乳がん患者さんが自宅で入力 医療者は病院でチェック
2014年10月
「より良い治療を受けていただきたい」と話す奥山裕美さん乳がんの薬物療法は、薬剤の進歩により外来治療にシフトしている。通院で治療を受けながら生活できるというメリットは大きいが、一方で副作用への対応が課題だ。昭和大学病院ブレストセンターでは携帯端末を使って乳がん患者さんが自宅で副作用の状態を入力し、そのデータを病院にいる医療者と共有できるというシステム開発に取り組んでいる。これまでにない、患者さんとの...
2014年10月
「より良い治療を受けていただきたい」と話す奥山裕美さん乳がんの薬物療法は、薬剤の進歩により外来治療にシフトしている。通院で治療を受けながら生活できるというメリットは大きいが、一方で副作用への対応が課題だ。昭和大学病院ブレストセンターでは携帯端末を使って乳がん患者さんが自宅で副作用の状態を入力し、そのデータを病院にいる医療者と共有できるというシステム開発に取り組んでいる。これまでにない、患者さんとの...
2014年9月
50回目の開催を迎え、今年も世界各国から多くの臨床医が参加した今年で開催50回の節目を迎えた米国臨床腫瘍学会2014年年次学術集会(ASCO2014)。前号に引き続き、同学術集会での話題を拾った。ASCOの年次学術集会では、毎年、各領域において数多く採用された演題の中から、特に話題性の高いものをセッション(領域)ごとに数題選択し、専門家が総括する「ハイライトセッション」が設けられている。これを聞く...
2014年9月
「患者さんの状態に応じた薬剤選択と用量調整が大切です」と話す大西一功さん日本で初めて分子標的薬が承認されたのは2001年。同年承認されたのは3種類だが、そのうち2つは血液がん治療のグリベックとリツキサンだ。その後も多くの新薬が登場し、治療成績を上げている。がんの中でも強い治療を行う領域だけに、症例に応じた薬剤の選択と投与量の調節が個別化医療のカギとなる。遺伝子の見極めと 患者の状態の考慮 「これま...
2014年9月
「わずか数年で、メラノーマの治療はそれまでと全く異なる時代に突入しました」と話す堤田 新さんこれまで30年近く新薬が出てこなかったメラノーマ(悪性黒色腫)の治療が大きく動き出した。2011年以降、新薬が続々と登場。遺伝子変異がある患者のみが適応となる薬剤も次々出てきており、メラノーマは個別化医療の時代に突入した。新しい時代を迎えたメラノーマの薬物治療 メラノーマ(悪性黒色腫)の薬物治療が急速な進歩...
2014年9月
「これまでにない遺伝子診断ネットワークを作りました」と話す後藤功一さん個別化医療は、肺がんでもスピードアップしている。肺がんの原因遺伝子を突き止め、それを阻害する最適な分子標的薬を投与する薬物療法が浸透した結果、さらに多くの原因遺伝子を特定しようという試みが繰り広げられている。しかも、スクリーニング(選別)と新薬開発を効果的に結びつけようという画期的な発想だ。加速する遺伝子診断 今年(2014年)...
2014年9月
「KRASだけでなくRAS遺伝子の検査が保険承認されることが必要です」と語る吉野孝之さん大腸がんも個別化医療が進んでいるがん領域の1つだ。進行・再発大腸がんの治療で使われている、アービタックスやベクティビックスでは、KRASと呼ばれる遺伝子に変異があると、その効果が発揮されないことがわかっていたが、最近ではそれ以外の遺伝子にも変異があると、薬が効かないことがわかってきたという。抗EGFR抗体薬の効...
2014年9月
「子宮頸がんでの検診の進化を広めたい」と話す鈴木光明さん子宮頸がんの検診の分野で大きな変革が進んでいる。より精度の高い検診が日本でも広がりつつあるのだ。長期的に見れば国全体の医療費削減にもつながる。世界標準で最新となる検診についてリポートする。『子宮頸がん検診維新』 「私は、今を『子宮頸がん検診維新』と表現しています」子宮頸がん検診の研究と普及の第一人者である自治医科大学産科婦人科講座教授の鈴木光...
2014年9月
北海道大学大学院医学研究科総合女性医療システム講座特任助教のSharon J. B. Hanleyさんヨーロッパやオーストラリア、日本などから子宮頸がんの疫学、臨床の専門家が集まり、先ごろ東京で、子宮頸がん予防に関する国際シンポジウム“Women Against Cervical Cancer in Japan” が開催された。シンポジウムでは海外の参加者から、現在、日本で積極的な接種勧奨が(一時...
2014年9月
「増殖能中間値の人は主治医とよく相談して治療法を選択してほしい」と話す新倉直樹さん「ホルモン受容体陽性・HER2陰性」タイプの乳がんで、がん細胞の増殖能が高いと判断される場合には、術後補助化学療法としてホルモン療法に加え、抗がん薬治療が行われる。この増殖能が高いか低いかの判断材料に用いられるのが、Ki-67という核内のタンパク質だ。しかし、測定法が標準化されておらず、施設ごとに判断基準も異なるため...
2014年8月
「食道胃接合部がんに関して、今後さらなる研究が進むことが期待されます」と話す瀬戸泰之さん欧米では食道と胃の境目(接合部)にできる食道胃接合部がんが増加傾向にあるが、日本でも将来的には患者数が増える可能性があるとされる。東京大学大学院医学系研究科消化管外科学教授の瀬戸泰之さんによると「これまで、食道胃接合部がんに対しては、世界的にも決まった治療法がなかったのですが、ようやく方向性が示されてきた」とい...