連載

コラム・レポート

ドイツがん患者REPORT 26 「ロニヤの洗礼式」

2016年12月

「懲りずに夢を見ながら」ロックギタリストを夢みてドイツに渡った青年が生活に追われるうち大腸がんに‥ 10月の終わりに 10月30日の日曜日。夜中の2時から3時の間に(午前3時になるとき、時計の針が2時に戻され、夜が1時間長くなる)、夏時間から冬時間に変更されました。これからは、日本との時差は8時間になります。おかげで、11時半から始まる洗礼式に行くのに、ちょっと余裕ができました。僕のバンドで、ボー...

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腫瘍内科医のひとりごと 71 「桂の葉」

2016年11月

ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 ある日、A病院の外来廊下でのことです。点滴架台を引いた入院患者さんと思われるパジャマ姿の白髪の男性が、私に向かって片手を振って、大きな声で「先生、まだ生きていますよ!」と叫びました。近づくとくし...

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がん哲学「樋野に訊け」 4 今月の言葉「人生の目的は『品性の完成』にある」

2016年11月

妻をがんで亡くして人生の目的を見失ったS・Kさん 無職/64歳男性/神奈川県 Q 1年前に進行性の乳がんで妻を失くしてから、生活は荒(すさ)む一方です。私たち夫婦にはこどもがおらず、結婚以来40年、妻と2人で暮らしてきました。5年前に定年を迎えた後も、私は嘱託として会社に残り、昨年ようやく仕事から解放されました。これからは妻と2人で共通の趣味のテニスや旅行を楽しみながら、ゆったりと生きて行こうと思...

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ドイツがん患者REPORT 25 「バリアフリー」

2016年11月

「懲りずに夢を見ながら」ロックギタリストを夢みてドイツに渡った青年が生活に追われるうち大腸がんに‥ がんを宣告されてから、ほぼ9年になります。その前と後では、僕の生活は大きく変わらざるをえませんでした。外出するときは注意深く行動する、とくに気をつけて歩くようになりました。抗がん薬の副作用で、今でも指先や足の感覚が元に戻ってないからです。いつも雲の上を歩いているような感覚で、足元がどうしても不安です...

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腫瘍内科医のひとりごと 70 「体に聞くということ」

2016年10月

ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 ここ数年、「治療法はもうありません」「あと3カ月の命です」と告げられたたくさんの患者さんが相談に来られました。とてもつらい気持ちでおられる患者さんは、奈落からどうやって這い上がれるのか。私は「宗...

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がん哲学「樋野に訊け」 3 今月の言葉「今日は今日の苦労で十分」

2016年10月

がんが見つかって空回りを続けているY・Gさん 会社経営/63歳男性/東京都 Q 半年前に人間ドックを受診したところ、ステージⅡ(II)の肺がんが見つかり、摘出手術を受けました。幸い、手術は成功し、現在は、もちろん以前ほどではないにせよ、元気に暮らしています。ただ体のことはさておき、心がざわついて落ち着きません。がんになって人生が有限であることを考えるようになったからでしょうか。やらなくてはならない...

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ドイツがん患者REPORT 24 「ミュンヘンで起こったアモック」

2016年10月

「懲りずに夢を見ながら」ロックギタリストを夢みてドイツに渡った青年が生活に追われるうち大腸がんに‥ 8月24日。僕は約1カ月前に〝アモック〟で、9人の死者を出したショッピングモールに用事があって出かけました。 〝アモック〟の意味 2016年7月22日の金曜日(イスラム過激派の大きなテロは、イスラム教の祝日の金曜日に起こることが多い)、人が一番集まってくる午後6時頃。自宅からは直線距離にして約5km...

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腫瘍内科医のひとりごと 69 「がん死と自然死」

2016年9月

ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 ある介護老人施設で、ほとんど認知症状のみられない104歳になるRさん(女性)を看取りました。やや大柄な顔立ちで、白い牡丹のような方でした。2月末になって水分だけで、ほとんど食事を摂らなくなりまし...

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がん哲学「樋野に訊け」 2 今月の言葉「逆境を逆手にとれ」

2016年9月

妻ががんで他界して認知症の母親と2人きりになってしまったE・Sさん 60歳男性/神奈川県 Q 50代後半までは順風満帆の人生でした。というか、そう思い込んでいました。仕事は人一倍こなしていたし、2人の息子も独立して自分の人生を送っている。唯一の気がかりは認知症を患った母親のことでしたが、気丈な妻が献身的に面倒を見てくれていたので、私がそのことを実感することはほとんどありませんでした。少々は貯えもあ...

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ドイツがん患者REPORT 23 「チャリティ・ライブコンサート」

2016年9月

「懲りずに夢を見ながら」ロックギタリストを夢みてドイツに渡った青年が生活に追われるうち大腸がんに‥ 6年前の大腸がん告知から2度の転移を体験し、いまも抗がん薬治療中の小西さん。この夏、がんサバイバー企画のチャリティ・コンサートに参加しました。 7月30日。僕のバンド〝INCS(インクス)〟はチャリティ・ライブコンサートに参加しました。いつものことながら、どういう内容か知らなかった僕は、会場に到着...

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