さらなる低侵襲を可能にした、がんの腹腔鏡下肝切除手術
2012年10月
「肝臓の手術も腹腔鏡で行えるようになりました」と語る金子弘真さん肝臓は、血管に富んだ臓器のため、出血のリスクが大きく、これまで肝切除といえば開腹手術が主流だった。しかし、東邦大学医学部一般・消化器外科主任教授の金子弘真さんは腹腔鏡下手術を積極的に導入。熟練した医師が行えば、適応はやや限定されてはいるものの、患者さんに低侵襲で開腹手術と変わらない治療成績をあげられるという。出血を抑えながらの治療トロ...
2012年10月
「肝臓の手術も腹腔鏡で行えるようになりました」と語る金子弘真さん肝臓は、血管に富んだ臓器のため、出血のリスクが大きく、これまで肝切除といえば開腹手術が主流だった。しかし、東邦大学医学部一般・消化器外科主任教授の金子弘真さんは腹腔鏡下手術を積極的に導入。熟練した医師が行えば、適応はやや限定されてはいるものの、患者さんに低侵襲で開腹手術と変わらない治療成績をあげられるという。出血を抑えながらの治療トロ...
2012年9月
神奈川県立がんセンター 看護局主任看護師の 山本香奈恵さん ひと昔前には、終末期の患者さんに対するケアというイメージがあった緩和ケア。現在ではがんと診断されたときから積極的に取り入れる施設が増えている。痛みをしっかりコントロールしながら自宅でがんに立ち向かう人が増えてきた昨今、大きくなっているのが看護師の役割だ。 主治医の診察日に合わせ30~40分かけて外来診療 [図1 緩和ケアチームへの依頼...
2012年9月
細胞シートを始めとする再生医療の第一人者の 大和雅之さん 食道がんの内視鏡手術後に発生する潰瘍は、食道の狭窄を招き、患者を悩ませる。ところが、東京女子医科大学先端生命医科学研究所教授の大和雅之さんによると「細胞シートを絆創膏のように傷口に貼るだけで、潰瘍は治る」という。細胞シートを用いた再生医療が、がん治療の分野でも画期的な進歩をもたらしつつあるのだ。 瀕死の少年を救った細胞シート再生医療などま...
2012年8月
「無理は禁物、きちんと 適応を考えるべき」と語る 内視鏡のスペシャリスト 金平永二さん 最近、内視鏡手術でもたったひとつの穴から全ての操作を行う「単孔式内視鏡手術」が注目を集めている。先駆者の1人であるメディカルトピア草加病院院長の金平永二さんは「傷痕はほとんどわからなくなりますが、がんの場合は根治性の確保が第一です」と語っている。 おへその穴からアプローチ 医療器具の進歩により、傷がおへその...
2012年8月
ホルモン療法の副作用ケアにも 漢方が有効と語る 岡本英輝さん ホルモン療法は抗がん剤治療に比べ副作用は小さいが、継続するべき期間は長くなるので、些細な副作用でも問題となります。 千葉大学医学部付属病院和漢診療科では、そんな副作用を軽減するために漢方の処方が行われています。 更年期障害に似た副作用 さまざまな生薬が配合され、漢方は作られる 乳がんのうち、女性ホルモンであるエストロゲンの...
2012年8月
「痛みがコントロールされて いれば、同じ薬を継続的に 使ったほうがよい」と話す 岡本禎晃さん がん患者さんの約8割は、何らかの痛みを感じるといわれています。しかし、こうした痛みの多くは、医療用麻薬(オピオイド)を適切に使うことで和らげることが可能です。現在では様々な種類のオピオイド鎮痛薬が存在しており、飲み間違いや使い方の誤りといった事故(メディケーションエラー)が起こる危険性が増えています。こ...
2012年8月
進行非小細胞肺がんの初回薬物療法として標準治療に劣らない成績を示した経口薬「TS-1」の併用療法、大腸がんの術後補助化学療法として標準薬に劣らない効果を示した経口薬「UFT」の併用療法、胃がんの2次治療に関する最新データなど、注目された3つの発表をレポートする。進行肺がんの初回薬物療法にTS-1の併用療法ASCO(米国臨床腫瘍学会)が開催されたシカゴの街並み日本で行われた臨床試験の結果が注目を集め...
2012年8月
世界中から3万人ものがん領域の専門家が集まり、最新の治療成果が発表される米国臨床腫瘍学会(ASCO)。 これまでの標準治療を大きく変え得る新薬登場など、今年もさまざまな最新トピックスが発表された。その最前線をレポートする。 研究投資の成果が毎年、6月に米国シカゴで開かれる米国臨床腫瘍学会(通称ASCO)。今年で48回目を迎え、本年は「がん撲滅のために協力しあおう」をテーマに世界各国から約3万200...
2012年7月
緩和ケアの研究にも 熱心に取り組んでいる 山口 崇さん 痛み治療を受けることで、QOL(生活の質)を向上することができます。そして、それはより効果的ながん治療を受けられる体力を維持することにもつながっていきます。痛みは我慢するものと考える患者さんが多い日本で、「がんの痛み伝達シート」など痛みの自己評価ツールを活用しながら、痛みの除去に取り組む手稲渓仁会病院・緩和ケアチームに痛み治療の実際を聞き...
2012年7月
「腸を使って新しい膀胱を造る ことができます」と話す 武藤智さん 膀胱の全摘手術を受けると、以前は腹壁に造った穴から尿を排泄することが多かった。しかし今では、小腸を使って「新膀胱」を造設することで、自分で排尿することが可能になった。帝京大学泌尿器科准教授の武藤智さんによると「条件さえ合えば何歳でも新膀胱は可能」だという。まずは膀胱を全摘 膀胱は、前立腺とともに全摘する 今日、手術を受け...