2009年7月
国立がん研究センター中央病院 肺内科医長の 久保田馨さん 他のがんと異なり、どの組織ががんになったかによって、いくつかのタイプに分けられる肺がん。 当然タイプによってがんの性質も違い、治療法も異なってくる。 今、その肺がんの組織型によって、どの抗がん剤がより効果を示すのかがわかってきた――。 手術不能でも組織型別の化学療法で成績アップ 肺がんは早期発見が難しく、手術不能の段階で見つかることが多い...
2009年6月
自治医科大学産科婦人科教授の 鈴木光明さん 女性のがんの治療においては、命さえ救えればいいわけではない、という複雑さがあります。がんを乗り越え、その後の人生を生きていくための治療が問われているのです。まずは、女性のがんとは体の中で何が起こっているのかをきっちり知ることから始めましょう。 女性のがんの特殊性 [女性のがん、3種類の位置] 女性の生殖器に起こる女性特有のがんとしてよく知...
2009年6月
帝京大学医学部付属病院 泌尿器科准教授の 武藤智さん 手術や放射線などで、排尿障害などの悩ましい副作用が引き起こされる前立腺がんの治療。その副作用が少なく、高いQOL(生活の質)が維持できる治療として期待されているのが、現在承認が待たれているHIFU(高密度焦点式超音波療法)による治療だ。HIFUがどのように効果を上げているのか、その現場を取材した。 超音波の照射はコンピュータで設定通り...
2009年6月
埼玉医科大学国際医療センター 婦人科腫瘍科教授の 藤原恵一さん 卵巣がんに対して抗がん剤を直接、腹腔内に注入する腹腔内化学療法(IP)は、数々の臨床試験結果で有効であることが示されています。にもかかわらず、腹腔内化学療法を疑問視する意見も根強く、いまだ標準治療とはなっていません。しかし、最近になって、腹腔内化学療法を見直す動きが活発となり、有効性と安全性をあらためて確認する大規模な試験が開始...
2009年6月
埼玉医科大学国際医療センター 婦人科腫瘍科教授の 藤原恵一さん ライフスタイルの変化とともに年々増加傾向にある卵巣がんは、早期発見が難しく、死亡率が高いのが特徴。 しかし、卵巣がんは化学療法が比較的よく効く疾患であり、新しい抗がん剤の登場によって、進行がんであっても治療成績は向上してきている。 7割が進行がんで見つかる 生命のもとになる卵子を生成し放出するとともに、女性ホルモンを分泌する...
2009年6月
横浜市立大学付属 市民総合医療センター 再建外科准教授の 佐武利彦さん 乳がん患者が増えるにつれて、より美しい乳房再建のニーズも高まっています。 横浜市立大学付属市民総合医療センター再建外科准教授の佐武利彦さんは、日本ではまだ数少ない乳房再建を専門とする形成外科医です。 「それぞれの患者さんの希望や体型などにあわせて最適の乳房再建を求めてきた結果、生まれたもの」という自家組織を移植する新しい乳...
2009年6月
再発7年「オンリーワンでいいじゃないか」 発想の転換で始めた猛リハビリが「奇跡」を呼んだ 田村祥子さん田村祥子さん(73歳) 94年3月に左乳房にがんが見つかり、全摘手術を受ける。01年秋頃から背中の痛みを感じ始め、02年1月に再発、骨転移で下半身全まひに。放射線、ホルモン療法の後、猛烈なリハビリに取り組む「下半身がなくなってしまった」それは文字通り、「青天の霹靂」でした。7年前の1月のある朝、い...
2009年6月
サロン終了後、座談会が行われた 再発患者の集い「なのはなサロン」に参加する、乳がん再発患者さん13人のエピソードで体験談を披露してくれた「あけぼの千葉」会員5名と、代表の齋藤とし子さんに、サロンの役割と意義について語ってもらった。 病気への理解が深まる 齋藤 「なのはなサロン」に来ると、最初はしょんぼり肩を落としていた人も見違えるようにイキイキとした表情で帰っていきます。 他の再発患者さんと交流...
2009年6月
乳がんが再発すると、完治は難しいとされる。しかし、実は再発後の治療が効果を発揮し、長期にわたって生存している人たちも少なくない。再発後でも長期生存を実現するためには、どのような治療を受け、どのような日々の生活を送ればいいのか。再発患者を支える医師たちにその治療法とサポート法について聞いてみた――。 大きく変化している再発治療 聖路加国際病院乳腺外科部長の 中村清吾さん 今、再発乳がん治療の常...
2009年6月
医療面から日々の生活、そして、がんとの向き合い方など、心の側面に至るまで、取材を通して浮かび上がった、再発患者が長期生存を実現するためのポイントをまとめてみた――。 第1条 医療の進歩の恩恵を受ける 再発乳がんに対する治療は、急激なスピードで進化を続けている。「再発乳がんの治療は、まさに日進月歩。半年ごとに新薬が出てきている状況」と聖路加国際病院乳腺外科部長の中村清吾さんも語っているように、...