S状結腸がんで手術。肉と酒が大好きで、再発が心配
59歳の夫のことでご相談します。夫は2年前、57歳のときにS状結腸がんになり、手術(S状結腸切除術)を受けました。その後の経過は順調で、定期検診でもとくに問題は指摘されていません。ただ、気がかりなことがあります。それは体調がよくなるとともに、夫の酒量と肉を食べる量が増えてきたことです。がんになる前は、ビール大瓶1本と焼酎3杯ほどをほぼ毎晩飲み、週7日のうち5回以上、夕飯に豚肉か牛肉を食べていました。野菜や海藻類は嫌いで、ほとんど食べません。がんになって以降は食生活を改めたのですが、2~3カ月前から、以前の食生活に戻りつつあります。このままでは、再発を含め、また大腸などのがんになってしまうのではないかと不安です。夫に食生活を改めさせるよい方法はないでしょうか。
(鹿児島県 女性 55歳)
A 野菜、果物の摂取、適度な運動が新たな病気の予防に
大腸がんを予防するには、動物性脂肪や赤身の肉、貯蔵肉、そしてアルコールの摂取量を少なくし、適度に運動し、肥満にならないようにすることなどが効果があるといわれています。
しかしこれは、大腸がんになる前のことで、1度がんになってしまうと、遺伝子がすでに変化してしまっているため、こうした生活を心がけても、再発を予防する効果はさほど大きくないともいわれています。
残念ながら、1度起きた遺伝子の変化は元に戻りません。
とはいえ、大腸がんを予防するための食事や運動を行う生活を励行すると、新たな遺伝子変化を抑える効果は期待できるかもしれません。
加えて、肉食を控え野菜や果物などの摂取量を増やし、適度な運動をすることは、結腸がんの再発予防だけではなく、新たながんの発生や、心筋梗塞、脳卒中などを予防するうえで大切だと思います。
ただし、必要以上に神経質になることは逆効果です。あまりくよくよ考えずに、毎日の生活をエンジョイするような、前向きなお考えを持つことのほうがより大切だと思います。