2006年8月
米フォックスチェース がんセンター教授の マイケル・A・ブックマンさん 卵巣がん、とくに進行卵巣がんに対する化学療法は、タキソール(一般名パクリタキセル)とパラプラチン(一般名カルボプラチン)との組み合わせが標準的治療となっているが、アメリカでは、GOG(Gynecologic Oncology Group)という婦人科がんの研究グループがさらに治療効果を高めるための研究を行っており、今年の...
2006年8月
中皮腫治療の第一人者 兵庫医科大学教授の 中野孝司さん マスコミでも大きく報道されるアスベスト被害。しかし、アスベストがもたらすがんは、今後もっと増えていく。ピークは2020年と、英国で予想されている。そこで、アスベストが原因のがんの中でも、最も多い悪性胸膜中皮腫について、正しい知識と最新の治療法を紹介しておきたい。急増する中皮腫の患者数体の内側や臓器は、「漿膜」と呼ばれる薄い膜でおおわれている...
2006年8月
キム・ヘジョン 大学在学中、朝鮮日報の「新春文芸」に小説が当選、文壇デビュー。 以降、放送作家として活動しながら、ドキュメンタリーを多く執筆。 「人と人」「韓国の美」「韓国再発見」など多くのテレビドキュメンタリーの制作にも参加。 ヨーロッパ散策記『人生よりも美しい風景はない』など 今、ある1本の映画がこどもをもつ親たちの熱烈な共感を集めている。 『奇跡の夏』――脳腫瘍のこどもとその弟、両親...
2006年8月
聖路加国際病院副院長 小児総合医療センター長の 細谷亮太さん 小児がんは、かつては「不治の病」と考えられていた。しかし、近年は医療技術の進展にともない、治癒率は飛躍的に向上した。だが、治癒率の向上は、時として多種多様の晩期障害の発症をもたらす。この晩期障害が現実に立ちはだかったら、治療は、そして家族はどう対処すればよいのか。聖路加国際病院の副院長で小児総合医療センター長の細谷亮太さんに、小児...
2006年8月
東京医科大学 外科第1講座講師の 坪井正博さん 世界で最大規模のがん関連学会、米国臨床腫瘍学会(ASCO)の第42回年次大会(ASCO2006)における、肺がん治療に関するトピックスを、東京医科大学外科第1講座講師の坪井正博さんに伺った。 ここ数年で化学療法の評価一変 坪井さんが語るのは、肺がんの中でも全体の8割を占める非小細胞肺がんに対する術後補助化学療法についての最新報告だ。 たとえ...
2006年8月
慶應義塾大学 包括先進医療センター教授の 久保田哲朗さん 2006年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)における消化器がん分野の報告では、前年に引き続き、進行・再発大腸がんの化学療法でめざましい成果が発表された。しかし、一方では、副作用や医療経済面での問題点も明らかにされた。慶應義塾大学病院教授の久保田哲朗さんに消化器がんの最新の治療法とその動向についてうかがった。 奏効率60%の時代。しかし...
2006年7月
癌研有明病院消化器センター長の 山口俊晴さん 消化器がんの中で、胃がんは、大腸がんとともに最も治りやすいがんの1つです。早期発見・早期治療が功を奏したからです。しかし、だからといって、胃がんを侮ってはいけません。早期のうちに腹膜に転移し、やっかいながん性腹膜炎になるのも少なくなく、転移・再発すればやはり厳しくなります。したがって、大切なことは、がんの進行具合を正しく把握すること、そしてその進行具合...
2006年7月
東京医科歯科大学病院 腫瘍外科講師の 小嶋一幸さん 胃がんに対する腹腔鏡手術は、1991年に世界にさきがけて日本で開発された治療法。開腹手術に比べ体への負担が軽くて日常生活への復帰が早い、などの利点があり、一部の進行がんにまで適応が広がっている。ただし、技術が難しく、コストもかかるため、施設間、術者間の格差が大きいのが難点。今のところガイドラインでは「臨床研究」と位置づけられているが、5年生存率は...
2006年7月
山口大学大学院 医学研究科講師の 吉野茂文さん 胃がんが進行すると、胃壁の表面から裏側へとしみこみ、ついには漿膜を破って腹腔内へこぼれ落ちる。このこぼれ落ちたがん細胞は腹腔内で様々な炎症をひき起こし、がん性腹膜炎となる。がん性腹膜炎になると、治療の手がなくなり、全身状態が急速に悪化する。少し前までは。しかし、今は、こうした状態でも抗がん剤治療の手がある。その最前線をご報告しよう。 進行・再発胃...
2006年7月
北里大学東病院 消化器内科講師の 小泉和三郎さん かつて、「胃がんに効く抗がん剤はない」と言われていた。しかし、この胃がん治療は99年を境に一変。日本の医療現場にTS-1をはじめ、イリノテカン、タキソール、タキソテールなど、新しい抗がん剤が次々に登場し、奏効率、生存率が向上している。その現状と今後の展望をレポートする。 進行・再発胃がんの治療は90年を境に一変 患者にとっては受難を強いられてき...