2014年2月
タンパク質の摂り方に注意を促す中濵孝志さん前立腺がんの治療後の食事には、特定の制限はない。しかし、中高年の男性に多発するがんであるため、食事の管理は重要である。前立腺のしくみ 図1 前立腺の位置 前立腺は、精液の一部(約50%)を作る男性固有の臓器で、膀胱の真下にあり、尿道を取り囲むようにして存在する。精巣や直腸とも隣接し、一般的に、3~4㎝大のクルミほどの大きさである(図1)。正常な前立腺は円錐...
2014年1月
「食べられることは、生きる証」と語る小松美佐子さん腎臓がんの治療後の食事は、腎臓の状態や化学療法の有無によって対応が変わる。しかし、どんな場合でも共通するのは“食べる喜び” を大切にすること。今回は、腎機能低下に伴う厳しい食事制限の中でも、いかに工夫して美味しく食べるかを、専門家に聞いた。腎臓の働き腎臓は、腰の高さの位置に背骨をはさんで左右1つずつある、子供のこぶし大の臓器だ。主な働きは、血液が運...
2014年1月
高山忠利 日本大学医学部消化器外科教授「患者さんへの負担が少ない手術を目指し続けています」と話す高山忠利さん血管が密集している肝がんの手術は難易度が高い。1980年代、12~20%だった手術死亡率は、術中の大出血、術後の肝不全などが要因だった。しかし今日では1~2%にまで減少。1回の手術で5000~10000㎖もあった出血量が、平均1000㎖にまで減少したことが大きく貢献している。ところが高山さん...
2014年1月
「がん治療は心臓に影響を及ぼすことが少なくないので、自覚症状が重要」と話す庄司正昭さん心臓など循環器の疾患を持っていたり、心臓の機能が弱っている人ががんになるケースが少なくない。ところが、抗がん薬の中には心臓に悪影響を及ぼす毒性(心毒性)を持つものがあるなど、がんの治療によって循環器、特に心臓の疾患を悪化させることがあるだけに、十分な対策が欠かせない。一般患者さんに比べ心電図に異常が多い循環器の疾...
2013年12月
「エビデンスを示すのは当然のこと」と話す岩瀬哲さん「AHCCの効果をさらに詳しく検証します」と話す半谷匠さん生命やQOL(生活の質)に影響を与える抗がん薬の副作用。乳がんの補助化学療法では、副作用を軽減させるために、代替療法の1つであるAHCCの効果が、科学的に検証され始めている。キノコ菌糸体AHCC副作用軽減に貢献かがん患者さんの多くは、治療に伴い、吐き気、嘔吐、口内炎、脱毛といったQOL(生活...
2013年12月
宇田川 晴司 虎の門病院消化器外科部長「根治・安全・低侵襲はもちろんのこと、術後の患者さんのQOLを考えた手術を行っています」と話す宇田川晴司さん食道がんの手術は、大がかりで体への負担も大きいことで知られる。これに対して、虎の門病院消化器外科部長の宇田川晴司さんは食道がん手術の9割に胸腔鏡と腹腔鏡を導入している。しかし「新しいことをするためではありません」という言葉どおり、手術で培った技術が随所に...
2013年12月
「がんと糖尿病は連携をとって治療に臨むことが大切です」と話す大橋健さんがん患者さんの中でも60歳以上の患者さんでは、3人に1人が糖尿病の可能性を秘めていると言われている。がんも糖尿病も、慢性疾患として日々の治療が重要となる。だからこそ、それぞれの治療の影響や兼ね合いについて、患者さんはもちろん、家族も知っておく必要がある。糖尿病サイト「糖尿病とがん」(大橋健さん監修)http://www.club...
2013年12月
「がん治療にも影響する腎臓病をもっと知って下さい」と話す松浦友一さん健康な人でも歳をとるにつれ腎機能は低下するが、腎機能が悪いと、画像診断や一部の抗がん薬治療が行えないなどの不利益がある。また腎機能が正常な人に比べて、抗がん薬の副作用も強く出ることが知られている。そのような腎疾患・透析患者さんのがん治療とは――。腎疾患はがんの診断や治療を制限肝臓は病気があっても症状が出にくいことから「沈黙の臓器」...
2013年12月
「分子標的薬の治療はベネフィット・リスク・コストを考慮することが必要」と話す田村研治さん細胞の増殖や浸潤・転移にかかわるがん細胞特有の分子(タンパク質を基に構成されている酵素など)を標的とする分子標的薬。同薬の出現は、「個別化医療」を現実のものとし、2000年以降、がん薬物療法のキーファクターとなっている。しかし、いくつかの課題もあるという。現在開発されているのはほとんどが分子標的薬がんの薬物療法...
2013年12月
国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科科長田村研治さん個別化治療の鍵となる分子標的薬。しかし、どんなに素晴らしい薬剤でも、それを使い続けるといずれ効果がなくなる。そのようなとき、どうしたらよいのだろうか。効いていた分子標的薬もいずれ効かなくなる離れた臓器に転移がある進行がんの状態になると、従来型の抗がん薬でも、分子標的薬でも、基本的に完治させることは困難になってしまう。そこで、このような場合の...