乳がん患者さんが自宅で入力 医療者は病院でチェック
2014年10月
「より良い治療を受けていただきたい」と話す奥山裕美さん乳がんの薬物療法は、薬剤の進歩により外来治療にシフトしている。通院で治療を受けながら生活できるというメリットは大きいが、一方で副作用への対応が課題だ。昭和大学病院ブレストセンターでは携帯端末を使って乳がん患者さんが自宅で副作用の状態を入力し、そのデータを病院にいる医療者と共有できるというシステム開発に取り組んでいる。これまでにない、患者さんとの...
抗がん薬治療
2014年10月
「より良い治療を受けていただきたい」と話す奥山裕美さん乳がんの薬物療法は、薬剤の進歩により外来治療にシフトしている。通院で治療を受けながら生活できるというメリットは大きいが、一方で副作用への対応が課題だ。昭和大学病院ブレストセンターでは携帯端末を使って乳がん患者さんが自宅で副作用の状態を入力し、そのデータを病院にいる医療者と共有できるというシステム開発に取り組んでいる。これまでにない、患者さんとの...
2014年8月
「日本を始め、世界で新薬開発に取り組んでいます」と話す山田康秀さんかつて、胃がんは抗がん薬が効きにくいがんの1つと言われた。しかし、1980年代から新しい抗がん薬が使用されるようになったり、近年では分子標的薬も適応となり、生存期間も延びている。切除不能進行・再発胃がんにおける化学療法の最新事情をまとめた。 進歩する胃がん化学療法 胃がんの治療は基本的には外科手術による切除が選択されるが、進行してい...
2014年8月
密接なコミュニケーションが チーム医療のエンジン金内 一さん 公立昭和病院乳腺・内分泌外科部長 外来で抗がん薬治療の点滴を行う「通院治療センター」のまとめ役をしているが、いつも連携の大切さを実感している。集学的治療をよりよく実現させるためのチーム医療がクローズアップされているが、その典型的な例がこのようなユニットだと思う。患者さんのQOL向上のために外来での化学療法の一番の目的は、働きながら、普通...
2014年8月
「ご自身の事前の努力で症状を緩和できます」と語る古賀陽子さんがん治療では、抗がん薬や放射線による治療の副作用として口腔粘膜の炎症が起こりやすい。ひどい場合は口からの食事ができない状態になってしまう。しかし、事前の準備で発症可能性を抑えたり、症状を緩和させることができる。化学療法の40%で口腔粘膜炎 口腔粘膜炎(口内炎)とは、頬の内側や舌など口の中に腫れやただれが生じるもので、抗がん薬や放射線による...
2014年7月
「手術前か後に、化学療法を組み合わせる治療が注目されるようになっています」と語る井上さん大腸がん肝転移に対する治療は、肝臓手術の進歩や化学療法の進歩によって変化を遂げてきた。現在では、切除手術が可能な肝転移のある患者さんに対しても、手術前後に化学療法を組み合わせる治療が行われるようになり、それが妥当かどうかの検証が進められている。かつては手術が可能なら 積極的な肝切除が行われた肝臓への転移がある大...
2014年7月
「患者さんにも情報を提供する必要性をスタッフが感じ、曝露対策に取り組むことになりました」と語る高橋真由美さん正常な細胞にも悪影響を与えることが知られている抗がん薬。近年は医療現場でも、スタッフが抗がん薬に曝露(ばくろ)(さらされること)しないよう、防護対策がとられている。そのような薬の投与を受ける患者さんや家族に対し、排泄物や洗濯物の取り扱いについて指導することの大切さが注目されている。通院治療セ...
2014年7月
「院外の調剤薬局にもがんに詳しい薬剤師が少しずつ増えているので、そうした人たちに相談するのも1つの方法です」と述べる野村久祥さん抗がん剤治療で現れやすい副作用の1つが手足のしびれなどの末梢神経障害。患者さんのQOL(生活の質)を著しく低下させて、とても我慢できないと治療を中断することもあるほどだが、適切な対処と患者さんのセルフケアで症状の軽減が可能だ。今回は大腸がん治療でよく使われるオキサリプラチ...
2014年6月
「症状をコントロールできれば抗腫瘍効果を最大限に引き出せる」と語る山﨑直也さんがんの化学療法(抗がん薬治療)の副作用で悩まされるのが、手足に現れる炎症や痛みなどの手足症候群。とくに分子標的薬では強く発現しやすいが、実はこれは治療効果が現れている証でもある。手足症候群をいかに上手にコントロールするかが、治療を続ける上で重要になっている。手足症候群の概要とその対策について専門家に聞いた。分子標的薬の皮...
2013年12月
「分子標的薬の治療はベネフィット・リスク・コストを考慮することが必要」と話す田村研治さん細胞の増殖や浸潤・転移にかかわるがん細胞特有の分子(タンパク質を基に構成されている酵素など)を標的とする分子標的薬。同薬の出現は、「個別化医療」を現実のものとし、2000年以降、がん薬物療法のキーファクターとなっている。しかし、いくつかの課題もあるという。現在開発されているのはほとんどが分子標的薬がんの薬物療法...
2013年12月
国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科科長田村研治さん個別化治療の鍵となる分子標的薬。しかし、どんなに素晴らしい薬剤でも、それを使い続けるといずれ効果がなくなる。そのようなとき、どうしたらよいのだろうか。効いていた分子標的薬もいずれ効かなくなる離れた臓器に転移がある進行がんの状態になると、従来型の抗がん薬でも、分子標的薬でも、基本的に完治させることは困難になってしまう。そこで、このような場合の...