読者投稿
副作用の発汗をこうして快適に
前立腺がんのホルモン療法で発汗の副作用に悩まされていたAさんは、ヘヤードライヤーの利用を思いついた。 暗闇のなかでもすぐ使えるようにスイッチにちょっとした工夫を加えて、快適に過ごせるようになった。 そこで発汗に困っている患者さんに是非知ってもらいたいと投稿いただいた。
友人の勧めで検査を受けて
小生は1935年生まれの70歳の男性です。2004年6月にPSA検査を近くのかかりつけの内科医に依頼したところ、655ナノグラム/ミリリットル(編集部注:一般的には4以下が正常値、4~10はグレーゾーン、10以上だと約40パーセントの人にがんが発見される)もありました。これは大変だとすぐ大学病院を紹介してもらい、検査入院となりました。
検査を受けるきっかけとなったのは、友人が東京都の老人保健センターの検診で、前立腺がんの疑いがでたことにあります。友人は幸いがんではなく前立腺肥大でしたが。
それで「おまえもPSA検査を受けたほうがいい」と強く勧めてくれたからでした。
当時、小生は休肝日をもうけることなく365日お酒を飲んでいて、吐血ぎみでした。そこで息子と同期の内科医院に、4年ほど前から2週間に1度薬をもらいに通院していたのです。
そのとき小生にはまったく自覚症状はなかったのですが、その先生に検査をお願いしたのでした。
大学病院の検査の結果、前立腺がん(N1 M1=周囲のリンパ節などに転移がある状態)、膀胱内浸潤がん(病気分類Ta=非浸潤性乳頭状がん)との結果でした。それを受けて、7月24日内視鏡による経尿道的膀胱腫瘍切除術をうけ、8月4日内視鏡による術後検査を終えて退院しました。
また2004年の7月より前立腺がんの治療は、内分泌療法をおこなってきました。4週間ピッチのゾラデックス注入、カソデックスとハルナールの毎日の服用です。2005年10月より抗がん剤の併用も始めました。薬名はUFT E顆粒5グラムを1日3回服用です。
2004年に手術後より普通の生活をしています。特に旅行が好きで、毎月家内と源泉のある温泉旅館を探して4~5泊の旅を楽しんでいます。11月には紅葉の京都に行ってきました。
副作用の発汗に困って
副作用は起床から就寝までに60~80分ピッチで発汗があるだけです。それも上半身のみです。これはゾラデックスの副作用で、最初から医師に告げられていました。(編集部注:内分泌療法は男性ホルモンの働きを阻止するものです。急激に男性ホルモンの量が低下するので、女性の更年期障害と同じように、のぼせ、ほてり、発汗などの症状が一時的に起こる人もいます)
小生は室内空気環境測定の厚生省認定の有資格者で、仕事もこの環境測定をリタイヤするまでやってきましたので、自分の家の室内も常に空調機を作動させて、室内の温度23~24度、湿度50~60パーセントに保っています。
しかし発汗作用はどうしてもおこります。最初のころは扇風機を身近に置いて、汗がではじめると作動させていました。が、どうも不便ですし、冬になると扇風機は旅先の宿屋にもありません。そこで見つけたのがヘヤードライヤーでした。ヘヤードライヤーをクールの位置で作動させると、発汗は2~3分で治まります。ただ夜寝ているときに作動させると、暗がりの中なのでホットにスイッチがはいってしまうことがあります。そこで暗闇で使ってもホットにスイッチが入らないような工夫を考えて作ってみました。
ヘヤードライヤーのスライドスイッチはクールとホットの位置が手加減でスライドさせるため(少しは止まる感じがありますが)、暗いところではついクールを通り越してホットに入ってしまうことがあります。そのために暗がりでも必ずクールにスイッチが入るようにした工夫です。
最近は多くの宿屋ではヘヤードライヤーは備え付けてありますが、洗面台に固定してあることが多くそこまで行かなければ使えないという不便さがあります。小生は旅先にも携帯していき、大いに役立っています。
だれでも簡単にできますので紹介します。
クール専用ドライヤーの作り方
ストッパー用の板は100円ショップで売っている文房具の下敷きです。ストッパーを入れるスライドスイッチの溝の深さをよく見て、1枚ないし2枚を張り合わせて使ってください。ちなみに下敷きの厚さは平均1ミリぐらいです。
(1)下敷きをハサミもしくはカッターで切って、瞬間接着剤で2枚を張り合わせてストッパーを作る。
(2)ストッパーをホットにスイッチが入らないようスライドスイッチのところに埋め込み、瞬間接着剤で止める。うまくストッパー板を溝にセットできなければセロテープで止める。