効果の高い治療法が登場し、切除不能膵がんの選択肢が増える
2014年12月
「膵がんの化学療法は期待できる選択肢が増えています」と話す大川伸一さん膵臓は胃の裏側の後腹膜にあるため、がんの早期発見が難しく、年間発症する約3万人のうち、手術を受けられる人は約2割だ。切除不能進行がんの治療では、根治を望めないまでも延命を図るための模索が行われており、昨年(2013年)12月に新しい治療法FOLFIRINOXが承認された。それに続く治療薬の動向も紹介する。 新たな治療法 FOLF...
抗がん薬治療
2014年12月
「膵がんの化学療法は期待できる選択肢が増えています」と話す大川伸一さん膵臓は胃の裏側の後腹膜にあるため、がんの早期発見が難しく、年間発症する約3万人のうち、手術を受けられる人は約2割だ。切除不能進行がんの治療では、根治を望めないまでも延命を図るための模索が行われており、昨年(2013年)12月に新しい治療法FOLFIRINOXが承認された。それに続く治療薬の動向も紹介する。 新たな治療法 FOLF...
2014年12月
「化学療法が効いて、手術に持ち込めるケースがあることを知って欲しい」と話す森 隆太郎さん胆道がんの唯一の根治的治療法は手術だ。しかし、進行胆道がんで手術が困難な患者さんには、化学療法や放射線療法が行われている。なかには抗がん薬が効いて、腫瘍が小さくなる患者さんもいるが、そういった人たちにも化学療法を漫然と続けているのが現状だ。そうした中、注目されるのが、腫瘍が増大せず長期間効果を持続している患者さ...
2014年12月
「欧米で患者数が少ないことから薬の開発が進まない」と話す石井 浩さん「日本こそ、新薬の開発をして欲しい」と話す眞島喜幸さん 現在、胆道がん治療に有効な抗がん薬は3剤しかない。「もっと治療薬が欲しい」という患者会の声、ならびに胆道がんの化学療法の現状と今後の展望について専門医に聞いた。 日本胆道がん患者会胆道がんの患者のための、情報提供とサバイバーのネットワーク構築が目的の患者会です。胆道がん患者・...
2014年12月
おかもと るみこ 1989年琉球大学医学部医学科卒業、東京都立駒込病院内科研修医。91年国立がん研究センター中央病院内科レジデント。94年東京都立駒込病院化学療法科医員、2003年同医長。13年4月より千葉西総合病院腫瘍内科部長・外来化学療法センター長。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医がん医療の水準が向上したとはいえ、中央と地方の医療格差はまだまだ縮まっていない。地域に対応できる医療機関...
2014年10月
「サブタイプや患者さんの状態で効果的な術前療法を選択します」と話す黒井克昌さん乳房内の腫瘍が大きければ乳房全体の切除というのが乳がん治療の定石だが、大きな腫瘍でも手術の前に化学療法を加えて小さくし、部分切除にとどめて乳房を温存するという治療選択もある。術前化学療法はどのように行われるのか――乳がんの術前化学療法の研究を続ける専門家に話を聞いた。病理学的完全奏効も 「術前化学療法の一番のメリットは、...
2014年10月
すぎもと なおとし 1995年三重大学卒、大阪大学医学部第二内科入局。2003年同大大学院医学系研究科腫瘍発生学講座修了、大阪府立成人病センター消化器内科主任。広島大学大学院を経て、2008年大阪府立成人病センター臨床腫瘍科医長兼消化管内科、2010年同副部長。日本臨床腫瘍学会指導医・評議員、同会がん薬物療法専門医等高齢社会のいま、胃や大腸などの消化管がんにおいても、後期高齢者の進行・再発がんが増...
2014年10月
「化学療法による脱毛は女性のQOLを大きく低下させます」と話す金井久子さんがん化学療法を受けると脱毛することは、がんの治療経験がない人にも広く知られている。だが、抜けた頭髪や眉毛、まつげが治療終了後いつまでに、どのくらい回復するかについては、実は確かな数字はあまりないのが現状だ。乳がんの場合、医療者が経験的に得た情報から「治療終了後1年~1年半ほどでかつらを外せる人が多い」といった説明をすることが...
2014年10月
「より良い治療を受けていただきたい」と話す奥山裕美さん乳がんの薬物療法は、薬剤の進歩により外来治療にシフトしている。通院で治療を受けながら生活できるというメリットは大きいが、一方で副作用への対応が課題だ。昭和大学病院ブレストセンターでは携帯端末を使って乳がん患者さんが自宅で副作用の状態を入力し、そのデータを病院にいる医療者と共有できるというシステム開発に取り組んでいる。これまでにない、患者さんとの...
2014年8月
「日本を始め、世界で新薬開発に取り組んでいます」と話す山田康秀さんかつて、胃がんは抗がん薬が効きにくいがんの1つと言われた。しかし、1980年代から新しい抗がん薬が使用されるようになったり、近年では分子標的薬も適応となり、生存期間も延びている。切除不能進行・再発胃がんにおける化学療法の最新事情をまとめた。 進歩する胃がん化学療法 胃がんの治療は基本的には外科手術による切除が選択されるが、進行してい...
2014年8月
密接なコミュニケーションが チーム医療のエンジン金内 一さん 公立昭和病院乳腺・内分泌外科部長 外来で抗がん薬治療の点滴を行う「通院治療センター」のまとめ役をしているが、いつも連携の大切さを実感している。集学的治療をよりよく実現させるためのチーム医療がクローズアップされているが、その典型的な例がこのようなユニットだと思う。患者さんのQOL向上のために外来での化学療法の一番の目的は、働きながら、普通...