2011年10月
多発性骨髄腫の豊富な 治療経験を持っている 西脇嘉一さん 昨年、治療効果が大きく、副作用も少ないといわれる大型新薬、レブラミドが承認されたことで、多発性骨髄腫の薬物療法は大きく前進した。 レブラミドの発売から1年経ち、医療の第一線からは目ざましい成果が報告されつつある。 進行してから診断される例が多い多発性骨髄腫は、血液のがんとしては白血病に次いで2番目に多い病気だ。50代以上になると発症率が...
2011年8月
ASCO膵がん・大腸がん報告 今年6月、米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、日本発の経口抗がん剤TS-1の膵がんと大腸がんに対する効果が発表され、注目を集めている。 これらの内容が患者さんにどう役立つかという観点からレポートしよう。膵がんの大規模臨床試験で新たな知見が発表 3万人を超える人が集う2011年のASCO会場 GEST試験と呼ばれる膵がんの臨床試験に関して、大阪府...
2011年8月
肺がん・乳がん・肝がん報告 今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)では、肺がん・肝がん・乳がん・腎がんの化学療法で、興味深い発表がなされた。 肺がんでは、今後の治療法に大きな影響を及ぼすであろう有望な新薬の発表もあった。その動向を確認したい。ALK陽性の非小細胞肺がんでクリゾチニブが高評価 [図1 クリゾチニブの腫瘍縮小効果](EML4-ALK融合遺伝子を有する非小細胞肺がん) [図2 クリゾチニ...
2011年8月
患者・医療従事者間相互の 情報提供が大切と語る 矢ヶ崎香さん 抗がん剤の副作用の中でも、今最もやっかいな末梢神経障害。 患者さんのQOL(生活の質)に大きく関係し、その後のがん治療にも大きく影響を及ぼす。 軽視できないこの副作用の対策法を見直してみたい。 本人以外はわかりにくい副作用 [図1 末梢神経細胞] 神経線維:微小管は細胞分裂に関するほか、神経細胞では細胞体で作られたタンパク質を神...
2011年8月
外来化学療法ホットラインの普及に奔走する 後藤功一さん 入院で行われる抗がん剤治療が減り、外来で治療を受ける人が増えている。 外来化学療法の副作用対策のポイントは、患者さん自身が自分の体調の変化をよく知り、対処方法を知っておくこと。 そこで、それぞれの副作用に対する対処方法をまとめた。 現実のものになった外来での抗がん剤治療 [国立がん研究センター東病院における外来化学療法件数の年次推移] 「...
2011年5月
がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科病棟主任看護師の 清弘絵美さん がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科病棟次席看護師の 小林葉子さん 血液がん治療を受ける患者さんやその家族にとって、化学療法の副作用はつらいもの。 ついつい神経質になったり、がんばりすぎてしまったりしがちだが、上手に付き合うにはどうしたらよいのだろうか。 初回が大切副作用治療「血液がんの化学療法(抗がん...
2011年5月
東京慈恵会医科大学付属第3病院 腫瘍・血液内科診療部長の 薄井紀子さん 化学療法がよく効くために腫瘍が壊れて高尿酸血症などを起こし、患者さんを死に至らしめるおそれのある腫瘍崩壊症候群。 この緊急処置を要する症状を防ぐため、新しい薬剤、ラスリテックが現れた。 治療薬は効いたが、腫瘍崩壊症候群を止められなかった東京慈恵会医科大学付属第3病院腫瘍・血液内科診療部長の薄井紀子さんには、悲しくて悔しい臨...
2011年4月
横浜市立大学大学院 医学研究科泌尿器病態学准教授の 上村博司さん 進行した前立腺がんと長く共存していくのに不可欠な薬が、抗がん剤のタキソテールである。 患者さんがこの抗がん剤の副作用と上手に付き合っていくためにはどうすればよいか、患者さんの生の声も交えて解説する。 PSAが低い段階でタキソテール治療を開始前立腺がんにはいろいろな治療法があるが、進行がんの場合、まず選択されるのはホルモン療法であ...
2011年4月
慶應義塾大学医学部 臨床薬剤学教授の 谷川原祐介さん 抗がん剤による口内炎、下痢、食欲不振などの副作用に悩まされている患者さんが多い。 その副作用対策として大きく期待されているのが成分栄養剤だが、飲み続けるのに苦労する患者さんが多いのも事実だ。 それをチーム医療でサポートし、副作用対策を成功させようという試みが、今注目を集めている。 副作用対策が、がんと闘う体力・気力を呼び戻すがんの薬物治療...
2011年4月
千葉県がんセンター 薬剤部上席専門員の 浅子恵利さん 抗がん剤の影響で、手足に炎症や痛みが集中的に起こる手足症候群。「重症化すると物を持てなくなったり、歩けなくなったりして、 日常生活が困難になります」。こう指摘するのは千葉県がんセンター薬剤部上席専門員の浅子恵利さん。 早めに対処することが、翻って抗がん剤治療の継続につながると浅子さんは話しています。 手足の炎症や痛みで持てない、歩けない!...