2009年6月
サロン終了後、座談会が行われた 再発患者の集い「なのはなサロン」に参加する、乳がん再発患者さん13人のエピソードで体験談を披露してくれた「あけぼの千葉」会員5名と、代表の齋藤とし子さんに、サロンの役割と意義について語ってもらった。 病気への理解が深まる 齋藤 「なのはなサロン」に来ると、最初はしょんぼり肩を落としていた人も見違えるようにイキイキとした表情で帰っていきます。 他の再発患者さんと交流...
2009年6月
乳がんが再発すると、完治は難しいとされる。しかし、実は再発後の治療が効果を発揮し、長期にわたって生存している人たちも少なくない。再発後でも長期生存を実現するためには、どのような治療を受け、どのような日々の生活を送ればいいのか。再発患者を支える医師たちにその治療法とサポート法について聞いてみた――。 大きく変化している再発治療 聖路加国際病院乳腺外科部長の 中村清吾さん 今、再発乳がん治療の常...
2009年6月
医療面から日々の生活、そして、がんとの向き合い方など、心の側面に至るまで、取材を通して浮かび上がった、再発患者が長期生存を実現するためのポイントをまとめてみた――。 第1条 医療の進歩の恩恵を受ける 再発乳がんに対する治療は、急激なスピードで進化を続けている。「再発乳がんの治療は、まさに日進月歩。半年ごとに新薬が出てきている状況」と聖路加国際病院乳腺外科部長の中村清吾さんも語っているように、...
2009年6月
京都大学大学院医学研究科 外科学講座教授の 戸井雅和さん 予後が悪いと言われてきたHER2「陽性」の乳がん。分子標的薬ハーセプチンの登場により、この治療状況はかなりよくなったが、ここへもう1つ、新たな分子標的薬が加わった。タイケルブという新薬だ。 脳転移への効果など、多くの可能性を秘めた抗がん剤として期待が集まっている。 増殖スピードが速いがんにかかわっているHER2 「HER2(human ...
2009年3月
医療法人鉄蕉会 亀田総合病院乳腺科部長の 福間英祐さん 乳房温存療法の普及で、乳がんは早期ならば乳房を失わずに摘出できるようになりました。しかし、乳房温存療法の適応にならない人もいます。 こうした人のために、救命と美容の両立に取り組んできたのが、亀田総合病院乳腺科部長の福間英祐さんです。 福間さんは、世界で初めて乳がん治療に内視鏡を導入、最近は全く乳房にメスを入れない凍結療法にも取り組んでいま...
2009年3月
浜松オンコロジーセンター長の 渡辺亨さん 乳がんの患者さんの命が救われるかどうかの最初の分かれ目は、手術後にどんな治療をするかという点だ。 この術後薬物療法の分野に、日本から初めてエビデンス(科学的根拠)のある治療法が出てきた。UFT(一般名テガフール・ウラシル)という、1世代前の抗がん剤であるが、今これが脚光を浴びている。 タンポポの種をたたく治療 乳がんは、手術でしこりの部分を取ればそれで...
2009年3月
国立病院機構大阪医療センター 外科乳腺担当の 増田慎三さん 毎年12月に米国テキサス州サンアントニオで開催されるサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)。 2008年も96カ国から9200名を越える医師や医療関係者が集い、研究の成果から最新の臨床試験結果に至るまで、多くの報告がなされました。中でも大きな注目を浴びたホルモン療法に関する最新情報を紹介します。 再発を効果的に抑えるための術後...
2009年3月
米国の気鋭のオンコロジストであるゴルシャン(左)さんに通訳しながらインタビューしていただいた腫瘍外科医の松岡さん(右) 乳がん治療は、世界的に患者さんに大きな負担を強いる拡大手術から縮小手術への流れが続いている。個人の再発リスクを見分けながら、それに対応した、より体にやさしい治療が選択されるようにもなってきた。米国3大がんセンターの1つであるボストンのハーバード大学医学部付属ダナファーバーが...
2009年3月
放射線診療部門長・ オンコロジーセンター 推進責任者の 大川智彦さん 乳腺腫瘍センター長の 佐藤一彦さん 乳腺腫瘍センター医師の 繁永礼奈さん 小線源治療を行う際、外科医師、放射線科医師、放射線技師が立ち会う 放射線技師がディスプレイを見ながらコンピュータを操作する。ディスプレイの隣にはモニター。別室のベッドに横たわる患者さんの様子が映っている。白い布に覆われた患者さん...
2009年3月
京都大学大学院医学研究科 外科学講座乳腺外科学教授の 戸井雅和さん 乳がんを引き起こし、増殖に関係する主要な3つの因子、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2。 これら3つの因子とは全く関係なく乳がんが発生している場合がある。それが、「トリプルネガティブ」と呼ばれるタイプの乳がんだ。 この「トリプルネガティブ」の乳がんは、一般的に予後が悪いとされ、治療においても打つ手が全くないと思...