2010年10月
川崎医科大学付属病院 乳腺甲状腺外科准教授の 紅林淳一さん 今まで、打つ手がないとされてきたトリプルネガティブ乳がん。 だがここへきて、トリプルネガティブに有効な薬剤が徐々にだが明らかになってきた。 どうやらトリプルネガティブも個別化治療の方向へ向かって進んでいるようだ。 トリプルネガティブ乳がんとは? [トリプルネガティブ乳がんとは?] 「トリプルネガティブ」とは、エストロゲンとプロゲス...
2010年7月
順天堂大学医学部付属 順天堂医院乳腺科科長の 齊藤光江さん 乳房は、女性のシンボル的な意味合いを持つ器官だ。出産や性の営みとも密接に関わっているため、若くして乳がんを患うことは、仮に命に別状がない場合でもさまざまなつらいことに直面する。結婚・出産を望んでいる女性も多く、その不安や苦しみは大きい。 こうした若年性乳がん患者さんには、精神面のバックアップがとても重要となる。 若年性乳がん 知っ...
2010年7月
近年は、乳がん患者向けの補整用下着の品ぞろえも充実してきた。だが、こうした下着は「全摘手術用」と思われがちで、乳房温存手術後の患者のための商品があることは意外に知られていない。 そんななか、乳房温存手術用のアイテム開発に力を入れているのが、補整用下着の開発・販売を手がけるワコールのリマンマ事業課だ。アドバイザーの岩本法子さんはこう語る。 「以前は、お客様の状態に合わせて、比較的サイズが小さ...
2010年4月
大阪医療センター 外科・乳腺外科医師の 増田慎三さん 手術の前に薬物治療を行う、“術前薬物療法”――。 従来は、がんを小さくし、手術の縮小が主な目的であったが、最近では患者に合った薬を見極める、個別化治療の実現のために術前薬物療法の重要性が高まってきた。 術前薬物療法の目的が大きく変わってきた がんの治療には、手術、薬物療法、放射線治療という3つの柱がある。乳がんの治療についても、それは変...
2010年3月
名古屋市立大学病院 乳腺内分泌外科部長の 山下啓子さん サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)。ひとつのがんについての学会としては、世界でも最も大規模な学会の1つです。 今回も90カ国以上から9000人近い医師や医療関係者が集い、乳がんに関する最新の研究成果や臨床試験の成績が報告されました。 アロマターゼ阻害剤を中心に、ホルモン療法に関する最新情報を紹介します。 最大規模の試験TE...
2010年3月
大阪大学大学院医学系研究 科乳腺・内分泌外科助教の 中山貴寛さん 最近の乳がん治療は、遺伝子の発現パターンによって乳がんを分類し、治療法を使い分ける方向に進んできた。 日本人に多い「ホルモン受容体陽性・HER2陰性」タイプの乳がんには、通常の抗がん剤治療は効きにくい。 こうしたタイプの術後治療には、ホルモン療法に経口抗がん剤である「UFT」を併用するのが効果的だということが証明された。 乳...
2010年3月
藤田保健衛生大学 医学部乳腺外科教授の 内海俊明さん 目に見えないがんを叩くため、乳がんの治療は手術だけではなく、術後治療による全身療法が非常に重要となってくる。 術後治療の基本的な考え方をおさえるとともに、最新のホルモン療法についても紹介する。 目に見えないがんを叩くために術後治療が重要 [図1 局所療法と全身療法] 乳がんの治療は、手術だけで終了になることはあまりない。多くの場合、術...
2010年3月
東海大学医学部付属病院 乳腺内分泌外科講師の 鈴木育宏さん これまで肺がんや膵がんなどの治療で使われてきたジェムザール(一般名ゲムシタビン)が、転移・再発乳がん治療に対する治験を終え、適応拡大の承認が待たれる状況にある。効果の面だけでなく、副作用が比較的軽いことで知られる抗がん剤だけに、長期間治療を継続する患者さんに、大きな恩恵をもたらすことになりそうだ。 転移・再発乳がんの治療は長く続けるこ...
2010年3月
「商品だけの販売なら通販と同じ。実際にリマンマを手に取っていただいて、お客様の要望をお聞きしながら、お身体に合う1枚を見つけたい」。リマンマルームでは、アドバイザーが患者さんの小さな声にしっかりと耳を傾け、納得できる1枚の下着との出合いを導いている。 そこには、患者さんとアドバイザーの間にどのような心の交流があるのだろうか。 試着したとたんに歓声を上げる人も 「お悩みを教えていただき、よき...
2010年2月
虎の門病院乳腺・内分泌外科部長の 川端英孝さん 早期乳がんの術後化学療法において、短期間の抗がん剤治療でも十分と予測される患者の治療法が大きく変わろうとしている。 今までは4サイクルのAC療法がスタンダードとされていたが、それに代わって新たに登場した4サイクルのTC療法が広く普及し始めた。 患者とその家族もTC療法の治療効果はもとより、副作用とその対策などについて理解を深めていくことが求められ...