カナダのブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーで、第10回世界肺がん学会が開催...