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がん哲学「樋野に訊け」 7 今月の言葉「to do から to be へ」

2017年2月

以前のように働けなくなり、退職を考え始めたT・Yさん 52歳男性/会社員/東京都 Q 1年前に直腸がんが見つかり、切除手術を受けました。幸い手術はうまくいったのですが、それ以来、ストーマの装着を余儀なくされています。以前と比べると、ストーマも改良の手が加えられ、使い勝手がよくなったといわれます。しかし、頻繁にトイレに行かなければならない現実は変わらないし、やはり、臭いのことも気になります。そんなこ...

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ドイツがん患者REPORT 28 「ジルヴェスター(大晦日)」

2017年2月

「懲りずに夢を見ながら」ロックギタリストを夢みてドイツに渡った青年が生活に追われるうち大腸がんに‥ ドイツのクリスマス休暇は、12月24日の午後から始まり26日までが公式の祭日です。その後の大晦日まではレームダック化してしまい、もう今年は終わったという気にさせられます。12月の22、23日が土日の年などは、3日間の有給休暇を取るだけで10日間の長期休暇になります。とくに子持ちの人たちは優先して有給...

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腫瘍内科医のひとりごと 73 「ステージ4は末期がんか?」

2017年1月

ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 Aさん(当時48歳/男性)はある鉄道会社に20年以上勤務し、健康で病院に行くことはありませんでした。1カ月ほど前から下痢、便秘、腹痛などの症状を繰り返し、B病院を受診し、検査の結果、大腸がんで肝...

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がん哲学「樋野に訊け」 6 今月の言葉「『1人でも全宇宙を動かせる』という気概を持つ」

2017年1月

それが本来の役割であれば、何ごとも成就できる子や孫に自分の人生を伝えたいY・Dさん 78歳男性/神奈川県 Q 2016年9月に肺がんが見つかり、脳にも転移の兆しがあることが判明しました。私自身はすでに喜寿を過ぎたこともあってか、来るべきものが来たという心境で、さほどのショックも落胆もありません。そのため医師から勧められた手術も断りました。がんになったことを天命と受け止め、どれだけ残っているかはわか...

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ドイツがん患者REPORT 27 「アドヴェント(Advent)」

2017年1月

「懲りずに夢を見ながら」ロックギタリストを夢みてドイツに渡った青年が生活に追われるうち大腸がんに‥ 「もう、いくつ寝ると、お正月……」 師走になれば、やたらと気せわしい気分になって、「はやく来い来い お正月」と、童謡の歌詞のように毎日願っていたことを、この季節になると思い出します。僕の住むドイツでは、お正月ではなくって、クリスマスが最大のイベントです。子供はもちろんのこと、 大人もプレゼントやクリ...

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腫瘍内科医のひとりごと 72 「がん人生の充実」

2016年12月

ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 Kさん(肺がん・73歳女性)はある大学病院で肺の手術を受けた1年半後、がんは両肺に再発しました。分子標的薬の内服で、がんの影は小さくなり、咳などの症状は消えて元気になりました。その頃のKさんから...

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がん哲学「樋野に訊け」 5 今月の言葉「人には『この時のために』と思える時がある」

2016年12月

末期がんを患った。生あるうちに家族と和解したいが結婚以来、ずっと家族を苦しめ続けたK・Tさん 62歳男性/埼玉県 Q 2年前、60歳になったばかりの時に大腸がんを患い、切除手術を受けました。幸い、手術はうまく行きましたが、その時には、すでにがんは他の部位に広がっていたようで、その後、1年を経ないうちに肺や骨への転移が見つかりました。担当医ははっきりとそうはいいませんが、余命はごく限られたものでしょ...

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ドイツがん患者REPORT 26 「ロニヤの洗礼式」

2016年12月

「懲りずに夢を見ながら」ロックギタリストを夢みてドイツに渡った青年が生活に追われるうち大腸がんに‥ 10月の終わりに 10月30日の日曜日。夜中の2時から3時の間に(午前3時になるとき、時計の針が2時に戻され、夜が1時間長くなる)、夏時間から冬時間に変更されました。これからは、日本との時差は8時間になります。おかげで、11時半から始まる洗礼式に行くのに、ちょっと余裕ができました。僕のバンドで、ボー...

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腫瘍内科医のひとりごと 71 「桂の葉」

2016年11月

ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 ある日、A病院の外来廊下でのことです。点滴架台を引いた入院患者さんと思われるパジャマ姿の白髪の男性が、私に向かって片手を振って、大きな声で「先生、まだ生きていますよ!」と叫びました。近づくとくし...

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がん哲学「樋野に訊け」 4 今月の言葉「人生の目的は『品性の完成』にある」

2016年11月

妻をがんで亡くして人生の目的を見失ったS・Kさん 無職/64歳男性/神奈川県 Q 1年前に進行性の乳がんで妻を失くしてから、生活は荒(すさ)む一方です。私たち夫婦にはこどもがおらず、結婚以来40年、妻と2人で暮らしてきました。5年前に定年を迎えた後も、私は嘱託として会社に残り、昨年ようやく仕事から解放されました。これからは妻と2人で共通の趣味のテニスや旅行を楽しみながら、ゆったりと生きて行こうと思...

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