2年前まで喫煙していた場合、乳房再建は受けられない?
乳房全摘術を予定していますが、乳房再建をしたいと考えています。ところがインターネットで「喫煙者の乳房再建は受けられない」という記事を読み、私は2年前まで喫煙していたので心配になりました。現在は禁煙していても、再建は無理なのでしょうか。また化学療法を受ける場合、再建手術への影響はありますか。
(53歳 女性 神奈川県)
A 喫煙の本数が多ければ ハイリスクの可能性がある
ブレストサージャリークリニック院長の岩平佳子さん
手術でできる傷あとは、末梢血管によって運ばれる酸素や栄養素の働きできれいに治ります。ニコチンは末梢血管を縮小させ、血行を悪くする作用があり、一般的に喫煙者は傷が治りづらくなります。また、傷の治りが遅いと感染症を起こす危険性も高くなります。
禁煙しても、末梢血管が元の状態に戻るには5年ほどかかると言われています。また喫煙年数だけでなく、喫煙した本数も影響します。毎日1~2本ならそれほど影響はありませんが、喫煙本数が多ければ多いほどハイリスクになる可能性があります。
また、乳頭乳輪の形成手術でも、喫煙者は乳頭の先まで血液が循環しにくく、形成した乳頭が黒ずんだり、壊死して取れてしまうことがあります。再建を希望されるのでしたら、リスクについてしっかりと医師に聞いておく必要があるでしょう。
2つ目のご質問ですが、抗がん薬治療中は白血球が減少し、傷が治りにくく感染症のリスクが高まります。乳がん手術と同時にティッシュエキスパンダーを入れた場合、抗がん薬治療後に生理食塩水を入れたほうが、リスクを減らすことができます。