高齢の肝細胞がん患者さんに朗報! 陽子線治療の有効性が示された
2021年12月
「がん病巣にだけ照射できるという陽子線治療の特徴が、肝細胞がんにとって非常に大きな意味を持ちます」と語る奥村敏之さん 「陽子線治療は、高齢の肝細胞がん患者さんにとって有効な選択肢になると思います」と語る飯泉天志さん 放射線治療の一種である陽子線治療の将来性に国内でどこよりも早くから着目し、取り組み続けてきたのが筑波大学だ。今年(2021年)9月、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2021)において、筑波大...
2021年12月
「がん病巣にだけ照射できるという陽子線治療の特徴が、肝細胞がんにとって非常に大きな意味を持ちます」と語る奥村敏之さん 「陽子線治療は、高齢の肝細胞がん患者さんにとって有効な選択肢になると思います」と語る飯泉天志さん 放射線治療の一種である陽子線治療の将来性に国内でどこよりも早くから着目し、取り組み続けてきたのが筑波大学だ。今年(2021年)9月、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2021)において、筑波大...
2021年11月
「オプジーボ+ヤーボイ併用療法の適応は1次治療のみです。現在すでに治療を受けている患者さんは使えません。こうした使用条件が撤廃されることを望んでいます」と語る長谷川誠紀さん 悪性胸膜中皮腫で手術の対象となるのは全体の約10%で、手術は化学療法と組み合わせることが基本となっている。手術技術の進歩、有効な薬剤の登場、適切な患者さんの絞り込みなどにより、手術の治療成績は徐々に向上してきた。手術できない場...
2021年11月
「SALSA試験の内容は信用に足るもので、最近は当院でも7年で止めるよう指示をしています」と語る中村清吾さん 閉経後の乳がん患者さんが術後に投与されるホルモン療法薬のアロマターゼ阻害薬。再発予防効果が期待される一方、副作用との兼ね合いで、何年が最適な服用期間なのか、エビデンスが待たれていた。そんな中、長期投与群(10年)と短期投与群(7年)を比較したSALSA試験報告がNEJM誌(ザ・ニューイング...
2021年10月
「ペプチド受容体核医学内用療法は、日本神経内分泌研究会や患者さんがここ数年待ち望んでいた承認でした」と語る高田良司さん 希少がんの1種である神経内分泌腫瘍の新しい治療薬「ルタテラ」が、2021年6月に承認され、いよいよ治療が始まろうとしている。この薬は、腫瘍細胞に発現しているソマトスタチン受容体と結合するソマトスタチン類似物質に、放射性物質を取り付けた構造になっている。腫瘍細胞に結合し、体内から放...
2021年9月
「当病院では、胃がんの96%がロボット支援下手術で、基本的にはすべての進行度の胃がん患者さんに対して行っています」と語る宇山一朗さん 今日のがん手術は、根治性と共に、身体負担の少ない低侵襲性が求められる。腹腔鏡や胸腔鏡による内視鏡下手術の普及は、それに大きく貢献してきた。さらに内視鏡下手術を進化させた「ロボット支援下内視鏡手術」、通称ロボット(ダヴィンチ)手術が登場。2012年の前立腺がんを皮切り...
2021年8月
「皮膚リンパ腫の多くは、病気の進み方はゆっくりですが、症状を抑えるのは難しく、進行する患者さんに対して効く治療法がほとんどなかったのが現状でした。最近になり、いろいろ新しい薬がでてきて、治療の選択肢が増えてきています」と語る大塚幹夫さん 皮膚リンパ腫は、白血球の1つであるリンパ球が腫瘍化して皮膚に浸潤し、さまざまな皮膚症状を生じる病気である。リンパ球にはT細胞、B細胞、NK細胞などがあるが、そのう...
2021年8月
「皮膚リンパ腫の多くは、病気の進み方はゆっくりですが、症状を抑えるのは難しく、進行する患者さんに対して効く治療法がほとんどなかったのが現状でした。最近になり、いろいろ新しい薬がでてきて、治療の選択肢が増えてきています」と語る大塚幹夫さん 皮膚リンパ腫は、白血球の1つであるリンパ球が腫瘍化して皮膚に浸潤し、さまざまな皮膚症状を生じる病気である。リンパ球にはT細胞、B細胞、NK細胞などがあるが、そのう...
2021年8月
「これまでは同じ推奨度だった3つの治療法が、より明確にCDK4/6阻害薬とアロマターゼ阻害薬の併用療法が推奨されました」と原 文堅さん 『乳癌診療ガイドライン』(2018年刊行)は、新薬の登場などに合わせ、Web版の改訂が行われてきた。約1年前の2020年8月には、Ver.4のWeb版改訂が行われ、閉経後のHR(ホルモン受容体)陽性転移・再発乳がんに対する治療の推奨の強さなどが新しくなった。推奨さ...
2021年7月
「子宮頸がんでも重粒子線の保険適用を申請しているので、2022年の改定で認められることを期待しています」と語る若月優さん 放射線治療は子宮頸がんの約70%を占める扁平上皮がんに効きやすいこともあり、子宮頸がんの根治をめざす治療法として近年、ますますウエイトが増している。また、局所進行がんには、放射線と化学療法を組み合わせる化学放射線療法が標準治療となっている。それに加え、放射線の一種である重粒子線...
2021年7月
「子宮体がんは、非常に早い時期から不正出血というサインが現れます。月経以外の出血に気づいたら、迷わず悩まず、まずは婦人科を受診してください」と語る高橋伸卓さん 子宮頸がんに比べて情報量が少なく、健康診断項目にも入っていないことから意識する機会も少ない子宮体がん。しかし、実は今、子宮体がんの罹患者数は子宮頸がんを追い越し、年々、増加の一途をたどっている。罹患年齢の中心は、閉経が見えてくる50歳前後。...